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イエジー・スコリモフスキ「早春」でカットした場面語る、「観客が爆笑してしまい」(映画ナタリー)
本日11月26日、東京・東京都写真美術館ホールにて「早春」デジタルリマスター版の上映が行われ、監督のイエジー・スコリモフスキが登壇した。
【写真】「早春」 (c)2011 Bavaria Media.All rights reserved.(他6枚)
スコリモフスキが監修を担当した「ポーランド映画祭2017」の中で上映された本作。「初恋」のジョン・モルダー・ブラウンが倒錯した愛に溺れる少年を演じている。
上映した作品が最初のバージョンより5分短いことに触れながら、スコリモフスキが「捨てたくなかったんですけど、よすぎてやむなくカットしたシーンがあるんです。湯気の向こうに労働組合の人々がいて『私たちは週休3日を勝ち取ろう』と演説を始めるのです。そのあと『それが成功したら週休4日、それにも勝ったら週休5日』と続けるんです」とコメントすると、会場に笑いが起こる。「『最終的には週休6日を獲得できるかもしれない。週に水曜日だけ働くようになる』と演説をしていた男が述べると、ほかの男が『それは毎週水曜なのか? それとも隔週か?』と問うのです。試写会のとき、このシーンで観客が爆笑してしまって。そのときこのシーンが作品のドラマツルギーを壊してしまうと思ったのです」と述懐する。
ストーリーの着想についてスコリモフスキは「知人から雪の中でダイヤモンドの付いた結婚指輪をなくしてしまった人の話を聞いたんです。私はそのとき『雪を全部集めてそれを溶かせばダイヤモンドだけ残る』と返したんですが、この小さなエピソードが大きな映画のきっかけになるのではと思い、雪を集めて溶かせる場所はどこかと考え始めました」と振り返る。またメインキャストのモルダー・ブラウンとジェーン・アッシャーに関して「2人とも才能があり演出は楽でした。そして彼らの内にあるものを引き出したほうがいい結果になると気付きました。そこでシナリオになかった場面をアドリブで演じることを2人に許したのです」と述べ、アッシャーがアイスクリームを舐めながら女性をいらつかせるシーン、妊娠した男性のポスターに対するやりとりはアドリブであることを明かした。
「早春」デジタルリマスター版は、2018年1月より東京・YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開。また「ポーランド映画祭2017」は12月15日まで開催される。
ポーランド映画祭2017
開催中~2017年12月15日(金)東京都 東京都写真美術館ホール
※11月27日(月)、12月3日(日)、12月4日(月)、12月11日(月)は休映
前売り券料金:2回券 2000円
当日料金:一般 1500円 / 大学・高校・中学生以下、障害者手帳を持参の方 1000円 / シニア 1100円
<上映作品>
「早春(デジタル・リマスター版)」
「イレブン・ミニッツ」
「プレイグラウンド」
「アート・オブ・ラビング」
「オラとニコデムの家」
「ゆれる人魚」
「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」
「二つの冠」
「ソラリスの著者」
「寄せ集め」
「アイスホッケー」
「人生の舞台」
「クラシック・バイアスロン」
「フェンシング選手」
「フランツ・クラマーとスキーの風景」
「コルチャック先生」
「カティンの森」
「残像」
「影(1956年)」
「夜行列車」
「尼僧ヨアンナ」
「太陽の王子ファラオ」
「灰とダイヤモンド」
「ズビシェク」
「最後の家族」
「ベクシンスキー家の人々 映像と音声のアルバム」
「ツィーゲノルト」
「黒」
「魔法のえんぴつ」
「ボレック&ロレック」
「イマジン」
「イーダ」
「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ラブ」
提供元:Yahooニュース