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レイコ
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1:
ユキ
ブーンブーン
真夏だとゆうのに。ラブホテルの一室は、寒いくらい冷房が効いている。
ブーンブーン
僕は、両の手に握られた細く白い首を、力いっぱい締め付ける
ブーンブーン
息が、完全に止まる。
ブーンブーン
僕は、今。この世で一番愛してる人を殺した。
シーツが、濡れている。おそらく失禁してしまったんだろう。
そんなもの、全然汚くない。僕は、冷たくなった体を抱き締めた。
「愛してるよ、レイコ。」ブーンブーン
僕は、レイコにキスをした。
ブーンブーン
辺りには、奇妙な虫が飛んで居るような、機械音が静かに響いていた。2005-06-10 12:55:00 -
51:
ユキ
《着信音》 撲の、携帯が鳴った。
表示されている番号を見て、驚いた。
「タカシ、ごめん先店入っといて。」
撲は、一瞬、ためらったが、電話に出た。 「こないだは、すいませんでした。」2005-06-14 09:40:00 -
52:
ユキ
「早く、その場所から離れなさい。」
いつもとは、違った、レイコのあせっている声。 「え?それってどうゆう」ガシャーン!!!!
ラーメン屋から、大きな物音が聞こえた。
「遅かったみたいね。」 嫌な、予感がした。
僕は、電話を切って、店の方へ向かった。2005-06-14 09:49:00 -
53:
ユキ
すると、店の中から、タカシと、他校の制服を着たガラの悪そうな、男子が四人出てきた。 「おまえは、ここにいろ。」
タカシは、そう言い残して、他校生達と路地に入って行った。
撲といるときとは違い、目が釣り上がっていた。 僕は、何も出来ず。その場に立ち尽くしてしまった。 《着信音》 「はい」
「あなた、早くタカシを追い掛けなさい。大変な事になるわよ。」2005-06-14 10:04:00 -
55:
ユキ
撲は、レイコの言葉で我に返った。
電話を、切り。タカシが、入って行った路地まで、走った。
2005-06-14 10:07:00 -
56:
ユキ
薄暗い路地に入ると、タカシは、すぐに見つかった。他校生は、四人とも、タカシの足元で、うずくまり倒れていた。
「弱いくせに、喧嘩うってんじゃねーよ!」
タカシは、そう言いながら地面に唾を吐いた。2005-06-14 10:13:00 -
57:
ユキ
撲が、初めて見るタカシの姿だった。
「おまえ、待っとけってゆっただろ。」
撲に気付いたタカシは、ばつの悪そうな顔をして、笑った。
「ごめんな。変なとこ見せて。」
「いいや。大丈夫か?」
「大丈夫。久々に喧嘩したから、疲れた。」
タカシは、もういつもの表情に戻っている。
「はらへったー。行こうぜ。」
タカシが、地面に置いていた自分のカバンを拾おうとした。 その時だった。
倒れていた、一人が立ち上がり、タカシに、叫びながら向かって行った。
そいつの手の中に、光るものが見えた。
2005-06-14 10:24:00 -
58:
ユキ
「タカシ!危ない!」
ドン! 「うわー!」
ポタリポタリ
地面に、赤黒いシミが、出来ていく。
撲の腹に、ものすごい激痛が、走った。
その痛みに、耐え切れず、その場に膝をついた。
2005-06-14 10:31:00 -
59:
ユキ
腹を見ると、ナイフが刺さっていて、赤い血が溢れていた。
タカシは、呆然と、撲を見ている。
撲を、刺した奴と、仲間は、叫びながら、走って逃げて行った。
意識がもうろうと、してきた。
「タカシ、大丈夫?」
僕は、そう言ったあと、意識が途絶えた。2005-06-14 10:40:00 -
60:
ユキ
「大丈夫か?」
タカシが、心配そうな顔をして覗き込んでいる。 まただ、デジャブか? だが、ここは、保健室ではなかった。
辺りを、見回すと、どこか知らない部屋の一室だった。
撲は、ベットで寝ている。「ここ、どこ?」
声を、出した後だった。 腹に、強烈な痛みが走った。 「ああ。まだ、痛いから喋んない方がいいわよ。」2005-06-14 10:52:00