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*泣かないで*■短編■

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  • 1:

    今夜は、連絡しないでおこう。
    まだ
    怒ってるかな‥
    明日は
    仲直りできたらいいな☆

    2006-03-11 04:40:00
  • 2:

    ━ジリジリジリジリッッッ━
    窓から差し込む朝日と、毎朝のうるさい目覚ましに起こされて。
    遥の1日が始まった。

    優。大好きな優…今日は仲直りしようね?

    2006-03-11 04:43:00
  • 3:

    窓を開けて空を見た。今日の空はなんだか気持ちが良くて、真っ青で。

    今日ならうまく
    『ごめんなさい』って言える気がするよ
    うん!きっと言える。

    2006-03-11 04:45:00
  • 4:

    昨日、遥と優はささいな事で喧嘩をした。学校で遥が男友達と仲良く話しているのを優が見てやきもちを焼いて怒ってしまったのだ。

    遥は『友達なんだから話すくらいかまわないでしょ!』と意地を張り、素直に謝れずにいた。
    遥もよく、やきもちを焼くから優の気持ちわかるはずなのに。

    2006-03-11 04:49:00
  • 5:

    なにかを決意したように勢いよく窓を閉めた。

    優、早く会いたいよ‥

    部屋から出てバタバタと階段を下り1階へ急いだ。

    2006-03-11 04:52:00
  • 6:

    ━あれっ?ママ寝坊したのかな〜?

    いつも朝食を作り迎えてくれる母が今日はいない。
    《もうママってば今日に限って…あぁ〜急がなきゃ!》
    遥は自分でパンを1枚オーブンに入れ、焼いている間に素早く歯磨きをして顔も洗った。

    2006-03-11 04:56:00
  • 7:

    そしてまたバタバタと1階へ下りた。
    茶色のローファーを履き、玄関にある全身鏡で自分の姿を確認する。
    にこっと微笑んでみた。

    優。今日は素直になるからね☆

    2006-03-11 05:03:00
  • 8:

    遥は見た目は学校の子には、同級生には見えない!とよく言われる程大人っぽい。
    そしてどこか不思議な雰囲気を持ち、性格もサバサバしていた。
    だから、近寄りがたいと思われることも多く、友達も多い方ではなかった。

    2006-03-11 05:06:00
  • 9:

    でも優が
    認めてくれたんだ。
    遥が可愛い女の子でいられるのは優の前だけだよ?

    遥が男の子と話すなんてあんまりないから、やきもち焼いちゃったんだよね?

    2006-03-11 05:08:00
  • 10:

    優のことを考えながら家を出ると、とっても心地よい風が吹いていた。
    そうだ!
    午前中はさぼっちゃおう。

    優になんて謝るかも、考えてなかったし。

    2006-03-11 05:10:00
  • 11:

    どのくらい寝ていたのだろうか。
    キャッキャッとはしゃぐ子供達の声で目を覚ました。

    《あっ!学校…っ。》ふと時計を見ると11時40分。
    遥はカバンから鏡を取出し、寝起きの顔をチェックした。そして一人うなずき、鏡をカバンへ直すと、すくっと立ち上がった。

    2006-03-11 05:18:00
  • 12:

    公園の出口へむかう。
    その途中すれ違う子供達を見て、なんだか幸せな気持ちになった。

    遥にとって、本当に今日は穏やかな日だった。

    2006-03-11 05:20:00
  • 13:

    公園をでると、真っすぐにすぐ近くの学校へと歩きだした。

    靴箱につき上靴に履きかえると、ついでに優の靴箱も見てみた。
    優が学校に来てるのを確認すると笑顔で自分の教室へ向かった。

    2006-03-11 05:25:00
  • 14:

    まだ廊下は少し寒い季節なのに、昼休みだからか教室の扉は開いていた。
    教室へ入ると、少ない友達の美香はいなかった。
    休みだろうか。
    遥はあとでメールをしようと思いながら教室をでた。

    2006-03-11 05:29:00
  • 15:

    教室をでて、急ぐ場所は優の教室。
    ここも扉はあいていて、廊下では優と仲の良い数人の生徒が騒いでいる。
    その子達の中に、優がいないことがわかると、今度はひょいっと扉から首をのぞかせ教室の中を見た。

    2006-03-11 05:32:00
  • 16:

    《なんで優いないんだろ…。変なの…》

    遥は優の居場所を考え込んだ。そして、二人でよくお弁当を食べた屋上じゃないかと思いついた!‥が、同時に昼休みの終わりのチャイムが鳴ってしまった。

    2006-03-11 05:35:00
  • 17:

    《あーぁ。せっかく来たのに優のバカぁ‥。まあいっか!また放課後来ようっと》
    遥は小走りのような感じで自分の教室へと戻った。

    2006-03-11 05:38:00
  • 18:

    午後の授業が始まる。退屈でそして眠くて。
    遥は公園で忘れてた、優になんて謝るかを考えながらまたうたた寝を始めた。

    素直が1番だよね…謝って、そして誰より優が好きなことを伝えよう…
    そんな優しい気持ちで眠りについた。

    2006-03-11 05:41:00
  • 19:

    ‥キーンコーンカーンコーン‥
    ‥ガタガタッゴト‥ッ‥
    ん?
    なんだか教室がざわざわしてる。
    《あ!もう授業終わってるし!しかも終礼も!ってか、みんな帰ってるし!》

    2006-03-11 05:46:00
  • 20:

    遥が起きたのは、クラスメイトが教室をでる頃だった。
    なんでみんな起こしてくれないのっと思いブツブツ言いながら遥も帰りの支度を始める。

    ━ふぅ。よし、行くか!

    2006-03-11 05:48:00
  • 21:

    遥はもう静まりかえっている廊下を歩いていた。
    《もう優は帰っていないかもしれないなあ‥》
    そんなこと考えながら。

    そして優の教室の前で足を止めた。教室の扉をゆっくりと、そっと開け、顔の半分くらいで中を覗いて見た。

    2006-03-11 05:52:00
  • 22:

    ━あ!!‥‥‥優?


    優、
    泣いてるの?

    2006-03-11 05:53:00
  • 23:

    ねえ優。
    あなたの涙の訳が知りたい。
    でも、いつもあたしの前で強がって引っ張ってくれてた優だから。
    涙の姿なんて見られたら怒るでしょう?嫌だよね?
    だから声をかけることができない。

    2006-03-11 05:55:00
  • 24:

    優は教室の窓から外を眺めてるようだった。
    だから廊下から見てる遥には、その表情は見えない。

    でも確かに震えてる優の肩が泣いてることを教えてる。

    2006-03-11 05:58:00
  • 25:

    今日はここまでです?

    2006-03-11 05:59:00
  • 26:

    優は夕日を見ているのかな。
    眩しくないのかな。

    あたしには優の背中が逆光となって見えにくいよ
    ねえ、なんで泣いてるの?

    2006-03-11 11:53:00
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