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★手帳★
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1:
みか
「今日はどうするん?」
「仕事ゃわぁ…。ごめんなぁ。また掛けるゎぁ!」
少し悪怯れて電話を切る。2005-12-01 13:10:00 -
151:
みか
「そっかぁ…」由香はまた残り少ないハンバーグをつっついた。
2006-01-08 03:56:00 -
152:
みか
「お疲れぇ★ごめんね、いつも遅くて。」バタンと車のドアが閉まる。シャネルの鞄にシャネルのピアス。ドレスのままなのか黒の長いコートから派手な柄がチラっと見える。
「おー、ええで。俺んちでええ?」「うん!っていつものお決まりやん!笑」
車の中には、直人とあゆみだった。2006-01-08 04:10:00 -
153:
みか
直人はアクセルを踏んだ。
「何このCD?あっ!あゆの新しいアルバムやん!買ったん?これ掛けよぉっと。」歩美は、慣れた手つきでCDを掛けだした。
直人ではなく、由香が買ったモノとはしらずに。2006-01-08 04:22:00 -
154:
みか
変な罪悪感に少し直人は襲われた。あまり気にする事なく運転を続けた。
何曲か流れたぐらいに直人の家に着いた。
「お邪魔しまぁす★」昔と変わらず可愛らしく言う歩美。2006-01-08 04:31:00 -
155:
みか
直人は適当に靴を脱ぎ、部屋に入っていく。脱ぎ散らかした靴を歩美は直して、自分の靴を脱ぎ直人の後を着いて行った。
「なぁ、今日のドレス見て?可愛いやろ?」コートを脱いだ歩美は、黒地に花柄のスパンコールのドレスを直人に見せた。2006-01-08 04:35:00 -
156:
みか
「もう寝たんかなぁ?」「彼氏ぃ?」「うん。」
由香はため息をついて、携帯を閉じた。
「まぁ、今日はホスト行くし彼氏の存在はお互い忘れよう!もう出ようや!」「やな!」由香はそそくさとファーコートを羽織り、りなに付いて行った。2006-01-08 04:46:00 -
157:
みか
「もぉしぃ?今からビクドン出るぅ。」ホストに電話を掛けだすりなを横目に会計をすました。
あーちょっと眠たくなってきたや。目を強くつむり、開いた。
2006-01-08 04:50:00 -
158:
みか
「もう向かってるってぇ。」ツタヤ前で待っていたら、いっぱいホストのキャッチを受けた。りなはその度に〇〇に行くからぁと断っていた。「あー!来た来たぁ!」りなの目線を追って行くと、茶色い髪に黒メッシュが入ったスーツ姿のホストがこっちに向かって手を振っていた。
2006-01-08 04:54:00 -
159:
みか
「りなお久やなぁ!友達?初めましてぇ!涼です!」「初めましてぇ、由香です。」適当な挨拶を交わした。結構男前だった。りながかっこいいって言うのはわかる。
2006-01-08 04:57:00 -
160:
みか
涼は店に着くまで、私にまで気を使って話掛けてくれた。りなを見るとテンションが上がっていた。
と、あるビルに着いた。
このビルって…。
「このビル、eSってキャバクラない?」「おーあるでぇ!何で知ってるん?その店の上に俺らの店やで!」2006-01-08 05:02:00 -
161:
みか
懐かしい……。
ぼんやりとあの日を思い出した。
エレベーターに乗り、涼の店に着いた。
「いらっしゃいませぇ!!」薄暗い店内にトランスの爆音。ホストクラブそのものの店内。2006-01-08 05:04:00 -
162:
みか
席に案内され、周りを見渡した。
あるホストに目が行った。そして目が大きく見開いた。
貴志に似てる…。2006-01-08 05:12:00 -
163:
みか
「気に入る人いたぁ?」私の前に涼がひょっこり現れた。
慌てて「わかんない。笑」と返した。りなはキョロキョロ周りを見渡していた。
「りなぁ!浮気しようとすんなぁ!笑」涼はりなに優しく言った。2006-01-08 05:15:00 -
164:
みか
由香はまた目でそのホストを目で追っ掛けていた。
ドクンっと心臓が鳴る。
あるわけないのに、貴志なんじゃないかと思ってしまう。
横ではりなと涼が笑っている。2006-01-08 05:24:00 -
165:
みか
「由香ぁ?ハウスボトルの焼酎でいい?」気が付くとりなが顔を覗いてきていた。「あっうん!」「由香ちゃん、あいつ気に入ったん?」「いや、ちゃうで!知り合いに似てただけ。」「まじでぇ、じゃぁあいつ一発目呼ぶわな!」「いやっいい!」呼ばなくていいのに…。
