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「ファンタビ」ジョニー・デップ降板を望む声に作者J・K・ローリングが正式声明 ファン「本当にがっかり」(ねとらぼ)
2018年冬に全国公開予定の映画 「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」で、米俳優ジョニー・デップの出演へ再考を求める声に対し、12月7日(現地時間)、原作者のJ・K・ローリングが正式に声明を出しました。
【画像:ローリングの言葉に失望感】
シリーズ第1作目の「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」でヴォルデモートに次ぐ力を持った闇の魔法使いグリンデルバルドとしてカメオ出演し、続く第2作目となる同作でも同役柄を演じるデップ。ローリングは声明の中で、そのことに対しファンが持つ疑問は「正当な」ものであると認めており、「私たちは再キャスティングの可能性も考えていた」と明かしつつも、「それが実現しなかったことに混乱し怒る人がいるのは理解できる」とデップを起用し続けることに納得できないファンへの理解を示しました。
事の発端は、デップが2016年に元配偶者の米女優アンバー・ハードからドメスティックバイオレンスを理由に離婚を申請されたこと。同年8月に離婚成立するまで、デップからの暴力によるとされるハードの痛々しい顔写真や、デップがハードに怒鳴り散らす動画などが流出し、世間を戸惑わせる報道が相次ぎました。
これを受けてデップが同作へ出演することに抵抗を示す人が現れ、ネット上でも彼を別の俳優と替えるべきとする声と、私生活と俳優としての才能は混同すべきでないとする声がぶつかり合う格好に。また2017年10月に、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからセクシャルハラスメントの被害に遭ったことがあるとする声が続出したことで、女性の人権にいっそう強い意識を向けはじめた人も多かったようで、やはりセクシャルハラスメントで告発された米俳優のケヴィン・スペイシーが、主演ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などから降板させられたことと比較し、デップの起用に是非を問いかける投稿も多くみられました。
同作の原題は「The Crimes of Grindelwald(グリンデルバルドの罪)」で、グリンデルバルドはタイトルロールでもあることから、物語の核をなす役としてデップの出演シーンも多いと推測されます。ローリングは「この問題をファンと公に話しあえないことがつらく、いらだたしく、時に苦痛でもあった」と重大な決断に伴った苦悩も明かし、デップとハードの間にある協定により2人のプライバシーを守らなくてはいけないこと、そして「あの出来事を理解したうえで、フィルムメーカーらと私は、オリジナルキャストで続けることにただ満足なだけではなく、ジョニー・デップが大役を務めることを心からうれしく思っています」と複雑な事情を踏まえてもデップ起用は制作陣にとって喜ばしいものであると表明しました。
さらに「タイトルロールの俳優に対する私たちの決断に満足しない人がいるだろうことも受け入れる」とし、善悪を判断する難しさについて述べつつ「ファンタジーの世界でもその外の世界でも、私たちはみんな正しいと信じることをしなくてはならない」と結んでいます。
ローリングがこの声明を拡散したツイートのリプライには、「あなただって以前DVの被害者で、アンバー・ハードの立場だったはず。それなのに今、攻撃者を守る決断をするなんて、本当に、本当にがっかりした」「おっしゃる通り“正しいと信じることをしなくてはならない”のだから、私はこの映画を見ません」「あなたなら再キャスティングする力ぐらいあるはずなのに」と失望を訴えるものが多数寄せられています。
舞台版ハリー・ポッターのハーマイオニー役に黒人女性が起用されたことに対する反発にも毅然とした態度を取り、人種差別的な風潮には断固として反対の立場をとってきたローリング。彼女自身がかつてシングルマザーとして苦しい時期を経験したこともあり、今回の声明内容とは別のものを期待していた人は多かったようです。
なお、ローリングが声明を出したあとにハードはTwitter上で、「正確を期するためですが、これが私たちの共同声明全文です。一部をかいつまんで引用するのは正当ではありません。女性たち、がんばって」というコメントともに離婚成立の際に出したデップとの共同声明全文の画像を投稿。ローリングの声明に対する反応に注意を喚起するものと思われますが、リプライ欄ではまた「DVはハードがデップを陥れるためでっちあげたもの」とする人とそれに反論する人たちの対立もみられます。
提供元:Yahooニュース