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ゴジゲン松居大悟「楽しくなるほど切なくみえる」(チケットぴあ)
ゴジゲン第14回公演「くれなずめ」が10月19日(木)に開幕する。本作は、映画『アズミ・ハルコは行方不明』(監督)やドラマ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』(メイン監督・脚本)など手掛ける松居大悟が主宰する劇団「ゴジゲン」の最新作。劇団初の“劇団員のみ”の公演で、立ち上げメンバーの松居と目次立樹、今作から新メンバーである奥村徹也、東迎昂史郎、本折最強さとし、善雄善雄による6人芝居となる。稽古場で松居に話を聞いた。
稽古場写真、10点
劇団として6年ぶりの“物語”は「もういなくなった奴」がテーマ。稽古場では、結婚式に集まった高校の仲間たちが、かつての仲間のことをそれぞれふと思い出しながら、今を過ごすシーンが続く。松居は「いなくなった人のことのほうが思い出すことってあって。生きてたらきっと思い出さないのに、いなくなったほうが自分の中で生きてるような…。この感じってすごく変だな、不思議だなと思っていたのですが、それを最近ようやく俯瞰できるようになったし、今なら立ち向かえる気がしたんです。そのタイミングと、この6人で向き合いたいテーマが合致したので、今回の作品をつくりました」(松居)。このテーマは“全員劇団員”へのこだわりにも関係しており、「役と本人の間くらいの物語がいいなと思ったので、今作ではキャストそれぞれに『もういない人のことで思い出すのはどんな場面か』など聞いて、台本を書いたんですよ。客演だとそんな踏み込んだことは聞けないし、それを芝居にするのも失礼になってしまうので」。
稽古が始まっての印象を「テーマから、みんなが感傷に引っ張られて暗くなったらいやだなと思っていたのですが、意外とワチャワチャ感が出ていて。楽しくなればなるほど切なくみえる構造ができるような気がしています」。松居と目次以外は新団員だが、これまでもゴジゲンの公演に客演で参加してきたメンバーなので、この6人で芝居をするのは3回目となる。稽古でもエチュードを重ねるように芝居をつくり、「これ、どうしようか?」と話し合う姿も多く見られた。「外の公演だともう少し演出家として道をつくるかもしれないですけど、ゴジゲンではこういうつくり方です。特に今作はその人の心に残った何かが舞台に乗ったほうがいいと思っているので、答えはその人の中にしかない。だからみんなでつくっています」。
来年は10周年を迎えるゴジゲン。彼らの挑戦が詰まった本作は、10月19日(木)から29日(日)まで東京・駅前劇場、11月4日(土)・5日(日)に京都・KAIKA、11月11日(土)・12日(日)に福岡・北九州芸術劇場 小劇場にて上演。
取材・文:中川實穗
提供元:Yahooニュース