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愛した男
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1:
真琴 ◆xUaYDkidLI
4年前−−−
『お疲れ様。これ今日のお給料ね!』『お疲れ様でした!』私は友達の咲智とラウンジの体験に来ていた。私が18歳になるのを待ち、前から憧れていた夜の世界へ踏み出そうと毎日の様に体験入店をしていた。
いつもの様に4時間ほど働き給料を貰うと店を後にした。2006-04-15 07:32:00 -
2:
真琴 ◆xUaYDkidLI
『疲れたなぁ…。』『本間飲み過ぎた↓ってか無理やし!』終電までの一時間半を思い思い口にしながら、潰す。《ラウンジは無理ゃな…》なんて考えながら煙草に火をつけた。
『何してるん?』すぐにキャッチだと分かる。顔も上げず無視してその男が去るのを待った。『無視せんといてや〜!』いつもよりひつこいその男は中々去ろうとはしなかった。2006-04-15 07:42:00 -
3:
真琴 ◆xUaYDkidLI
何やら必死に喋る男をいい加減ウザくなった私は、咲智の方を見て《行こっ!》と目で合図して立ち合がった。すると男は目の前で手を広げ行く先を拒む様に立った。
『邪魔やねんけど?』私がそう言うと男は『ごめん!』と謝った癖に去ろうとはせず立ったままだった。
そんな男を見ていきなり咲智が噴き出した。『ブッ・・・キャハハハハ☆自分おもろいなぁ!』2006-04-15 07:49:00 -
4:
真琴 ◆xUaYDkidLI
『ゃっと喋ってくれたし!今からどっか行くん?』男は広げた手を閉じて言った。『帰るねん!』『まじ?ちょっとで良いから飲んで行ってや!』『咲智ら金ないもん↓』『安くしとくし!』咲智は《どうする?》といった顔で私を見る。男も覗き込む様にこっちを見た。なんとなく断る勇気がなく『咲智に任せるわ。』と言い咲智が断ってくれる事を願った。
2006-04-15 07:56:00 -
5:
真琴 ◆xUaYDkidLI
『でも一時間位しか時間ないで?』『全然おっけぇ☆んじゃ行こっ!』っていう具合に行く事になってしまった。私は仕方なく後に着いて歩いた。
『なんか怒ってる?』男に聞かれたが『別に!』とだけ言って無言で店に向かった。
『いらっしゃいませ〜!』重そうな扉が開かれると中から無数の声が飛び込んで来た。私は圧倒されながら案内された席まで歩く。2006-04-15 08:02:00 -
6:
真琴 ◆xUaYDkidLI
ボックス席に咲智と並んで座り、辺りをキョロキョロと見渡した。男は『何のむ?』『なま!』『ちょっと待っててな!』と言うと何処かへ行ってしまい、取り残された私達は何故だか場違いな気がして仕方なかった。私とは違って好奇心旺盛な咲智は『なんか凄いなぁ♪♪』と言って少し興奮していた。
『おまたせ〜!』そう言って戻ってきた男はグラスやらメニューを手に戻ってきた。その後ろから『失礼しまーす!』と生ビールを手に一人の男がやって来た。2006-04-15 08:11:00 -
7:
真琴 ◆xUaYDkidLI
ビールを持って来た男は、そのまま私の隣に座り『啓(けい)です☆』と言ってニッコリ笑った。私は座り直して『真琴(まこ)です。』と軽く会釈した。
咲智とキャッチをして来た男も『咲智です!』『隼人で〜す☆』と自己紹介をし四人でグラスを鳴らした。
2006-04-15 08:16:00 -
8:
真琴 ◆xUaYDkidLI
こうして私、真琴の物語は幕を上げた−−
2006-04-15 08:18:00