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鳳蘭と実咲凜音が母娘役で共演「私が守ってあげる」(チケットぴあ)
1964年にブロードウェイで初演されトニー賞9部門を受賞、日本でも1967年に開幕し再演を繰り返す名作ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』。このたび、2004年からテヴィエ役を務める市村正親の主演で「日本初演50周年記念公演」が行われる。テヴィエの妻で5人娘の肝っ玉母さん・ゴールデを演じる鳳蘭と、長女ツァイテル役の宝塚歌劇団元宙組トップ娘役・実咲凜音に話を聞いた。
鳳蘭、実咲凜音の画像
帝政ロシアの時代、寒村のアナテフカで暮らすユダヤ人一家を通し、深い信仰、人種の違い、普遍的な家族の絆などを描いた本作。2009年よりゴールデ役を務める鳳は、「3年ぶりに台本を読み、新幹線の中で恥ずかしいぐらい嗚咽しました。あらためて最後の場面と、その先の一家について思いが巡り……。日本人のお客様にもユダヤ人の悲劇など、作品の深さをもっと感じていただけるように演じたいです」と再演の抱負を語る。
ツァイテルは、母が喜ぶ金持ちの肉屋・ラザールとの結婚話を断り、貧乏な仕立屋・モーテルと結婚する。映画で初めて作品に触れた実咲は、「クスッと笑える部分もあり感動もあり、長年愛されている理由が分かりました。ツァイテルのしっかりしている長女らしいところや、5人娘の中での個性を出せたら」と話す。
ともに宝塚歌劇団、そして神戸出身のふたり。鳳は「私はジェームス山出身で、彼女は名谷出身。年代はあまりに違うけれど、すごく近所なの!」と笑う。これまで共演したツァイテル役も宝塚出身者だったが、「元男役(貴城けい、水夏希)だったのでボーイッシュなイメージのツァイテルでした。今回初めて元娘役なので“女の子”という感じですね」と目を細める鳳。一方実咲は、「鳳さんは宝塚出身の方皆さんの憧れ。このようにご一緒させていただける時間も幸せで、お母さんとのお芝居も多い。退団後初めての舞台がこの作品で本当に嬉しいです」と笑顔が絶えない。4月に退団したばかりの彼女に鳳は、「宝塚出身者は“無菌者”なので『だまされないように!』と言っています。私が守ってあげる(笑)」と頼もしい言葉をかける。
娘がふたりいて、先頃4人目の孫が生まれたという鳳。「やはり子どもが転ぶと身を切るように痛い、私が代わってあげたいと思う。親になり孫ももち、『両親も同じ気持ちだったんだ』と分かります。この作品は笑いと涙の感動的な世界三大ミュージカルのひとつ。ぜひともご覧ください」。鳳がテーマとなる大きな家族愛をのぞかせアピールした。
公演は、12月5日(火)から29日(金)まで東京・日生劇場、2018年1月3日(水)から8日(月・祝)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、1月13日(土)から14日(日)まで静岡・静岡市清水文化会館(マリナート)、1月19日(金)から21日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場大ホール、1月24日(水)から28日(日)まで福岡・博多座、2月10日(土)から12日(月・祝)まで埼玉・ウェスタ川越大ホールにて上演。チケットは順次発売。
取材・文:小野寺亜紀
提供元:Yahooニュース