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渡辺徹、妻・榊原郁恵と舞台初共演で思わぬ効果「夫婦の会話戻ってきた」(夕刊フジ)
舞台初共演というのは意外といえば意外。11月28日に、妻で女優、榊原郁恵(58)と「徹 郁恵 てづくりライブ ものがたり朗読『いまさらふたりで』」(東京グローブ座)を開催する。
「結婚した当初、ドラマとかで共演したことはあるよ。でもね、仕事場が一緒、帰ってきても一緒となると、オンとオフの境がなくなっちゃうじゃない。だから、共演って避けてきたんですよ」
それが今回、ついに同じステージに立つことになる。
「グローブ座は、俺のプロデュース公演でも使わせてもらったことがあるんだけど、支配人から何かやらないって声をかけてもらったんですよ。そんなとき、そういえば女房がいつかは読み聞かせをやりたいって言ってたなと思いだしたんです。話したら、彼女も二つ返事でやりたいと。じゃあ、やってみるかということになって」
2人だけで、絵本の読み聞かせをする舞台。現在は内容を練りに練っている状況だ。
「家の中に絵本が増えましたよ。女房が、あれも読みたい、これも読みたいって感じで。息子たちに読んでいた本や、大人が読んでも面白いものとか。でも絵本の世界をどう表現するかって難しいですよね。今は2人でああでもない、こうでもないってやっています」
さまざまな表現方法に取り組む。
「ただ絵を見せるだけじゃない。例えば登場人物に扮してみたり、音楽も生でつけてもらいますし。絵本ってそれぞれが短いですから、世界観もそれぞれ違う。それをどうみせていくか。楽しみですよ」
だが、やっぱり危惧していたことが…。「家の中で舞台の話をするのは夕方の2時間だけにしようって決めたんです。それ以外は禁止だと。でも、夕ご飯を食べているときに、女房は『やっぱりあれはね…』、夜寝ようとしたら『思うんだけどね…』と始めちゃう。何なんでしょうね」と困り顔。
それでも「女房が本当に生き生きとしているの。彼女はアイドルだったでしょう。これまで与えられてきたことをやってきたけど、今回初めて自分からやりたいってことをやってるんだから」と目を細める。
もちろん、ふたり舞台で思わぬ効果も。1984年に日本テレビ系『風の中のあいつ』で共演し、87年に結婚。今年は30周年にあたる。
「30年も一緒にいたら、子供2人も手がかからなくなったとき、ふと気がつくと、2人だと何を話していいんだか戸惑うんだよ。それまではどうしても子供の話ばかりだったから。なんか夫婦の会話が戻ってきたというか」。そういう顔は照れくさそうだ。
その息子たちだが、長男の裕太(28)はいまや俳優やリポーターとして大活躍中だ。「本当、俳優になりたいなんてそぶりがなくてね。俺は親父に大反対されたけど、今はその気持ちがちょっと分かるの。やっぱり安定した職業に就いてほしいでしょ。でも、一方で親の仕事を認めてくれていたんだなって、うれしくもあったの」
父親であり、俳優としての先輩でもある。「裕太は劇団をつくって、一度、俺に稽古をみてほしいって言ってきたんです。で、見ているうちにこっちも熱くなってきて、『お前ら、こんなんじゃ芝居なんてやめてしまえ!』って怒鳴っちゃって。親である以上に、俳優の血が騒いだんですかね」
昨今、2世タレントの不祥事が相次いでいるが「俺はね、特別なことは別に言っていないの。あいさつとか、礼儀とか、ごく普通のことだけ。でも女房は、いろいろとちやほやされることがあるだろうけど、勘違いをしてはいけないって、息子に厳しく言ってました」。
そんな息子の仕事ぶりはやっぱり心配なところ。それでもちょっとうれしいことがあった。
「どんなリポートでも、情報を全部頭に入れてロケに臨んでいるそうなんです。普通ならカンペとかに書いてもらったりするんだよね。それをしないそうなんです。それを周りのスタッフの人から聞かされたんです。『裕太さんって、全部覚えているんですよ』って。親として誇らしくてうれしかったなあ」
その成長はふたりの結晶だ。そして、ふたり舞台も結実しようとしている。「いまだからふたりで」なのかもしれない。 (ペン・福田哲士 カメラ・寺河内美奈)
■渡辺徹(わたなべ・とおる) 俳優。1961年5月12日生まれ、56歳。80年、文学座附属演劇研究所本科に入所。81年、ドラマ『太陽にほえろ!』(日本テレビ)のラガー刑事役でデビュー。82年には歌手デビュー。同年、『約束』がCMソングにもなり大ヒットとなった。
85年から文学座座員。映画、ドラマ、バラエティーなど出演多数。87年に榊原郁恵と結婚。2014年4月から淑徳大学人文学部の客員教授を務める。
「いまさらふたりで」は28日、東京都新宿区の東京グローブ座で。午後3時と午後7時の2回公演。問い合わせはホリプロチケットセンター((電)03・3490・4949、平日午前10時~午後6時、土曜午前10時~午後1時)、カンフェティ((電)0120・240・540、平日午前10時~午後6時)など。
提供元:Yahooニュース