小説掲示板『 影 』のスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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『 影 』

• 1:

  桃

  今まで生きてきた中で後悔をした事は何度もある。
  
  だけどあの時の過ちは、今までの後悔を覆す位の最悪なモノだった…

  2006-03-08 05:04:00
• 2:

  桃

  肌寒く感じる冬直前。
  働きだして間もないお店に少し慣れてきた愛と舞、他２人のキャバ嬢はボーイの指示に従い、４人組のフリーのお客さんの席についた。

  2006-03-08 05:15:00
• 3:

  桃

  ｢はじめまして☆愛です♪｣そう言って愛は、４人組の内の１人の男の横に座った。見た感じでは20代前半位の若そうな男。その横には愛の親友の舞が座り、同じく20代前半位の男としゃべっている。他の男２人も見てみると皆まだ若そうな感じがした。

  2006-03-08 05:22:00
• 4:

  桃

  さっそく横の男の為にお酒を作り、差し出す。それと同時にありきたりのセリフで｢仕事帰りですか？｣と愛は聞く。
  男は｢仕事帰りな訳ないやん!!これが仕事帰りに見えるか？｣と笑いながら答えてきた。
  なんとなくは予想はついていた。４人組みんな楽な服装。中にはジャージ姿とキャバクラに不釣り合いな服装の男も居た位だから。愛は｢そうですよね〜☆｣と男の言葉に合わせるように軽く笑いながら答えておいた。

  2006-03-08 05:32:00
• 5:

  桃

  他のキャバ嬢２人が何かドリンクをオーダーしようとしていたのを見て、横の男も格好つけるように｢何か飲みやぁ☆｣と愛に言ってきた。愛は遠慮する事もなくドリンクをオーダーする。
  横では舞も同じくドリンクを勧められたみたいでオーダーしていた。

  2006-03-08 05:38:00
• 6:

  桃

  オーダーしたドリンクが運ばれてきた。キャバ嬢４人のドリンクが揃ったという事で皆で乾杯をする。
  乾杯をした後はそれぞれの世界に入り、男と女１対１での会話が始まった。
  愛はいつものように相手の事を知る為にいろんな事を聞き出す。それに素直に答える男。中には嘘を言ってる事もあるだろうけど、そこは気にしない。だってこの世界だけの関係だから…

  2006-03-08 05:46:00
• 7:

  桃

  愛の隣に座っている男。聞く所によると、名前は真樹。年令は愛が予想した通り22才と若い。どうやらこの店は初めてではなく、結構ちょこちょこ通っているらしい。愛とは初対面なので真樹のほうは愛がまだこの店に入って間もない事はわかっていた。真樹からもいろんな質問が飛び交う。年令･どこに住んでいるのか･何でこの店に入ったのか…愛は年令以外は適当に答えておいた。この場限りだと思っていたから…
  その後なぜかお笑い番組の話になり、どうでもいい話ばかりしていた。

  2006-03-08 05:58:00
• 8:

  桃

  ボーイがテーブルの近くに来てキャバ嬢４人のチェンジを指示してきたので、愛はお笑い番組の会話を止め、無理に指名を取らない派の愛は笑顔で｢じゃあ行くんで…また会ったら声かけてな☆｣と言い残しサッと席を立つ。真樹も｢おう☆｣と笑顔で返してきた。
  

  2006-03-08 06:05:00
• 9:

  桃

  同じく舞も指名をもらわなかったらしく席を立った。この日はお客さんが少なく、女の子の出勤人数が多い事もあって、お客さんが来る予定の無い愛と舞は、そのまま待機することになった。

  2006-03-08 06:11:00
• 10:

  桃

  愛と舞が働いているお店には20代前半のお客さんが来る事が少ないので、待機中の会話はもちろん真樹達の話題だった。
  舞の話を聞くと、舞の横に座っていた男は真樹の２つ上の年24才で、名前は翔。仕事は自営業をしている。と言っていたらしい…
  愛は真樹が何の仕事をしているのか聞いていなかった。それを舞に言うと｢みんな自営業やで！って翔くん言ってたけど…｣と舞が言い、｢若いのにすごいなぁ〜｣と他人事のように２人で話ていた。

