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【特別企画】「CS:GO」APAC大会「eXTREMESLAND」観戦記(Impress Watch)
「Counter-Strike: Global Offensive」のAPACトーナメント「ZOWIE eXTREMESLAND CS:GO ASIA OPEN 2017」が10月22日閉幕した。日本ではGALLERIA GAMEMASTER CUPで日本代表を選出し、アジア14の国と地域から16チームが参戦し、その頂点に輝いたのは、ホスト国である中国のFlash。もともと中国は前大会優勝国であり、かつホスト国ということで3つの出場枠を持ち、格段有利なポジションにいたが、実際、その枠を締めるにふさわしい強いチームばかりで大会を牽引する存在だった。本稿では「ZOWIE eXTREMESLAND」レポートの締めくくりとして、本大会の取材を通じて感じた日本のeスポーツの現状と、求める未来像について語ってみたい。
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「CS:GO」は、「League of Legends」や「World of Tanks」など、サービス提供元が世界大会を主催するタイトルと比較すると国際大会が少ない印象があるが、eスポーツの国際的な盛り上がりを受けて、ここ数年で急激に増えてきており、この「ZOWIE eXTREMESLAND」もまさにその1つだ。今回で昨年に続いて2回目の開催となるが、実態としては、BenQグループの中でも最大勢力を誇るBenQ Chinaが主体となって、BenQのプロダクトを中国のゲームファンにアピールするために、精強な中国チームを集め、APACチームに対して胸を貸すといったイベントだ。
逆に言えば、中国と他のアジア地域でそれぐらいの実力差があり、今や中国は「CS」界を長年リードしてきた欧米に比肩する「CS」強国になっている。日本初のプロゲーミングチームと言われる「Four Dimension(4dN)」は、打倒SK(SK Gaming)を目標にしていたが、未だに「CS」界のトップチームとして世界に君臨するSKどころか、中国にすら遙かに引き離されているのが現状だ。
しかも、この夏、完美世界より中文版のサービスもスタートし、さらにユーザーを増やしている。ChinaJoyレポートでもお伝えしたように、中国ではプロの予備軍となるアマチュア層も大量に育ってきており、今後さらに強くなる可能性が高い。もっとも、そのぶん中国主催の「CS:GO」大会も増え、日本から参加する機会も倍加しそうで、中国市場が盛り上がるのはあながち悪い話ばかりでもない。
さて、今回筆者は日本代表SCARZ Absoluteと、大会開催前の練習期間から会期終了まで行動を共にした。ここまでチームにベタ付きでeスポーツを観戦・取材したのは十数年のeスポーツ取材歴において初めてで、非常に貴重な経験だった。
余談だが、筆者がeスポーツの取材をはじめたのは2001年頃だ。この年に、米国のCPL(Cyberathlete Professional League)と並ぶ世界最大規模のeスポーツ大会に成長したWorld Cyber Gamesがスタートし、2002年、「Age of Empires II」部門で、日本人のHalen選手が韓国の選手を破って世界1位になった。日本のPCゲームファンは、日々のオンラインマルチプレイの延長線上にeスポーツという存在があることを知り、そして韓国と言えば「Starcraft」という時代に、RTSで韓国に勝てる日本人が存在することを知り、にわかにeスポーツが盛り上がりをみせた。筆者にとって「日本のeスポーツ元年」は2001年だ。
