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松居一代を取材して25年記者が離婚会見を考察(日刊スポーツ)
松居一代の会見を複雑な思いで見た。「本当にやりました! 離婚できました! うれしいです!」と言っていたが、長く苦しめられた船越英一郎の方が、もっとうれしいはずだと思った。
【写真】 松居一代が都営バスの中で撮影した写真
すべてが痛々しかった。と同時に「らしいな」とも感じだ。初めて取材してから25年。松居は常にアグレッシブでパワフル、そして、計算高かった。家政婦による窃盗事件、息子のアトピー性皮膚炎、自身の顔面まひ、自宅高級マンションの天井崩落…。私は、松居に降り掛かったマイナス要素を取材をしてきた。興味深いネタばかりだった。記事化に迷いはなかったが、騒動が大きくなり、松居が喜々とする姿も見てきた。騒動が解決すると、出版、講演を重ね、損失を上回るプラスを出す。そのたくましさには、感心もした。
今騒動の最中にも連絡が入った。姿を消した上で、SNS、動画で船越を攻撃していた中、私の取材には答えてくれ、「(船越に)求めるのは謝罪のみ。芸能界生活をなげうってやっている。最高裁まで戦うつもり」と話した。
これまでの騒動とは次元の違う覚悟を感じ、聞いたことのすべてを信じた。だが、今回の会見を見て、私は「そうか! (松居は)最初から財産分与をさせない狙いで、すべて計画的に動いていたのか」と感じた。会見で、船越への執拗(しつよう)な攻撃について聞かれると、松居は「あれは、あれで必要でした」とも話していた。
ただ、騒動の最中から、船越が財産分与の権利を放棄する意向は、報道されていた。それでも、なかなか手を緩めなかったのは、愛深かったゆえの憎しみがあったからか。だが、松居は、昔から先の先まで読んで行動するタイプだ。マツイ棒、圧力鍋などの商品開発で得た富みを元手にした投資で、数十億円もの財を築いたという。それらの成功も、先を見通す力と行動力があったからだろう。
この推察が当たっていれば、私はだまされ、うまく利用されたことになる。それはいい。ただ、松居は今後は心配だ。正直、世間のイメージは最悪。それこそ「大嫌い」と思った人もいただろう。振り返れば、ブログでユーザーに船越の番組を降ろす運動を呼び掛けたことは、犯罪的な行為だったようにも思う。
会見では、取材陣に向かって「今後ともよろしくお願いします」と言い、芸能活動の継続を示唆した。だが、一連の行動、今回の会見内容を鑑みると、松居が何事もなかったように、テレビなどに出演できるとは考えにくい。商品開発の仕事も、日本では難しくなるだろう。
思えば数年前、松居は私に「将来はアメリカに行って、通販番組をやりたい。番組は買い取る」と言った。その道に向かうのかは分からないが、今後は、自分も他人もハッピーになる生き方を見せてほしい。そう、私は願っている。【元芸能デスク、現静岡支局長 柳田通斉】
提供元:Yahooニュース