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愛と時効。神様〜私をお許しください。
-
1:
ひとみ
2月22日。火曜日。ゆうちゃんに「別れて」って言われた。
2006-03-02 17:38:00 -
100:
ひとみ
「まぁゆっくり寝ぇ♪」
そう言って悠斗君は私に背中を向けたまま眠りについた。
私はずっと悠斗君の背中を見ていた。2006-03-03 05:59:00 -
101:
ひとみ
私のために気を使って床で寝てくれてる――。体痛いやろうなぁ。仕事で疲れてるのに。ごめんな。ありがとう。そんな気持ちでいっぱいにやった。
2006-03-03 06:02:00 -
102:
ひとみ
知らない間に眠ってしまっていた。目が覚めた頃にはもう昼になっていた。
「ねぼすけちゃーん♪おはよう☆」2006-03-03 06:04:00 -
103:
ひとみ
悠斗が顔を覗きこんでいる。
「おはよう」
「よう寝れたか?」
「うん。」2006-03-03 06:06:00 -
104:
ひとみ
悠斗の父はもう仕事に出かけているようだった。
お風呂を借りてシャワーを浴び、歯をみがいた。悠斗は私に「連れていきたい場所がある」と言った。2006-03-03 06:09:00 -
105:
ひとみ
用意をすませて家を出た。原付の後ろにまたがりなにか遠足に行くかのようにワクワクしていた。
2006-03-03 06:11:00 -
106:
ひとみ
「どこいくんー?」
「内緒ー♪」
2006-03-03 06:13:00 -
107:
ひとみ
しばらく走ってついた先は近くの海。
「ここ来た事ある?」
「あるけどこんなトコあるなんか知らんかった!」2006-03-03 06:21:00 -
108:
ひとみ
夏になればよく来ていたが悠斗が連れてきてくれた所はちょっとした隠れスポットみたいな所やった。
2006-03-03 06:23:00 -
109:
ひとみ
「ここはな、俺も誰にも教えてない場所やねん。一人でな、悩んでるときとか辛い事あった時とか、ようここ来ててんで。」悠斗は真っすぐ前に広がる海を見ながら話を続けた。
2006-03-03 06:26:00 -
110:
ひとみ
「ここで見る夕日が沈む瞬間と、朝日が昇る瞬間、俺一番好きやねん。ここに来たら嫌な事全部忘れて綺麗な気持ちでおれる気がすんねん。」
2006-03-03 06:30:00 -
112:
ひとみ
悠斗の言っていることがすごく分かる気がした。目の前に広がる大きな海を見ていたら私の抱えている悩み事などほんのちっぽけな事に思えた。私は悠斗に聞いた。
2006-03-03 06:36:00 -
113:
ひとみ
「なぁ。なんで何も聞かへんの?家出の事。」
私は何も聞いてこない悠斗に不思議に思った。2006-03-03 06:39:00 -
114:
ひとみ
悠斗がゆっくり答えた。
「誰でもな、聞いてほしくない事だってあるねん。無理に聞くよりひとみが俺に話してもいいって思えた時、話してもいい相手やって認めてくれるまで俺は何も聞かんつもりやで。」2006-03-03 06:45:00 -
115:
ひとみ
私は悠斗の顔を見ていると泣きそうになった。
喧嘩の原因は母親の男関係。父と母は私が幼稚園の時離婚した。離婚してから母はすぐスナックに勤めた。2006-03-03 06:50:00 -
116:
ひとみ
スナックに勤めてから母はしょっちゅう私の知らない男を家に連れてきていた。ひどい時には週に4、5回。しかも毎回違う男だった時期もあった。当時小さかった私はなにも分からなかった。
2006-03-03 06:54:00 -
117:
ひとみ
私が中学生になる頃、母はスナックをやめた。そしてある日、見たことの無い男を連れてきた。
「お母さんこの人の事真剣に好きやねん。ひとみ、認めてくれる?」2006-03-03 06:58:00 -
118:
ひとみ
私は母の男関係に呆れていた。私だけは絶対こんな大人にはなりたくない。絶対にならん。
―どうでも良かった―。2006-03-03 06:59:00 -
119:
ひとみ
「勝手にしたら?」
私は母に感情など無くなっていた。本当にどうでも良かった。そして母はその男と再婚した。私には妹ができた。2006-03-03 07:02:00 -
120:
ひとみ
私にその男を紹介した時、既にもう母のお腹には私の妹、桜がいた。つまりできちゃった婚。きっと桜ができていなかったら母は一生あんな生活を続けていただろう。
2006-03-03 07:06:00 -
121:
ひとみ
私は母が再婚して父親になった男をお父さんと呼ぶ事はなかった。
あいつも私の事を名前で呼ぶ事はない。というより完全に存在を消されていた。私の事を見もしなかった。2006-03-03 07:09:00 -
122:
ひとみ
まるで私が透明人間みたいに。あいつには私が見えてなかった―。あいつは桜しか見ていなかったから。目も合わさなければ言葉も交わさない。
