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いつか蝶のように
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1:
椎名
あたし、あげは。風俗嬢してる。ネオン輝くこの街ではそれなりに有名になったけど、今あたしの本名を知ってるのはアイツだけ。アイツの本名を知ってるのもあたしだけ。
あたしとアイツは似てる。だから惹かれた。2006-02-28 23:13:00 -
10:
椎名
電話の相手は刹那。club diaのNo.1ホスト。ネットにも雑誌にも顔出ししてないから、刹那がNo.1だってことを従業員以外で知ってる人は少ない。だいたい、本人が全く気にしてない。普通、ホストなら誰でもNo.にこだわるのに刹那は違う。
2006-03-02 01:14:00 -
11:
椎名
「店に来てくれたお客さんを全員、満足させて帰すのが俺らの仕事だよ。安くない金額払ってもらってるのに、それでもありがとうって言ってもらえるホストが1番だと思う。だから、店でのNo.なんて関係ないよ。結局は売り上げだけのランクだからね。興味ないよ。」
刹那のいつものセリフ。2006-03-02 03:15:00 -
12:
椎名
刹那と出会ってあたしは変わった。仕事意識の面ではまだまだ刹那には敵わない。あたしはアイツに負けたくなくて今まで頑張ってきた。店のNo.1は譲らずに今日まできたけど、アイツの言うNo.1に、あたしはあの頃から少しでも近付けただろうか。
2006-03-02 03:23:00 -
13:
椎名
今でも昨日のことみたいに覚えてる。
1年前―
アイツは雨の中に立っていた。あたしは仕事が終わって家に帰るところで、ズブ濡れになってるアイツを見つけた。
『あんた、何してんの!?風邪ひいちゃうよ?』
「君を待っていたんだ―」2006-03-02 03:30:00 -
14:
椎名
アッシュグレイの柔らかそうな髪。整った顔立ち。均整のとれた躰。
でも―
なんだろう…何か…この人、何かが足りない…
『ねぇ、…あなた、何か大事なもの、なくしたでしょ…?』
「…やっぱり解ってくれた。君も俺も、ずっとお互いを探してたんだ。…やっと会えたね―」
2006-03-02 03:46:00 -
15:
椎名
あたしは、迷うことなくアイツが差し出した手を取った。
…君も俺も、お互いをずっと探してたんだ…
他人と深く関わることを極端に嫌うあたしが、不思議と嫌な気はしなかった。
あたしもどこかで、アイツと同じことを考えていたのかもしれない。2006-03-02 03:52:00 -
16:
椎名
「いらっしゃいませーっっ!」
club dia―
この街でこの店を知らない人は多分いない。著名人も通うという、有名店。
「!刹那さんッ!どうしたんスか!?ズブ濡れじゃないスか!」
急に店からいなくなっていた刹那を見つけ、従業員が駆け寄ってくる。
「俺はいいから。お客様をご案内して。VIPシート、空いてるだろ?」2006-03-02 04:03:00 -
17:
椎名
diaのVIPシートは個室になっていた。白とグレーを基調とした店内は落ち着いた雰囲気。さすが1流のホストクラブ。
そこに着替えてきた刹那が現れた。
白のスーツに白い靴。髪もセットしてきて、さっきとは別人みたい。
「ごめんね、待たせて…あげはサン?」2006-03-02 04:21:00 -
18:
椎名
『え…どうしてあたしの名前…』
刹那は微笑った。その凜とした顔が、少し幼く見えた。
「誰だって分かるよー。それ、色っぽいね。」
『え?…あぁ、そっか。』2006-03-02 04:31:00 -
19:
椎名
あたしの首にはタトゥーが入ってる。鎖骨の少し上―そこに漆黒いアゲハ蝶はいる。
『色っぽくなんか全然ないよー。ちょっと怖いでしょ?(笑)』
「違うよ、そうじゃなくて。普通の黄色いのじゃなくて漆黒いアゲハ蝶になりたい、ってのが色っぽいな、って―」
2006-03-02 04:47:00