その後、つかず離れず一定の距離を保ちながら17年に渡ってeスポーツを見てきているが、大きく変わったことと、変わらないことがある。大きく変わったのは、興行としてのeスポーツ大会の洗練ぶりだ。観戦しやすいようにクライアント側、配信側の双方にシステム的な改良が加えられ、「CS:GO」で言えば、観戦者のみ、両軍双方の位置がシルエットでわかり、投擲武器の軌跡が見え、いつ会敵するかがわかるなど、より楽しく観戦できる工夫が随所に凝らされている。
オンライン配信もさくさく見放題だ。ホスト国である中国のオンライン配信サイトのみならず、今回は日本予選を行なったGALLERIAが日本語実況での配信を行なってくれたため、eスポーツに関心のある人なら誰でも気軽に見ることができた。中国側の視聴者数は、メイン、サブ合わせて常時10万人を超え、eスポーツ観戦がひとつのカルチャーとして成立していることを伺わせてくれた。
【「Counter-Strike」の変遷】
逆に驚かされたのは、本大会が、一般ユーザーの客入れを一切行なわなかったことだ。入れようと思えば、数百人は入れられそうだったが、入場ができたのは関係者と選手、招待メディアのみ。メインステージの映像もオンライン配信と同じ、1分程度のタイムラグを設定した映像で、メインステージで観戦していると、メインモニターの映像と、選手達のかけ声がズレまくる始末で、そもそもオフラインでの観戦を想定しておらず、すべてのリソースをオンライン配信に注ぎ込んでいるという印象だ。今年、Intel Extreme Mastersのシドニー大会や「World of Tanks」Grand Finalsといった万単位の来場者を集めるeスポーツ大会を取材している筆者としては甚だ寂しい風景だと感じたが、視聴者が余裕で10万超えしているのを見ると、そういう時代なんだなと考えを改めざるを得ない。
また、選手達が最終調整を行なうバックヤードの練習場もすこぶる充実していた。BenQは今回、練習エリアだけで60台のハイエンドPCを常設で用意。16チーム中、12チームが同時に練習できる環境を整えていた。さらに、練習時間も毎日23時頃まで開放し、試合後もたっぷり練習することができた。ちなみにいつも最後まで残って練習していたのは日本チーム。空き時間があればBOTモードを起動してヘッドショットを繰り返し、タイミングがあえば他のチームとの練習試合を行なっていた。
逆に変わっていないなと感じたのは選手を取り巻く環境だ。「Counter-Strike」が、「Half-Life: Counter-Strike(1.6)」と呼ばれていた時代、当時としては先進的だったプロゲーミングチーム「4dN」が日本で誕生し、eスポーツが個人単位からチーム単位に変わる変革期を迎えていた。4dNは当時としてはこれまた珍しいオーナー経営で、選手達はプロとして活動できる環境が確保されていた一方で、肝心の大会そのものが少なかったため、プロとして賞金を稼ぐ機会が限られ、メンバーが安定せず、活動できない期間が多かったと記憶している。
【日本のeスポーツが盛り上がった2005年】
4dNが直面した経済的、機会的な問題は、今もほとんど変わっていない。国内はともかく国外で勝つためには、通常のスポーツと同等か、それ以上の努力が求められるにも関わらず、プロとして十分な報酬を得るためのパスが存在せず、練習成果を発揮する十分な機会も用意されていないため、メンバーの就職や、ちょっとしたメンバー間の意見の相違で、簡単に空中分解してしまう。今も昔もゲーミングチームの解散は日常茶飯事だが、構造的に必然だといっていい。
この点、今回の取材対象であるSCARZ Absoluteは、メンバー間の結束の固さ、とりわけリーダーのlaz選手に対するメンバーの信頼は、他人が立ち入る余地がないほど強いが、メンバーはまだ学生も多く、いつかは卒業を迎え、将来の進路を真面目に考えなければならない時が訪れる。メンバーは5人ぴったりしかいないため、1人が抜ければ即崩壊で、オーナーの友利氏は、プロゲーミングチームとしての報酬面の整備、メンバーが欠けたときの補充プランは、喫緊の課題だという。