2006-01-08 05:28:00 -
166:
みか
焼酎を取りに行くついでに、呼びに行った。
「由香やるやん。笑」「何が!?」「あの人ってこの人やろ?」りながパネルを見せて指差していた。
ドクンッッ――
真っすぐな目。貴志にそっくりだった。2006-01-08 05:31:00 -
167:
みか
「ナンバー聞いたらナンバー5らしいでぃ笑」「そうなんや。笑 ってか涼君かっこいいやん!」
話を反らした。あんまり突っ込まれたくない過去。もう思い出にした過去が今また一人のホストに掘り出されるなんて嫌だった。2006-01-08 05:36:00 -
168:
みか
「失礼します!雅人です!」
目の前には貴志…ではなく雅人がいた。
よく見てみると、やっぱり貴志とは違う。少し似ていただけだった。
ほっとする一方で残念な気持ちもあった。2006-01-08 05:39:00 -
169:
みか
金メッシュが入った少し長めの髪。これもまた明らかなホスト。
涼が戻ってきたところで、ペアペアで話し込んだ。
雅人はホストをしだして一年近くなる事や、私の一つ上だっていう事を聞いた。2006-01-08 05:45:00 -
170:
みか
「あっ俺って知り合いに似てるん?」「あー、そうやねん。けど似てるだけやったわ。笑 ってか雅人指名するわぁ、やっと慣れたし。笑」「まじ!?ありがとー!」気疲れするのはもう嫌だった。
2006-01-08 05:48:00 -
171:
みか
ましてや同業。裏で何を思っているのか、と思うと嫌だった。
「由香ちゃん、雅人指名したんやぁ!こいつ手ぇ早いでぇ!笑」私達を見て涼が茶化すように話し掛けた。2006-01-09 03:12:00 -
172:
みか
「由香チャン、タイプやから大事にするしぃ!笑」雅人は涼に言い返す。りなと顔を見合わせ、笑った。
営業トークでも少し恥ずかしくなった。
お酒の力もぁり、少しずつ場に溶けてきた頃。2006-01-09 03:17:00 -
173:
みか
「由香チャン、顔赤いけど酔ってきた?」雅人の方を振り向いた。
この人はどこが貴志に似てるんだろう?
じぃっと雅人の顔を見つめる。2006-01-09 03:23:00 -
174:
みか
輪郭?目?鼻?何だろう?
「由香チャン、そんなみんといてや!笑 恥ずかしい!」雅人はそう言うと目線を外した。
「あぁ、ごめんごめん。笑」こっちも恥ずかしくなってグラスに手をやった。2006-01-09 03:26:00 -
175:
みか
「由香ぁ?起きろぉ!」
目を開けると、貴志のベットの上だった。あれから貴志とお酒を飲みながら、夜の世界を聞きまくっていて…いつのまにか私、寝てたんだ…。2006-01-09 03:31:00 -
176:
みか
「もしかして…寝顔見た!?もぅ最悪ゥゥ!!」好きな人に不細工な寝顔を見られるなんて…。
「可愛いかったで★口開いてたけど…笑」「キャー!もうそれ以上言わないで!」貴志はそっと寝転がっている私の頭に触れた。2006-01-09 03:34:00 -
177:
みか
ドキドキする。私は枕に顔を埋めたまま何も言えなかった。
何でこの人は私のツボを押さえてくるんだろう…。
2006-01-09 03:40:00 -
178:
さや
めちぁおもしろい??
更新まってますね??2006-01-13 18:44:00 -
179:
みか
さやさん、ありがとぅござぃます??いつも更新しようとすると用事が入る主ですが、お許しください?
2006-01-14 22:17:00 -
180:
みか
私の頭の方で貴志の気配がでした。
「好きやで。」
聞こえるか聞こえないかの大きさで貴志は由香に囁いた。2006-01-14 22:20:00 -
181:
みか
「えっなんて!?今なんて!?」由香は枕から顔を離して貴志の方に振り向いた。確かに由香は好きと聞こえた。けど、ありえない気がした。
「由香を好きやねんで、俺。笑」貴志は照れているのか少し笑いながら言った。2006-01-14 22:25:00 -
182:
みか
由香の頭をくしゃっと触り、「とりあえず、飯行こう!シャワー使いぃな?タオルはすぐわかるとこあるから。」「わ、わかった!」
由香はベットから下り、貴志から離れてシャワーに向かった。2006-01-14 22:28:00 -
183:
みか
心臓が早い。さっき貴志に好きって言われた…。何であたしも好きって言わなかったんだろう!あたしの馬鹿馬鹿!