  2006-03-08 06:25:00
• 11:

  桃

  そこまで興味を持っていなかった…というのもあって、いつのまにかに真樹達の話題は流れ、愛と舞は世間話に変わっていた。
  その後、数組のお客さんのテーブルに座り、１日が終わった。

  2006-03-08 06:32:00
• 12:

  桃

  真樹と愛が出会って２日後、愛と舞はいつも通り店に出勤していた。この日の愛と舞は２人ともお客さんが来ていて、それぞれのテーブルについていた。
  途中、愛はトイレに行きたくなり、トイレに向かうと舞の姿があった。舞は愛の姿に気付き、呼び止め｢さっきボーイに聞いたけど、もう少ししたら翔くんと真樹くんが来るらしいで！それで愛と舞が今日出勤してるか聞いてきたらしくて指名入ったらいいなぁ☆やって…｣と言ってきたが、愛は真樹と翔の存在をすっかり忘れていたので、舞がどのお客さんの話をしているのかあまりわかっていない。すかさず愛は舞にどのお客さんの事か聞き、真樹と翔の存在を思い出した。愛と舞は｢まぁ指名が入ればそれでいっか☆｣と軽く考え、トイレを済ませそれぞれのテーブルに戻った。

  2006-03-08 21:17:00
• 13:

  桃

  テーブルに戻ってからの愛はお客さんの話なんてうわの空で、真樹が本当に来るのか、そして愛を指名してくれるのかずっと考えていた。まだ自分のお客さんをあまり持っていない愛にとっては指名が入るだけで嬉しい事だから…
  気付けば｢真樹が指名してくれますよーに…｣と頭の中でお願いをしていた。いろんな事を考えていると、あっという間に横に座っているお客さんのチェック時間が来て、延長をせずに帰ってしまった。愛は別に悔しくもなかった。真樹が来て指名してくれると信じていたから…

  2006-03-08 21:27:00
• 14:

  桃

  自分のお客さんが帰ってしまった後、愛はフリーのお客さんのテーブルにつかされ、なかなかおもしろいお客さんだったので、話に夢中になっていた。
  結局、意気投合してしまいお客さんから電話番号とメールアドレスの交換を要求されたので、愛は自分の名刺の裏に番号とアドレスを書いた。そして書き終わり、ふと顔を上げると目の前を通っていく真樹と翔の姿が見えた。愛は一瞬にしてなぜか緊張してしまった。｢ここでボーイが呼びに来るか？来ないか…？どっちやろう…｣

  2006-03-08 21:37:00
• 15:

  桃

  ボーイが愛のほうに向かって歩いてきて、愛に席を立つよう指示を出す。
  愛は｢きたっ☆｣と心の中で思い、少し有頂天になりかけていたが、横に居たおもしろいお客さんがストップをかけてきた。
  店内指名が入ってしまった…
  店内指名でも普段の愛にとったらうれしいことだけど、今日は全くうれしくもなかった。

  2006-03-09 03:47:00
• 16:

  桃

  店内指名をもらった愛に対してボーイはそのままそこのテーブルに居るようにと指示を出してくる。
  仕方なく愛はその場に残るが、真樹のテーブルが気になる…
  ｢ここに居ろ。という事は真樹は愛を指名していない？｣そんな事が頭をよぎり、せっかく店内指名を入れてくれたお客さんなんてどぅでもよくなっていた。

  2006-03-09 03:53:00
• 17:

  桃

  お客さんの話もうわの空で、指名客が来てる舞のテーブルを確認してみた。
  もし舞が移動していなかったら舞も翔から指名されていない事になるかもしれない…愛はそういう考えだった。
  舞はまだ指名客の席に居る…と言う事は、指名されていない…
  愛は少しショックな気分になり、期待していた自分がバカらしく思えた。

