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はあちゅう、不倫報道など「人たたく世の中は窮屈」(日刊スポーツ)


 慶大法学部在学中からブロガーとして活躍し、ツイッターのフォロワーが15万人を超える作家はあちゅう(31)が3日、都内の講談社で、小説集「通りすがりのあなた」トークイベントを開いた。


 「通りすがりのあなた」は、卒業旅行にスポンサーをつけて無料で世界一周したことや、電通でコピーライターをしていた時代の経験など、自身の人生を企画にした書籍を多数出版した、はあちゅうにとって初の小説集。書いたテーマは(1)海外(2)旅(3)あいまいな関係で、幼少期に香港、シンガポールで過ごした経験をベースに、自身や触れ合った人々をモデルに書いたという。特に、あいまいな関係については巻末で「名前の付けられない人間関係」と題し、日本では友人や恋人など、人間関係に明確な名前をつけたがる一方、そこからはみ出した人間をたたく傾向があると指摘した。


 はあちゅうは、ニッカンスポーツコムなどの取材に応じた。その中で、芸能人の不倫問題などが多数、報じられる昨今の風潮について「特に最近、報道で『あなたたちはどういう関係なんだ?』、『浮気なのか浮気じゃないのか?』、『結婚していたか、いないのか?』、『友達なのか、恋人なのか?』みたいな、すごく枠の中に収まるような人間関係を求めて、プレッシャーをかける世の中」と指摘。その上で「そうじゃない関係があってもいいじゃないかという思いを小説に込めたかった」と語った。


 さらに「プレッシャーをかける世の中に、すごく窮屈さと失望感を感じている。多様性と言う人がいる一方で、枠からはみ出した人をたたく傾向がある。自分たちだって一切、たたかれないような生活をしているかと言ったら、そうじゃないと思う。私なりにそんな気持ちを小説に込めた」と持論を語った。


 今回の小説家デビューについては「小説の方でデビューしたくて高校時代はずっと書いていて、文学賞に応募しましたが、力がなくて1度も賞に引っ掛からなかった。大学に入って小説は諦めてブログを書き始めたら、たまたま書籍化された。どこかで小説を書きたい、苦手なものを避けてきた後ろめたさがあり、今回、ご縁があってデビューした」と感慨深げに語った。


 縁は、自らつかみ取った。「30歳までに純文学デビュー」という夢を実現するため、講談社にサンプルの小説を自ら持ち込み、それが認められ、「世界が終わる前に」を含む3つの短編が1月に文芸誌「群像」に掲載された。その3編と書き下ろし短編4つを収め、1冊の小説集になった。


 9月26日の発売前から、フェイスブックのサロンで読者150人と販売戦略を練るなど、SNSを使った独自の販売戦略を展開し早くも重版が決定。この日のトークイベントも、無料ライブ配信と視聴ができるアプリ「SHOWROOM(ショールーム)」を使って、生配信しつつ行った。


 はあちゅうは「映像化が夢。(映像化すれば、単位の)0が1つ違う。1人でも多くの人に届けたい。映画が好きなので、映画も夢ですね」と笑みを浮かべた。

提供元:Yahooニュース
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