2006-03-03 07:11:00 -
123:
ひとみ
あいつが何をしてても別にどうでも良かった。あの日までは―。
2006-03-03 07:13:00 -
124:
ひとみ
その日、私は学校から寄り道せずに早く家へ帰った。桜の2才の誕生日だったから―。あんな親から生まれたとはいえ、桜はあたしの妹。すごく可愛かった。
2006-03-03 07:17:00 -
125:
ひとみ
普段4人揃ってご飯を食べる事なんて絶対になかった。でも今日は大事な妹、桜の誕生日。今日ぐらいは桜を喜ばせてあげたい。そう思っていたから。
2006-03-03 07:19:00 -
126:
ひとみ
家に帰ると母と桜が待っていた。
「おかえりー」
母はいつもより手の込んだ料理を机に並べている。【さくちゃんお誕生日おめでとう】とチョコレートでトッピングされたケーキ。2006-03-03 07:22:00 -
127:
ひとみ
それを桜はうれしそうに眺めている。午後8時をまわろうとしていた。あいつがまだ帰ってこない。今日は桜の誕生日だから早く帰ってくると言っていたのに。
2006-03-03 07:24:00 -
128:
ひとみ
母は待ちきれず電話をした。
受話器の向こうのあいつは「今どうしても仕事で手が離せない。9時までには帰るから」
そう言っていた。2006-03-03 07:27:00 -
129:
ひとみ
私は、母に先食べようと言ったが桜がずっと
「パパ、パパ」と言うのでもう少し待つことにした。9時になっても帰ってこない。10時になっても。2006-03-03 07:29:00 -
130:
ひとみ
母が電話をしても電源が切られており、電話さえつながらない。桜はその日ご飯を食べずに眠ってしまった。私は無性に腹が立った。あんなに楽しみにしていたケーキも食べずにずっと待っていた桜。
2006-03-03 07:32:00 -
131:
ひとみ
結局帰ってきたのは1時すぎだった。しかも、すでに泥酔状態でベロンベロンだった。かえってくるなり、第一声が、
「ビール」
だった。私の何かがついに切れた。2006-03-03 07:35:00 -
132:
ひとみ
「おい。お前いい加減にしろや。」私はベロンベロンのあいつに殴りかかった。殺そうと思った。それを母が必死にとめた。
《なんで?なんでこん奴の事かばうん?そんなにこいつが大事?》2006-03-03 07:39:00 -
133:
ひとみ
「お前なんか父親ちゃうわ!」
ホンマに殺したかった。
母があいつの前に出て両手を広げてかばう。
「やめて!早く今すぐお父さんに謝って!」2006-03-03 07:43:00 -
134:
ひとみ
あたしなんか間違ってる?あたしが悪いん――?お母さんはあたしよりこいつが大事なん―?なぁ。
2006-03-03 07:45:00 -
135:
ひとみ
前でかばう母の髪の毛を鷲掴みにしてあいつがののしる。
「だからこんなくそガキいらんねん。お前こんなくそガキと縁切れ!親子なんかやめろ!」2006-03-03 07:47:00 -
136:
ひとみ
あたしは母を押しのけてあいつを思い切り突き飛ばした。
母は泣きながらあたしに言った。2006-03-03 07:49:00 -
137:
ひとみ
【出ていけ。】
2006-03-03 07:50:00 -
138:
ひとみ
びっくりして起きたのか桜が泣いている。私は家を飛び出した。
“もう絶対帰らん。”
2006-03-03 07:52:00 -
139:
ひとみ
「ひとみ?ひとみっ!」
悠斗の声で我に返った。
私の目からは自然に涙がこぼれていた。2006-03-03 07:56:00 -
140:
ひとみ
私はまるで夢を見ていたかのようにあの日の事を思い出していた。
そしてずっと我慢していたモノが溢れた。
「悠斗、話してもいい?」2006-03-03 08:00:00 -
141:
ひとみ
悠斗は小さくうなずいた。私は一部始終話したあと、また自然に涙があふれ出た。悠斗はしっかりと真っすぐに私を見て真剣に話を聞いてくれた。
2006-03-03 08:02:00 -
142:
ひとみ
そして一言だけ私に言った。
「ずっと我慢しててんな。辛かったな。」って。
私の髪を撫でながら。
溜めていた涙が止まるまでずっとずっと―――。 抱きしめてくれた。2006-03-03 08:05:00 -
143:
ひとみ
私は父親の愛を知らないまま育った。本当は弱いのに、本当は泣きたいのに、私はいつも強い子になりすましていた。弱い所を見せたくなかった――。
2006-03-03 08:09:00 -
144:
ひとみ
私は子供のように泣きまくった。母がスナックに勤めだした頃、まだ小さかった私にとってすごく淋しくて辛かった事―。
2006-03-03 08:12:00 -
145:
ひとみ