  2006-03-09 03:57:00
• 18:

  桃

  ｢もぅ真樹の事なんて考えんとこう〜｣愛はそう思い店内指名を入れてくれたお客さんと再び、おもしろい会話で盛り上がった。
  最初から真樹の事は別に気に入ってもなかったし、ただ指名してくれるかもしれない、という期待だけだったから…
  

  2006-03-09 04:06:00
• 19:

  桃

  数分後、またボーイが愛の所に向かってくる。愛の居るテーブルがチェックか延長かの確認だった。
  そのテーブルに居た内の１人のお客さんが、これからまた用事があるから…と言って結局チェックとなってしまった。
  愛は｢真樹の所で指名が入らなかったからフリー回りをするより、ここにずっと居たかったな…｣なんて思っていた。
  お客さんがお会計を済ませ、店の入り口まで見送る。｢また今度愛ちゃん指名で来るから☆｣そう言っておもしろかったお客さんは帰って行った。

  2006-03-09 04:16:00
• 20:

  桃

  愛はボーイに次のテーブルに移動させられる前に見送った足でトイレに向う。愛にとって店のトイレは少しでも休憩のできるちょっとした安らぎの場所だった。
  化粧を直し、タバコを吸い始めたとき、ボーイが呼びに来た…愛は｢ダルッ…｣と思いながらタバコの火を消し、トイレの外に出た。

  2006-03-09 04:28:00
• 21:

  桃

  ｢愛、休憩してる場合ちゃうよ!!指名入ってるから行くで!!｣とボーイが急かすように言ってきた言葉に愛は不思議に思い｢愛、もぅ今日は誰もこーへんで!?｣と答えた。
  すかさずボーイが｢それが指名してくれてる人がおるんよ☆｣と言う。その後、愛は誰なのか？と聞いたがボーイは愛をいじめるかのように答えてくれず、とりあえず愛を誘導した。
  誘導されて辿り着いた所は真樹のテーブルだった。

  2006-03-09 04:37:00
• 22:

  桃

  愛は真樹から指名が入らなかった。と思っていたからびっくりしてしまい咄嗟に｢はっ？えっ？なんで？｣と言ってしまった。
  それを聞いた真樹が笑いながら、｢なんでって指名したらあかんかったんかー？まぁ座れやっ☆｣と言ってきたので愛は｢いや…指名したらあかんとかじゃないねんけど…｣と答えて、ソファーに腰かけた。
  愛は最初にボーイから真樹達が愛と舞を指名で来るかもしれないと聞かされた事から、指名が入らなかった。と思い込んでいた所まで全て真樹に話した。

  2006-03-09 04:51:00
• 23:

  桃

  全てを聞いた真樹がまた笑いながら答えた。
  ｢最初から俺は愛指名で来るつもりやったで☆んで、店入ったときにボーイに愛が空いてるか聞いたけど、フリー客についてる。って言われて、それが終わってからでえぇから俺の所につけてな！って指名入れてん。でもその後おまえ指名入ったっていうのと、そこの客がもぅあんまり時間ないって聞いて、延長するんやったらまた時間ずらして出直すし、チェックやったら客が帰ってからつけて！って頼んでん☆｣
  真樹が言った言葉で愛は全てを理解し、余計に自分がバカらしく思えた。

  2006-03-09 05:02:00
• 24:

  桃

  その後すぐに指名客を送り出した舞が翔の横に来た。舞も意味がわかっていないような感じで翔に聞き出している。
  翔の説明が終わった所で愛と舞はドリンクをオーダーして４人で乾杯となった。

  2006-03-09 05:08:00
• 25:

  桃

  最初は店に来る前に起こった事件のような話を真樹と翔で語り出し、愛と舞はずっと聞き入っていたけど、その話が終わると翔と舞、愛と真樹、それぞれ２人での会話が始まった。
  初めて会ったときに引き続き、愛は今までどんな仕事・生活をしてきたのか…真樹は翔との出会い・仕事の事など話し合った。

  2006-03-09 05:16:00