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★手帳★
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1:
みか
「今日はどうするん?」
「仕事ゃわぁ…。ごめんなぁ。また掛けるゎぁ!」
少し悪怯れて電話を切る。2005-12-01 13:10:00 -
2:
みか
少しため息と煙草の煙を一緒に出す。
―男ってこんな面倒臭いモンだったっけ?―
と、ぼんやりしているのは頭をグリグリ巻きにされている由香。見た目からもわかるように、キャバ嬢。最近二十歳になった。2005-12-01 13:19:00 -
3:
みか
さっき電話で喋っていたのは、客でもない、由香の二個上の彼氏、直人。
付き合って二ヵ月。普通ならラブラブって言葉が似合う頃なのに、マンネリが由香達には似合っていた。2005-12-01 13:25:00 -
4:
みか
「由香さぁん!お願いします!」「はいはぁい!」
鏡でチョイチョイと頭を触って、待機室に香水の匂いを残して、客席に向かう。
ド派手な赤のドレスを身にまとい、ズカズカと店内を歩く姿はやっぱり人の目を引く。2005-12-01 13:48:00 -
5:
みか
「いらっしゃいませぇ!」「相変わらず派手やな!」由香は色を一切使わない、友営だった。
色は自分の首を絞めるとわかっていたから。
特別綺麗な顔じゃないけど、愛敬のある由香は、店では結構人気者だった。2005-12-01 13:59:00 -
6:
みか
お願いしますと、言われたものの、まだ客呼んでないんだけども?と思ってある席に付いた。するとナンバー2のまきさんと客二人がいた。
まきさんは結構私を可愛がってくれる人。なんとなく何故呼ばれたかわかった気がした。2005-12-01 14:11:00 -
7:
みか
「たにっち!まきがこの店で一番好きなゆかチン★こっちはぐっさんやから★」
まきさんニッコリスマイル。男はこれでイチコロ。
だって可愛いんだもん。全てが。
2005-12-01 14:17:00 -
8:
みか
「どうも、ぐっさん初めましてぇ★由香です?たにっち、久々ゃん!?」
私も負けじにニッコリスマイル。
たにっちは何回かまきさんが客被ってるときにヘルプで付いた事があった。2005-12-01 15:40:00 -
10:
みか
ニャン汰さんありがとうございます??
2005-12-04 13:02:00 -
11:
みか
ョシ!!ここは張り切っちゃいますか!!
由香は何でも適当が一番って言う主義だが、人の期待がチラリと見えれば、頑張ろうとする。
まきさんが私を読んだ理由、ぐっさんをひっぱれって事。言わなくてもわかった。2005-12-04 13:12:00 -
12:
みか
「ぐっさん、何才ですか!??」「いきなりそんな質問!?笑 由香チャンょりだぃぶ上ゃで?笑」
確かにちょっと頭薄いもんなぁ…ケラケラ?
「うそぉん!だいぶは言いすぎちゃう!?」心とは裏腹にこんな台詞がょく言えるもんだね。さすが私。笑2005-12-04 13:21:00 -
13:
みか
「38ゃで笑」「ぇっ!?ウソ!?お母さんと一緒ゃし!」「まぁじぃでぇ!?」
思ったよりもオッチャンだったんだ。そんな事はどぅでもぃぃ。私には時間がナイ!!もぅマシンガントークするしかナイ!!2005-12-04 13:28:00 -
14:
みか
あくまで、私のペースで相手に引き込ます。
「ぐっさん、昔は男前っぽぃなぁ?」「昔はぁって?今も男前ゃ!笑」「ウンウン、自分で言うたら価値は下がるからねぇ!笑」
相手をあげたり、下げたりが得意の由香。結構これが男は喜ぶ。
ウン、今日は調子がぃぃじゃなぃ★2005-12-04 13:37:00 -
15:
みか
「由香さぁん!」
げ!!時間切れジャン!!
