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NHK朝ドラ史上、最も視聴者をイライラさせたキャラ(2)嫌われまくり…最低の父親を見事に演じた俳優は?(映画チャンネル)

1961年にスタートしたNHK連続テレビ小説、通称“朝ドラ”。月曜日から金曜日まで毎朝8時から放送され、通勤や通学前の視聴者に活力を与えているが、時にはどうしても素直に好きとは言えないキャラクターも登場する。今回は比較的記憶に新しい朝ドラの中から、俳優の演技が上手すぎて視聴者を大いにモヤモヤさせたキャラクター5選をお届けする。第2回。(文・苫とり子) NHK大阪が制作する朝ドラではダメ親父が一つの名物になっているが、中でも“朝ドラ史上最低の父”として語り継がれているのが”2020年下半期に放送された『おちょやん』のテルヲ(トータス松本)だ。

 ヒロインの千代(杉咲花)が幼い頃からまともな職にもつかず、酒と博打に溺れ、家計を圧迫。さらには再婚相手に言われるがまま、わずか9歳の千代を奉公に出した。

 これでダメな父親ともおさらばかと思いきや、その後もことあるごとに千代の前に現れては金を無心し、人生を邪魔する姿はゾンビのよう。現代なら間違いなく毒親と呼ばれる存在だが、テルヲに毒っけはない。娘に散々迷惑をかけているのにカラッとした明るさが一切失われないのは、本人に全く悪気がないからであり、余計にタチが悪いのだ。

 そんな様子だから視聴者に嫌われまくり、演じる松本は朝ドラ受けでお馴染みの『あさイチ』(NHK総合)に出演した際に「ただ一生懸命芝居しているだけやのに…」と嘆いていた。だけど、それほどまでに視聴者が嫌悪感を抱いたのは、松本の演技が巧みだったからに他ならない。

 特に最後の登場シーンは今でも忘れらないくらい強く記憶に残っている。自分の生い先が長くないことを知り、最後に父親らしいことをしたいと、千代を守るために借金取りと揉み合いになって警察に連行されたテルヲ。接見室で千代と対面し、「お前はほんまにお月さんみたいやな」と語る言葉には真の愛情がこもっていた。

 けれど、彼がしてきたことは到底許されることではなく、最後は留置場の中で一人、千代の幻影を見ながら死を迎える。そのときの松本の演技はテルヲを嫌っていた視聴者をも涙させるほどの壮絶さだった。

 ちなみに本作では、千代の夫で喜劇俳優の一平(成田凌)も結婚後に若い劇団員と浮気し、視聴者をがっかりさせたが、迷った末にテルヲの方を挙げさせていただいた。

(文・苫とり子)

提供元:Yahooニュース
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