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電子コミック全盛のいま出版社の本音は? “無料施策”に海外展開…日本のマンガ人気を支えるのは意外にもアナログな熱量(オリコン)

 電子コミック隆盛の今、多くのマンガサイトやアプリが存在し、好みに応じて複数を使い分ける人も多いだろう。一方、マンガを生み出す出版社側は、このような現在の状況をどう見ているのだろうか。かつては「マンガは紙で読むもの」が出版業界の“常識”でもあったが、様相はまったく変わっている。早くから電子コミックに取り組んできたKADOKAWAに、出版社の葛藤、そして世界に向けた電子コミックの施策を聞いた。

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■「紙か、電子か」黎明期は出版社にも葛藤、作家や編集部から懸念も

 日本のマンガ市場が4年連続で過去最高を更新している。その7割を電子コミックが占めており、手元の電子デバイスでマンガを読むというライフスタイルもすっかり定着した。

 電子コミック発のヒット作も続々と誕生しており、今や電子書籍ストアと出版社は切っても切れないビジネスパートナーとなっている。とはいえ、かつては「マンガは紙で読むもの」というのが長年の常識だった。黎明期より電子コミックに前向きに取り組んできた出版社・KADOKAWAでも、「紙か、電子か」の葛藤はあったという。

 「当時はスマホが登場する前のガラケーの時代。黎明期の電子コミックは小さな画面に1コマずつ切り分けて配信されるスタイルでしたから、やはり見開きによる豊かなマンガ表現にこだわる作家さんには抵抗感があったはずです。またコミック編集部からもセキュリティ面への不安など、さまざまな意見が出ました。しかし、技術の進歩や課題への理解が深まることで、こうしたハードルは超えられるはずだとも考えました」(KADOKAWA デジタル営業局 局長 芦尚文氏)

 そうした確信のもと、作家や編集部の調整に奔走。20年前、いち早く「ケータイでマンガを読む」サービスを開始したコミックシーモアに対し、2014年に2万冊を卸すに至った。一方、ラインナップの充実は「ケータイでマンガを読む」層を伸ばすことにも繋がった。まさに出版社と電子書籍ストアがWin-Winの関係を歩み出したわけだ。

 「売上はもちろん、“手元で気軽に読める”ことで今までリーチできなかった層に作品を届けられるのは作家さんにとっても大きな魅力だったようです。その後、スマホの登場でより大きい高精細な画面でマンガを読むことが可能になり、電子コミックに前向きな作家さんもどんどん増えていきました」(芦氏)

提供元:Yahooニュース
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