「ぐっさん、ぁりがとぅ?また来たら席付かせてなぁ!」「もぅ行くん?もぅちょぃぉりぃょ?」由香ニヤリ。「本間ぁ?由香指名になるょ?ぃぃの?」「ぇぇょ?」キター(*´艸`)2005-12-04 13:41:00 -
16:
みか
まきさんもキラキラニッコリ。
「ぐっさん、由香チャン指名したん??この子はぉもろいょぉ★」「ウン、ぉもろそぅゃゎ?」ぐっさんに指名をもらい、連絡先を聞こうとした。2005-12-04 13:45:00 -
17:
みか
「ぐっさんの番号教えて★」「また今度のとき教えるな?」「何それ!?笑 ハイ、携帯出して★」なかなかぐっさんは連絡先を教えてくれなかった。
何で?別に楽しそうにしてるのに…。
連絡先を知ることなく、ぐっさん達は帰っていった。2005-12-04 13:52:00 -
18:
みか
「由香チン、やっぱりまきの思った通りゃゎ?ぐっさんひっぱりぃな★」「ありがとぅござぃます★けど、連絡先聞いてないんですょ?」「まじでぇ!?まぁまた来そうゃし、大丈夫ゃろ?」まきさんも結構適当。に見えて接客は全て気を配っている。だからナンバーって納得出来る。
2005-12-04 13:57:00 -
19:
みか
由香はぐるぐる席を回って、指名もチョイチョイもらって店をあがった。
あー疲れたなぁ…。
携帯を見ると、直人からの着信があった。別に嬉しくも何もない。ただ、掛け直すだけ。2005-12-04 14:01:00 -
20:
みか
「もしもし?ごめん、仕事中ゃったわ。」「そぅなん。今から帰るん?」「ぅん。」「家きぃや。」「無理ゃわ。送りもぅ私の家って言ってるし。」「バレへんゃろ!」コイツはぃっもこんなん。自分が動こうとしない。由香はイラっとした。
2005-12-04 14:07:00 -
21:
みか
「今日は疲れたし、寝るわ。」イラだちを隠して、電話を切ろうとした。
「どぅせ、他の男に行くんやろ…。」更にイライライライラ。「いかへん!また掛けるゎ!」一方的に電話を切った。浮気なんてした事がないし、好き嫌い関係なしに、由香は他の男と遊んだりはしてなかった。2005-12-04 14:13:00 -
22:
みか
仕事がキャバだからか、私が軽そうに見えるからなのか。どちらの理由にしても、むかついてくる。
着替え終え、送りを待っていた。
「疲れた顔しとんなぁ!笑」ボーィの卓が話掛けてきた。「いんや?眠たいだけゃでぇ…。」「本間ぁ、俺も昨日あんま寝てないから、正味バリ眠たいしなぁ…。」卓は23のちょぃイケ面って奴。私は苦手なタイプ。2005-12-04 14:23:00 -
23:
みか
適当に卓と喋っていたら、送りが来たので、店を出た。頬に氷が張り付くような風が由香を襲った。
「さっぶぅぅ…。」
白い息が出る。
ダウンを着直してちゃっちゃ車に入る。あったかい…。2005-12-04 14:28:00 -
24:
みか
走りだされた車の中から外をぼんやり。
どこか寂しげな顔をしながら、お疲れモードの街を見ていた。
―私何してんだろ…―
夜の世界に入ってから何回か自分に問い詰めていた。だけど、結局何にも出てこない。2005-12-04 16:12:00 -
25:
みか
家に帰り、由香はシャワーを浴びた。
化粧落とすのってめんどくさぃわぁ!取り外しが可能なんって出来ひんかな?。なんて思いながら、クルクルクレンジングを使いこなす。
シャワーから出て化粧水を塗る。
化粧水つめてぇょ?
2005-12-04 16:17:00 -
26:
みか
一段落して、黒で包まれたベットに横たわる。
そしていつものように、手帳を開く。
由香はこの仕事を始めてから日記を書くようになった。初めは客だけの事だったけど、プラィベートまで書くょぅになっていた。2005-12-04 16:25:00 -
27:
みか
今流行のプリンセスの絵が書かれてる手帳は、ディズニーストアーで見つけて一目惚れで買ったモノ。
―もぅすぐこの手帳終わるなぁ新しいの買いに行かなきゃなぁ。―
ペラペラとめくっていく。2005-12-04 16:28:00 -
28:
みか
いっぱい埋め尽くされたペンの文字。
突然、真っ白な紙になってまたゴチャゴチャのペンの文字。由香は驚く事なく、今日の日付のところまでめくっていく。2005-12-04 16:40:00 -
29:
みか
ぇーっと、今日はぁ、ぐっさんが来た事と…。
スラスラと適当なのか本気なのか書く文字が増えていく。
2005-12-04 16:45:00 -
30:
みか
「まぁ、こんなもんやなッッ」
由香は手帳を閉じ、布団にもぐった。
携帯がブルブル震えていた。見ると香奈だった。この子も学生兼キャバ嬢。2005-12-04 16:50:00 -
31:
みか
「由香ぁぁ!どこぉるん!?」ぅるさぃトランスの音と供に香奈の酔っている声。
ホストクラブの真っ最中だとすぐにわかった。
「家。アンタ、学校は?ホスト?」「なぁんゃぁ?学校は今日昼からやねん!今ミナミ?」