では、本大会で文字通りホストとして暴れ回った中国チームはどうかというと、取材した限りでは意外にも似たような状況だった。ゲーミングハウスと衣食住は保証されているものの、チームから報酬を得ているのは、オーナーやコーチら幹部だけで、選手は数人のトップ選手のみ報酬を与えられ、他のメンバーへの報酬は賞金頼り。プロゲーマーとしては生活するには甚だ心許ない状況だ。
それでも国際大会で活躍できる強さを維持できているのは、チームとして、個人として活躍すれば報酬を出すという、報酬体系が明確化していることに加えて、メンバーの在籍数が多く、メンバー同士でのレギュラー争いがあるなど、切磋琢磨できる環境が整備されているためだ。練習時間は、学生、社会人、プロ関係なく、午後1時から10時ぐらいまで、食事休憩を挟んで、毎日7~8時間前後。さすがに毎日ではなく、日曜は休みということだが、eXTREMESLANDのような大会前は休みなしで練習に取り組むということで、実質的にはとても働いているヒマなどない。中国でeスポーツプレーヤーとして活躍するためには、プロとして大成するしかないという背水の陣で臨む必要があるわけだ。ちなみに10時の練習終了後、息抜きで「PUBG」で遊ぶ選手が多いという。ゲーム好きというのも大成するための要件のひとつと言えるかもしれない。
SCARZ Absoluteメンバーでもっとも経験豊富なcrow選手は、中国代表ViCi戦後のインタビューで「中国と同じ練習時間、Ping、対戦相手が用意できれば中国チームにも勝てると思った」と語っていたが、そもそもその前提条件を満たすこと自体が日本では非常に厳しい状態にある。こうした選手を取り巻く環境を根本的に変えない限り、2002年頃から続いている“eスポーツブームの腰折れからのマイナー化”は今後も容赦なく何度でも繰り返されることだろう。
日本のeスポーツ界にとってひとつの光明は、乱立していた諸団体を1つにまとめる動きが出てきていることだ。この問題は、個人やチーム、スポンサーの単位では解決することが難しいため、新たなeスポーツ団体の傘の元で解決する方向性を探っていくしかないと思う。
余談だが、筆者は卓球ファンで、現在の日本のオリンピックや世界選手権におけるメダルラッシュが、単に水谷隼選手や、石川佳純選手といった一部の天才的な選手の登場によってもたらされたものではなく、2008年からJOC主導で始まった「JOCエリートアカデミー」と呼ばれる育成プログラムの成果であることを知っている。その内容については本稿と直接関係がないので、興味のある方は各自検索して調べて見て欲しいが、このプログラムの中核的な拠点が「味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)」だ。
このNTCでは、卓球をはじめ、オリンピックでメダル獲得が有望だと認定されたいくつか競技を対象に、小学生で優秀な成績を残した選手を集め、中学高校の6年間掛けてじっくり育成する。このプログラムの在籍者には、今年プロツアーで世界ランク1位の中国選手を倒して優勝した平野美宇選手も含まれていて、いち卓球ファンとしては、遙か前を独走していた中国の背中が確実に見え、お互いに切磋琢磨していた韓国、香港は遙か後方にいるという現実と、来たるべき明るい未来に興奮を抑えられないが、この卓球のケースは、正しいアプローチで中長期で育成計画を練れば、必ず結果は出せるという好例だと思っている。
もうおわかりだと思うが、日本のeスポーツ関係者が、本当に日本人選手の国際大会での活躍を願うなら、同じアプローチを採用すべきだと思う。日本のeスポーツ選手には、報酬だけでなく、練習環境、練習相手、アスリートとしての教育機会、科学的根拠に基づいた練習方法など、何もかもが足りない。これを個人やチームだけにその責任を負わせ、結果ばかりを期待するのはあまりにも無責任というもので、NTCのような拠点が日本のeスポーツ界に誕生すれば、確実に強くなるし、強くなれば結果も出てくるし、結果が出れば報酬が得られるし、大会に出られる機会も増える。そうなれば、そこを目指そうと考える在野のプレーヤーが手を挙げ、競争原理が生まれ、日本eスポーツ界全体の底上げに繋がるはずだ。
