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ドラッグ&同性愛を描いたファン・ダン・ジー監督、ベトナムの映画市場を語る(映画.com)
[映画.com ニュース] 第30回東京国際映画祭の「国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA #4 ネクスト!東南アジア」部門に出品されたベトナム映画「大親父と、小親父と、その他の話」が10月28日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、ファン・ダン・ジー監督と、出演のレ・コン・ホアンがティーチインを行った。
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映画は、刺激的な都会と田舎の村を舞台に3人の若者が織りなす人間模様を描き、第65回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された青春ドラマ。21世紀初頭のホーチミン市。写真を学ぶため田舎から出てきた青年ブー(レ)は、麻薬の売人である同居人タンと一緒に夜遊びを満喫していた。ある日、ダンサーの女性バンと知り合った2人は、やがて奇妙な三角関係に陥っていく。
ファン監督はベトナム映画界の新世代を代表する監督として世界的に認められているものの、自身の作品がベトナム国内で公開されたことは1度もないという。「配給の許可は持っているのですが、検閲の問題と、ベトナムの市場では私の映画は一般大衆に受けないという理由で配給はまだされていません。とても残念なことです」とベトナムの映画市場の実状を語った。一方で、今作で扱った同性愛については、「奨励されているわけではありませんが、結婚することは可能ですし、ベトナムではとても認められています」と明かした。
この日は、偶然来日中だったベトナムの女優ミン・チャンがティーチインに参加しており、「今作を日本で見ることができて幸運に思います。ベトナムでは、一体いつになったら気兼ねなくファン監督の映画を見ることができるのかわからないからです」と客席からファン監督と製作陣を祝福した。
ファン監督は、今作を父と息子の隔絶を描く3部作の2作目として捉えているといい、「1作目は2010年製作の『怖がらないで』で、3作目は『フルムーンパーティ』という作品になる予定です」と明かす。ベトナムでは家庭における男性の関係性が複雑になっており、「世代ごとのつながりが見えなくなっている状況」が生まれているという。
そんな状況を今作では“愛”を通して表現したというファン監督は、「ストーリーはサブで、愛を抽象的に描きました。愛にはいろいろな顔があって、優しいときもあれば、陶酔しているときもある。愛とは酔うものだと思うんです。また、クレイジーになってしまうときもあるし、どう猛になるときもあるし、恐ろしい顔をするときもある。そのすべてが愛であって、すべてのキャラクターがそれぞれ愛の顔を表しています」と解説。複雑な恋愛感情を抱く青年ブーを演じたレは、「この役を受けたときには、男の子が好きなのか女の子が好きなのかわかりませんでした。でも撮影まで2年あったので、クランクインしたときにはどちらが好きなのかわかっていました」と演技に自信をのぞかせていた。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
提供元:Yahooニュース