朝からまじ元気ゃなぁ…。さすが、学生。2005-12-05 00:10:00 -
32:
みか
「そっかぁ、まぁ楽しんで?ばぁばは寝るな?」「わかったぁ、おやすみぃ」
由香もホストは初回で何回か行った事はあった。けど、変な偏見からか、香奈のように弾けることは出来なかった。だからもう二度と行かないと、決めた。2005-12-05 00:21:00 -
33:
みか
由香は香奈の電話を切った後、すぐに眠りについた。
2005-12-05 15:44:00 -
34:
削除削除されますた
あぼ~ん -
35:
みか
♪♪♪♪♪
由香は携帯の音で目が覚めた。
―ぁー私、まだ想ってるん?もぅ、諦めたら?―
寝呆けながらに自分に言い聞かす。2005-12-05 15:57:00 -
36:
みか
ふと、貴志の笑った顔が頭をよぎる。
………。
リビングに行き、カフェォレを取り出す。一気に飲み干し、携帯を見るため、部屋に戻った。さっきの音は直人が犯人だった。2005-12-05 16:04:00 -
37:
みか
「もしもし?おはよう?今起きたわ。」「おっは?今日会わへん?」「仕事終わってからやけどいい?また連絡するわ。」
直人との電話を切り、客に営業をし出した由香。2005-12-05 16:09:00 -
38:
みか
由香の電話を切った直人は、車を飛ばした。
直人は半年前から金融屋に務めていた。もちろん今から取り立てをしに行ったりする。
端からみれば、いかつい兄ちゃん。仕事柄更にいかつくなったような気がする。2005-12-05 16:14:00 -
39:
みか
♪♪♪
この着信は指定されていない。誰だろうとハンドルを片手に携帯を見た。
《歩美》
別れた元カノだった。2005-12-06 16:03:00 -
40:
みか
今も掛かって来る事は珍しくない。由香に内緒で会った事もぁる。
長い期間付き合ってぃたんだし、それぐらぃなんてこともなぃと直人は思っていた。
2005-12-06 16:07:00 -
41:
みか
「はいはい?」「直人、ちょっと今日会われへん?仕事終わってからヤケド。」
「ぁーまだわからんからまたこっちから掛けるゎ。」電話を切り、悩んだ。さっき由香と会う約束をしたばっかりだというのに、歩美と会う事も考えていた。2005-12-06 16:12:00 -
42:
みか
お風呂上がりの由香の携帯が鳴った。
「はぃょー?」「もしぃ?あんな、やっぱ今日無理になったわぁ!」「なんじゃそれぇ…」「まぁ、また掛けるゎ!」
―なんじゃそれ…―
由香は電話を出る前ょり少し顔が暗くなっていた。2005-12-06 16:15:00 -
43:
みか
―ホラホラ、また男に期待したあかんゃん!―
鏡の自分に向かって言い聞かせた。
男なんか、期待するモンじゃなぃから…。せっせと出勤の用意をしていく由香がいた。2005-12-06 16:18:00 -
44:
みか
煙草を吸いながら、営業メールを送る。
気が付くと、家を出る時間。今流行のファーコートを羽織り、自転車に乗り、電車に揺られ夜のミナミの街に着く。
2005-12-06 16:27:00 -
45:
みか
ミナミはいつでも人がわんさかぃっぱぃ。
こんな状態やのに貴志に出会ったってすごい事ゃんなぁ…。
2005-12-06 16:45:00 -
46:
みか
一年前━━━━
香奈とミナミに遊びに行ってた。香奈はもぅその時はキャバをしていたが、由香は普通のバイトをしていた。
「寒いなぁ…香奈どっか入らへん?」「そゃなぁ、居酒屋いこか!?」「いこう!」二人して居酒屋に入って、お酒を飲んでいた。2005-12-06 16:56:00 -
47:
みか
二人して、昔話で盛り上がり、店から出た。
地元に帰る為に、駅に向かっていた。すると、ギターを弾いている男と一緒に歌っている男がいた。
ょくぁる光景だった。2005-12-06 21:28:00 -
48:
みか
いつもならただ横目で通り過ぎていたが、お酒が入ってか、由香達は立ち止まりしゃがみこんで聞いていた。
「すごい歌上手いよなぁ…。」「ぅん。」
彼たちの歌声に止まったのは由香達だけではなかった。2005-12-06 21:31:00 -
49:
みか
「えーっと、今日はいつもより、たくさん人に聞いてもらえてて嬉しいです!どなたか、何かリクエストありませんか?」
「はぁい!」思わず由香が手をおっきくあげた。
「いつかのメリークリスマスが聞きたいです!」「いい歌ですねぇ、わかりました。」2005-12-06 21:37:00 -
50:
みか
由香は彼達の歌を聞いていた。―上手いなぁ―
「俺この歌泣きそうになるわ。笑」パッと横を見ると、さっき横で立って聞いていた人がしゃがみ込んで座っていた。スーツに黒のコート。ホストかな?
「笑、何で何ですか?」「んー色々なぁ。笑」笑って返して、由香はまた歌声を聞いていた。2005-12-06 21:45:00