今、日本のeスポーツ界に求められているのは、海外で勝てる実力を備えたスター選手の登場だ。SCARZ Absoluteのリーダーであるlaz選手は、4dN全盛期のエースKeNNy選手を彷彿とさせる、群を抜いた実力とルックスを兼ね備えている。本大会でも、“日本人はFPSは苦手”という根拠のない通説を覆す、パワフルなプレイを魅せてくれた。喋りはあまりうまくないものの、謙虚で真面目、自分に厳しく、練習の虫と、日本人に好まれやすい特性を備えている。こうした選手が結果を出し、その発言に説得力が増してくると、様々なメディアインタビューやプロダクトのコマーシャルなどに取り上げられる機会が増え、「彼の戦いを見たい」、「彼を応援したい!」というゲームファンが増えてくると思う。
選手以外のeスポーツ関係者に話を聞くと、二言目には「オリンピック」、「食えること」、「プロ」といった言葉が出てくるが、個人的にはターゲットが全部ズレていると思う。オリンピックに出るために、あるいはプロになるために、はたまた飯を食うために、ゲームを始めたプレーヤーなどひとりもいないはずで、ゲームプレイに優れた適性があり、あるいは練習を積み重ねて、こうした国際大会に出場できる水準に達したプレーヤーが望んでいることは、目の前の相手に「勝つ」ことだろう。新たなeスポーツ団体がすべきことは、「強い」選手を「勝てる」選手に磨く体制を構築することではないだろうか。
話は変わるが、本大会を観戦していて1番おもしろかった試合は、実は日本戦ではなく、優勝したFlashが準々決勝であたったシンガポール代表B.O.O.T-d[S]との一戦だ。1ゲーム目は16:8でFlashが取り、勝利に王手を掛けたものの、2ゲーム目、B.O.O.T-d[S]が思い切った戦術に出てピストルラウンドに勝利すると、そのままゲームをリードし続けた。Flashがエコラウンドを終え武器を整えてようやく1ラウンドを取り返してもB.O.O.T-d[S]は連続では取らせず、前半の15ラウンドを終えて、13:2という圧倒的大差を付けて試合を優位に進めていた。会場では、まさか中国が格下のシンガポール(といっても日本に比べればその差は小さいが)に負けるかもしれないという空気が漂った。
おもしろかったのは、中国側の変化だ。まず、Flashは後半のピストルラウンド、本来はお金を貯めるべきエコラウンドであるにも関わらず、ありったけのお金を使って投げものを揃えるというなりふり構わぬ戦術に出た。Flashはそのなりふり構わぬ戦術が奏功してファーストラウンドを見事勝利し、そのまま勝ちきったのだが、中国チームが格下相手に本気になる姿を見ることができた。
ちなみに変化したのは選手だけではない。中国のBenQスタッフ、メディア、そして実況配信者たちも目の色を変えて中国チームを応援し始めた。当時筆者は、彼らが詰めているメディアルームで中国の公式配信を一緒に視聴していたが、最初は「シンガポール、なかなかやるじゃん」ぐらいの雰囲気だったが、2ゲーム目の前半を終えてシンガポール代表の圧倒的優位が判明すると、露骨に中国代表を応援し始めた。シンガポール選手が活躍すると押し黙るが、中国選手が活躍すると日本語で「素晴らしい、見事だ」を意味する「漂亮(ピャオリャン)!」を大声で連呼する。
中国人であるBenQスタッフや中国メディアが中国チームを応援するのはまだしも、公式配信のキャスターや解説まで中国推し一辺倒になるのはAPACの大会としてどうかという気がしなくもないが、本大会の実態が、中国の中国チームによる中国人のための大会であることがよくわかる。もっとも、そのことについて文句をいうつもりはなく、むしろ日本枠を設けてくれた上で国際大会で戦う機会を提供してくれたことに感謝したいぐらいだ。ただ、筆者はこうしたスーパーアウェイの雰囲気を目にすると1人の日本人観戦者としていつも願うことがある。彼らが顔面蒼白になり、うろたえ、憤るなか、日本人チームが全員笑顔で優勝トロフィーを掲げている姿を。
提供元:Yahooニュース