シャワーを浴び、ひたすらそんな事を考えていた。
貴志に気持ち伝えなきゃ。2006-01-14 22:31:00 -
184:
みか
シャワーから出ると貴志はソファでテレビを見ていた。
「貴志?あんな…」「おっ!スッピンやん!スッピンで飯いける?いこか★」
貴志は由香の言葉を遮るようにそう言い、家を出た。2006-01-15 03:39:00 -
185:
みか
わざと話反らした?気のせいかな?
由香はそう思いながらも、貴志の後に付いて行った。ご飯を食べに行き、由香は貴志にミナミに寄ってほしいと願い出た。2006-01-15 03:44:00 -
186:
みか
これから始める夜の世界。由香は手帳に書き留めていたいと思っていた。
雑貨屋に入り、どれにしようか悩んでいた。
「今流行りのプリンセスやん!これかわいいやん★」
貴志が一押しした手帳が可愛かった。由香はそれを手にしてレジに向かった。2006-01-15 03:48:00 -
187:
みか
レジに向かう途中由香はストラップに釘づけになってしまっていた。
「早くぅ!ホレ、プレゼントや★」貴志の手には袋があった。
「何これ?」「さっきの手帳★」「本間!?ありがとう!」由香はにっこり笑い貴志から手帳を受け取った。2006-01-15 03:52:00 -
189:
みか
「由香はいいキャバ嬢になるわ。」貴志は由香にそう言い、由香の手を率いて店を出た。
貴志、何であのとき悲しい顔していたの?この先を読んでたから?2006-01-15 04:09:00 -
190:
みか
はたから見たら、由香と貴志はカップルに見えただろう。幸せそうに手を繋ぎ、車に乗り込む姿。
「これから毎日書こう★明日ぐらいに友達が働いてるトコ行ってみる★」「頑張れよ!」車を走らせ、由香を送る貴志。その間二人は話が途切れることはなかった。2006-01-15 04:14:00 -
191:
みか
由香は幸せだった。さっそく家に着くなり、貴志からもらった手帳に今日の出来事を書いた。
明日、初めての夜の世界やぁ。頑張るぞ!
由香は眠りについた。2006-01-15 04:31:00 -
192:
みか
次の日、由香はかなとミナミの街にいた。
「由香が店来るなんてめっちゃ楽しみやしぃ!」「あたし緊張するぅ!」
由香はいつもより巻き髪はボリュームを出していた。かなからのアドバイスがあったからだ。2006-01-15 04:36:00 -
193:
みか
そして、いよいよキャバ嬢由香が始まる…。
香奈の店はどこかの系列で、かなり大きい店で綺麗なところだった。面接も適当にすませ、香奈に借りた黒いドレスを身にまとった。2006-01-15 04:41:00 -
194:
みか
「由香かわいぃ!まぢキャバ嬢!」香奈に言われ少し照れながら、更衣室から出た。どうしよう…緊張してしまってる。
「由香チャン、ちょっと仕事教えるからこっち来て!」ボーイに呼ばれ、灰皿やグラスの事を教えてもらった。2006-01-15 04:44:00 -
195:
みか
「んじゃぁ、頑張ってな!ほな行こうか!」
左も右もわからないまま由香は接客に出された。
思ったより、接客が出来ていた。ボーイにも、「本間に初めて?」なんて聞かれた。2006-01-15 04:46:00 -
196:
みか
店もラストに入り、由香と香奈は更衣室にいた。
「由香どぉやった?ってかキャバ向いてるやん!もう入店しぃな!」「入店しよっかなぁ…けどまぁ楽しかったぁ★」
話ながら更衣室を出ると今日の給料が由香に手渡しされた。ボーイと話をして明日から入店となった。2006-01-17 07:06:00 -
197:
みか
「由香ちゃん、送りいるよね?」「いえ、今日はいらないです。」由香は貴志と会う約束をしていた。
香奈と一緒に店を出て、また明日、と言いながら貴志との約束場所に向かった。2006-01-17 07:11:00 -
199:
みか
「ごめんね、待った?」車のドアを開けると、貴志は携帯を見ながら険しい顔をしていた。
「お疲れサン★どうやった?」そう言いながら、すぐにいつもの優しい顔に戻った。2006-01-19 09:16:00 -
200:
みか
「めっちゃ楽しかった!店も綺麗やったから入店決めた★」由香は笑顔で今日の事を貴志に伝えた。
貴志はうん、うんと由香が話す事に耳を傾けた。貴志の不安そうな顔はバレる事はなかった。2006-01-19 09:20:00