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近松門左衛門の心中、新解釈で舞台化(Lmaga.jp)


『曽根崎心中』に代表されるように、『純愛・恋愛もの』という印象がある作家・近松門左衛門の作品。そんな近松の作品『心中天の網島』を2015年に新たな解釈で舞台化した京都の劇団「木ノ下歌舞伎」が10月5日~9日、同作を「ロームシアター京都」で再演する。

【写真】京都で新しい試みに挑戦する木ノ下ら

「高校時代に失恋した」と話す同劇団主宰の木ノ下裕一。「その年が近松門左衛門生誕350周年でして。『この失恋の痛みを持った自分が、いま近松をわからずしていつわかるのか』と文楽劇場で観たんですけど、白けましてね(笑)。恋愛の痛手を負ったからと言って感銘を受けないということは、そもそも近松が描いたものは違うんだと。じゃあ何を描こうとしたのか、ちゃんと考えたいと思っていた」と近松作品との馴れ初めを話した。


そんな折、劇作家で演出家の糸井の舞台『観光裸(かんこーら)』(2012年)を観た木ノ下。「これが、不倫のカップルが主役の2人芝居。2人がお互い『殺して』というと、アリを潰すシーンがある。このときに『あぁ近松の心中ものってこういうことなんだ』と思ったんです。社会のなかでは2人でいても孤独。取り巻く大きな社会で、あるときは俯瞰して冷静に見たり、あるときは虫眼鏡で見たりを繰り返しながら心中を描いているんだ」と糸井と近松作品の相性の良さに気づいたという。


本作の演出を担う糸井は、「最近、不倫のニュースはたくさんあるけど、心中まではめったに無い。実際は紙一重で、当時の心中は今で言えば普通の自殺に近いのかも・・・。人間の佇まいとしてシンプルに捉えて作品にしたいと思って創った」という。心中事件の影に隠れた、人々の営みに光を当てる本作。チケットは3500円ほか、各プレイガイドで発売している。

提供元:Yahooニュース
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