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甲本ヒロトは還暦の今も初期衝動を歌に…叫び続ける「ドブネズミ」の現在地(日刊ゲンダイDIGITAL)

 ザ・ブルーハーツがデビューし、若者を熱狂させた1980年代後半、ボーカル甲本ヒロト(60)の当時の秘話が話題だ。弟の俳優・甲本雅裕(58)がユーチューブチャンネル「丈熱BAR」で、こう振り返った。

鮎川誠さんの「ロック葬」で見た光景…一人の女性と一つのギターを愛し続けたロック人生

「当時兄貴は笹塚の潰れた工場に住んでいた。廃虚みたいな。ドブネズミみたいだったよ、本当に」

 バイト先の人の持ち物だったが、潰れて空き家になっているからと、ただで貸してもらっていたのだそうだ。そこにマーシーことギターの真島昌利らも出入りして、バンド練習もしていたという。

 87年発売のデビューシングル「リンダリンダ」はこんな歌い出しだった。

♪ドブネズミみたいに/美しくなりたい~

 それは当時の、バンドの原風景だったのかも知れない。俳優の松重豊(60)は当時、甲本が出前をしていた下北沢のラーメン店のバイト仲間。映画青年だった松重がメガホンを取った作品で、甲本が主役を演じるなどの交流があったそうだ。すでにバンド活動をしていた甲本から、ある日「今度のバンドはこんな名前じゃ」と、ブルーハーツ結成のことを告げられたと松重は振り返っている。 松重はドラマ「孤独のグルメ」シリーズやCMで活躍中の売れっ子なのは中高年世代にもお馴染み。甲本も「ザ・クロマニヨンズ」として、いまも真島とともにステージに立ち、ツアーを展開している。

 11月は、新宿ロフトで行われたシーナ&ロケッツのバースデーライブにスペシャルゲストとして出演。ボーカルのシーナにつづき、ギター鮎川誠もことし1月に亡くなってしまったが、甲本は大きな影響を受けたシーナ&ロケッツについて、ドキュメンタリー映画でこうコメントをしているそうだ。

「いなくなったことは大したことじゃない。いたってことが重要なんだ」

 甲本は、多くの語録を残しており、ブルーハーツ時代の「ドブネズミの詩」など、書籍化もされている。それは「クロマニヨンズ」として活動中の現在も変わらないようだ。構成作家のチャッピー加藤氏が言う。

「自分の思ったこと、心に浮かんだこと、初期衝動を歌にするという姿勢は、デビュー以来一貫しています。『曲を書いて、演奏して、歌うだけ。だってそれしか取りえがないから』とよく語っていますが、自分に嘘をついていない。だから、聴いている人の胸にダイレクトに響くのでしょう」

 ラジオにゲスト出演してもらった際、甲本はこう言っていたという。

「自分が聴いてたロックは、たとえばセックス・ピストルズにしても『元気出せ』みたいな歌詞じゃなくて、『オマエラに未来なんかない』って歌詞だった。わけが分からない曲もあったけど、そういう曲を聴いて元気が出たんだよね。自分も、そういう『元気出せ』という歌を歌っているわけじゃないけど、『聴いて元気が出た』という声があると、とてもうれしいです」

 コロナ禍によってできなくなっていたライブも再開。この秋のステージでは「オーライ、ロックンロール」と叫んで歌い出し、こう観客に呼び掛けたそうだ。

「アホみたいに騒いで帰ってくれ。今日は宇宙で一番すげえ夜だから」「僕は君たちのことは全然好きじゃないけど、愛してるよ」

 年齢を重ねても、社会がどうなっていっても、好きなロックに全力で、叫び続ける。そんなポリシーを貫く姿勢に全く変わりはない。

提供元:Yahooニュース
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