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仇を討つ側と討たれる側 人生と心の葛藤を安らぎで紡ぐ(レビュー)(Book Bang)

 私が永井さんの本に初めて出会ったのは『大奥づとめ』である。大奥と言えば男女の色恋や権力争い等が注目されるが、大奥を一つの仕事場と捉えて描かれたその情景は新鮮で、歌舞伎の芝居にしたいと思わせる彼女の感性はとても素敵である。

 さて、今回は仇討ちの話だ。本題に入る前に“仇討ち”と聞くと歌舞伎役者としてまず思い浮かぶのは「仮名手本忠臣蔵」だと思う。悲劇的な判官の切腹、そこから始まる四十七士の壮絶な仇討ちの話。“忠臣蔵を知らなければ役者ではない”とさえ言われるこの演目はどの役を演じるにも大きなプレッシャーを感じる。

 そうした役者にとっての“仇討ち”を脳裏に浮かべながら本題に入ろう。

 芝居が跳ねた木挽町で行われる若衆、菊之助の見事な仇討ち劇。その二年後、仇討ちについて調べて回る一人の若者と共に物語は始まる。若者は事件の目撃者を捜し、その場でいったい何があったのかを尋ね、目撃者の口を通じて仇討ちの真相に迫っていく。その過程で仇を討つ側と討たれる側の人生と心の葛藤が描写され、最後に思わぬ仇討ちの真実が明かされる。

 この物語の面白さは、真実へ近づいていく過程の描かれ方だ。一般的に物語は主人公の歩みに伴って話が進んでゆき、物語の視点も主人公に沿って進んで行く。

 しかし、この物語では様々な目撃者の視点から出来事が語られ、それを聞き手である若者が繋ぎ合わせながら真相に向かっていくという構成だ。そこに私が知っていた時代劇作品にはない斬新さを感じた。特に物語の書き始めに登場した人物の語り口は、私の好きな落語の噺に通じるものがあり、すぐに物語に引き込まれるほどであった。

 また、物語を通じて江戸の風俗、芝居小屋の世界、市井に生きる町人とは違った武士の世界観も垣間見え、江戸と言う一つの時代が頭の中に浮かび上がってくる。

 それぞれの人生にはそれぞれの苦悩があり、その重さ故に生まれた優しさがある。多くの人々の思いが描かれ、それが重なりあって一本の糸が紡がれていくように物語に命が吹き込まれて作られていく光景を感じられ全く頭の下がる思いだ。話に引き込まれることにより、まさに今人間の優しさを感じ、世知辛い世の中に安らぎを与える快いひと時を覚えた。

 時代小説が好きな人はもちろん、そうでない人にも是非とも読んでほしい一冊である。

[レビュアー]市村萬次郎(歌舞伎役者)
いちむら・まんじろう1949年東京生まれ。女形としてだけでなく、俳優として舞台、ドラマ、映画で幅広く活躍。2001年、外務大臣表彰。

新潮社 週刊新潮 2023年3月30日花見月増大号 掲載

提供元:Yahooニュース
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