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俳優・大森南朋が“ヤバさ”と“色っぽさ”を醸す理由『ビジランテ』主演(dmenu映画)
CMでレスリングの吉田沙保里選手とおしどり夫婦を演じて「なおくん」「さおり」と微笑ましいやり取りを見せたり、人気テレビドラマ「コウノドリ」で優しく頼りがいのある新生児科の医師に扮したり。『アウトレイジ 最終章』のようなバイオレンスものもあるけれど、近頃すっかり「なんか、いい人っぽいよね」というソフトなイメージが先行している大森南朋。
でも、実は“『アウトレイジ』側”のヤバい役のほうがばっちりハマっちゃうんですよね……という事実を再認識させてくれる作品が12月9日公開の映画『ビジランテ』だ。
舞台は埼玉県の田舎町。地元の権力者である父親の家庭内暴力に脅えながら暮らす幼い三兄弟がいた。ある晩、力を合わせて父親を殺そうとするが失敗。この事件を最後に長男の一郎は姿を消す。
残されたふたりは成長して、次男の二郎は市議会議員に、末っ子の三郎はデリヘルの雇われ店長になる。やがて父親が死ぬと、残された土地の所有権をめぐる争いが勃発。30年間行方知れずだった一郎が突然町に舞い戻り、公正証書を片手に土地の相続権を主張する。
女性に暴行を働いたり、人生を諦めたような投げやりな凶暴性を見せる一郎。その土地にモール建設を目論む大物市議会議員は、三郎の雇い主であるヤクザを使って一郎に権利を放棄させようと動き出す。さらに、一郎を追って借金の取り立てにやってきた別のヤクザも襲いかかってくる。
地方の閉鎖的な社会で八方ふさがりになる兄弟。鈴木浩介と桐谷健太が、追い詰められた二郎と三郎の苦しみ、哀しみ、葛藤を張り詰めたテンションで演じている。一方、空白の30年を経て帰ってきた一郎を演じる大森の表情は空っぽ。真っ暗な目がそこはかとない狂気を感じさせて恐ろしい。
大森南朋のフィルモグラフィーを見ていると、「こんな役、よく引き受けましたね!」と思う変態や、獣のようなチンピラ、二枚目路線のインテリまで、極端かつ幅広い役柄が並んでいる。その名が広く認知されるきっかけになったNHKの連続ドラマ「ハゲタカ」出演が30代半ばと遅咲きだったためか、求められればどんな役でも受けて立つスタンスが垣間見える。
父親は俳優・舞踏家の麿赤兒、兄は映画監督の大森立嗣。芸術家の血筋のせいなのか、演じていないときの大森には、いい意味で“堅気じゃない”色気がある。それは恐らく同性からも「カッコいい」と言われる類いのもので、CMで見せる優しい「なおくん」とも『ビジランテ』の凶暴な男とも全く違う。たとえどんなヤバいキャラクターでもすっと形を合わせてしまう、不思議な器のような俳優だ。
大森の映画初主演作は2001年の『殺し屋1』。人が痛めつけられると性的興奮を覚えるという気弱な殺し屋を怪演。刃物を仕込んだ靴を履き、超人的な脚力でかかと落としをお見舞いして敵を真っ二つに切断するという、初主演作品なのにトンデモない変態キャラを演じきった。
そのわずか2年後、2003年に公開された『ヴァイブレータ』で見せた色気は、『殺し屋1』とは真逆の方向でヤバかった。
この作品は、アルコールと食べ吐きに依存する孤独なルポライターの玲(寺島しのぶ)が、偶然コンビニで見かけたトラック運転手(大森)の車に乗り込み、短い時間をともにしていくロードムービー。初めて運転手を見かけた玲の心の声が言う。「あ、食べたい……」。その瞬間「わかる!」と叫んだ女性は筆者だけではないはずだ。雑にブリーチした金髪に、足元は長靴。コワモテに見えるが、実は温かい。何でも受け入れてしまいそうな底知れなさのある大森の魅力が最大限発揮された作品がこれではないだろうか。
提供元:Yahooニュース