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松本人志が裁判の前に問われているのは“遊び方の質”だ…北野武は「せこいよ」とバッサリ(日刊ゲンダイDIGITAL)

【芸能界クロスロード】

 昭和の天才漫才師“やすきよ”の横山やすしは破天荒を絵に描いたような人だった。とにかく酒とボートレースが大好きだった。飲み過ぎて番組に遅刻や、二日酔いで舞台に立つことは日常茶番事。生放送に酔ったまま出演。共演者と喧嘩寸前になったこともあれば、暴言もあった。それでも舞台に立てば、酒の話もネタにして笑わせた。万人に愛された漫才師だった。取材を兼ねて何度となく飲んだ。正確に言えば飲まされた。一緒に飲む相手の大半はボートを中心にした遊び仲間。「酒の席まで芸人仲間とつるんでも面白いことはない」と語り、酒席で漫才の話はご法度だった。酒と仲間がストレス発散になっていたと思う。最後は酒が命取りになり52歳で亡くなった。

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 吉本の後輩、ダウンタウン・松本人志も横山と並ぶ天才肌の芸人。ただ、横山とは芸の質が違い、松本は後輩芸人たちとの掛け合いで独特の笑いの世界をつくり、演芸に関心のない若者の心を掴んだ。横山は一匹狼の芸人。松本は芸人軍団の総大将。横山は演芸番組だったが、松本はバラエティー番組。

■吉本の先輩・西川のりおも苦言

 度重なる事件で最後は事務所から解雇された横山に対して、松本は文春で複数の女性に対する性加害を指摘されると、「闘いまーす」と裁判のために一方的に休業宣言。事務所も後輩たちも戸惑うばかり。「せめて会見で説明して欲しい」の声が飛び交い、吉本の先輩・西川のりおも文春誌上で「この人(松本)が『逃げた』ということに対しては、やっぱり理解に苦しみますね」と「会見するべきでしょう」と語った。

 会見をすれば記事についての質問が出るのは必定。避けた最大の理由だと思う。せめて、文書で説明は必要だった。訴えた以上、正々堂々と闘う姿勢を見せてこそ関係者も応援できる。まるで裁判は「他の人は関係ない」と言っているようにも見える。

 2年近くかかる裁判にも芸人仲間は復帰を待ち望んでいる。相方の浜田もラジオ番組で「あの人の代わりはちょっといないので。戻ってくるまでは自分のできることを一生懸命やろうかって感じです」と語った。

 注目される復帰。情報番組の多くは裁判の結果次第のような論調が多いが、果たしてそうだろうか──。

 高級ホテルのスイートルームで後輩芸人がアテンドした女性との密室パーティーがあったことは、後輩のたむらけんじも認めた紛れもない事実。小沢一敬が自ら自粛したのも暗にアテンドを認めたと読み取れる。松本復帰のカギを握っているのは性加害の「強要か合意か」ではなく、前代未聞の遊び方を長きにわたり続けていたことにある。アンジャッシュの渡部建が不倫報道で騒がれ丸3年。いまだに地上波に完全復帰できないのは不倫そのものではなく多目的トイレを密会の場に使ったことで「最低男」と女性から大ひんしゅくを買ったことだ。それが今も尾を引き、スポンサーも番組出演には抵抗があるのだろう。

 北野武は松本に対し「遊び方がせこいよ」と切った。お笑い界の頂点に立った松本に愛人がいても「そうだろうな」と納得はできても、後輩に女性を用意させる遊び方に「こんな人だったの」と顔をしかめる女性は多くいる。裁判にばかり目を向け、遊び方に関しては芸人も番組もほとんど触れない。裁判の前に松本の遊び方が問われている。

(二田一比古/ジャーナリスト)

提供元:Yahooニュース
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