母が連れてきた見ず知らずの男に「子供より俺の方が大事やろ?」と言われて頷く母を見た時の事――。完全に私の存在を消されていた事―――。
2006-03-03 08:16:00 -
146:
ひとみ
私は父と母が離婚する時以来涙を流すことはなくなった。きっともう涙なんか枯れてると思ってた―。本当は、本当はずっと泣きたかった―。辛かった―。
2006-03-03 08:19:00 -
147:
ひとみ
私は知らぬ間に悠斗の腕の中でそのまま眠っていた。
「ひとみ。ほら、見てみぃ」
悠斗の声で目が覚めた。2006-03-03 08:21:00 -
148:
ひとみ
それは見たこともない光景だった―――。
「夕日が沈む瞬間。俺言ったやろ?ひとみに見せたいって。」2006-03-03 08:24:00 -
149:
ひとみ
それはあまりにも綺麗すぎて目を反らしたくなる程だった。そして悠斗は言った。
2006-03-03 08:26:00 -
150:
ひとみ
「どんなに辛い事があってもな、絶対にこうやって日が落ちて、また日が昇るねん。時間は絶対止まらへんねん。時にはそれが残酷な場合もある。でも時間が経てばいつかは絶対笑える日が来るねん。」
2006-03-03 08:31:00 -
151:
ひとみ
「明日の今頃には笑ってるお前が隣におってほしい。二人なら苦しみも喜びも分け合えるやろ?お前一人で抱えてんと俺にも半分分けてくれたらいいねん」
2006-03-03 08:36:00 -
152:
ひとみ
そう言って悠斗は真っすぐに私を見る―。私だけを見てくれている。私の事を認めてくれている。私はこの人と一緒にいたい。これから先この人と幸せもなにもかも全て分け合えるようになりたい。
2006-03-03 08:42:00 -
153:
ひとみ
私は生まれて初めて本気で人を好きになった。
2006-03-03 08:43:00 -
154:
ひとみ
5月28日。私と悠斗は付き合いだした。私はこの日から日記をつける事にした。
2006-03-03 08:45:00 -
155:
ひとみ
5月28日。金曜日。
ゆうちゃん大好き。
今日私に彼氏ができました。今までに無いほど本気で彼を好きになりました。まだ出会って間もないけど、絶対二人で幸せになろうね。どんな壁も乗り越えていこうね。2006-03-03 08:50:00 -
156:
ひとみ
6月2日。火曜日。
ゆうちゃんは仕事に出かけました。今日はゆうちゃんパパにハンバーグを絶賛してもらいました。おいしいってゆって喜んでくれました。ゆうちゃん、早く仕事から帰ってきてな。2006-03-03 08:56:00 -
157:
ひとみ
6月10日。水曜日。
今日はゆうちゃんとゆうちゃんパパと3人で映画を見にいきました?映画見終わってゆうちゃんがパフェ食べたいと言ったのでビクドンに行きました?2006-03-03 09:00:00 -
158:
ひとみ
実ゎ…ひとみだけが知ってる秘密?映画を見終わってちゃっかり泣いているゆうちゃん??ゆうちゃん明日もお仕事頑張ってください?愛を込めて?ひとみ
2006-03-03 09:03:00 -
159:
名無しさん
初めまして★あたしの男もユウで2月22日に籍いれてんけど‥応援してるから完結させてネ☆
2006-03-03 13:44:00 -
160:
ひとみ
164さん??応援ありがとうございます???なんかこれもまた?運命?感じちゃったり??完結まで長いと思いますがこれからも書いていくんで是非、最後までお付き合いください???
2006-03-03 15:24:00 -
161:
ひとみ
では今から更新します??
2006-03-03 15:26:00 -
162:
ひとみ
全てがうまくいくなんて絶対なかった。私がいなくなり、母親は全力で私を捜し回った。警察にも届けを出し、私の友達、さゆりちゃんや、ゆかや、なおこにまで電話をかけていたそうだ。
2006-03-03 15:30:00 -
163:
ひとみ
ある日私は悠斗を仕事に送り出し、久しぶりに買い物にでかけた。ゆうちゃんとゆうちゃんパパに内緒でケーキを焼こうと決めていたから。そう。今日はゆうちゃんパパ、40才の誕生日だから。
2006-03-03 15:37:00 -
164:
ひとみ
私はゆうちゃんパパが大好きだった。私の事を実の子供のように可愛がってくれるしたくさん愛をくれる。ゆうちゃんの家は本当に愛に満ち溢れていた。こんな幸せは生まれて初めてだった。
2006-03-03 15:41:00 -
165:
ひとみ
私が存在する意味を分からせてくれた。存在してもいいんやってそう思わせてくれた―。
2006-03-03 15:43:00 -
166:
ひとみ
―――私の心にポッカリ開いた穴を埋めてくれた―――
2006-03-03 15:44:00 -
167:
ひとみ
私はここにしか幸せはないと、思った――――。
2006-03-03 15:47:00 -
168:
ひとみ
さっそくケーキの材料を近くのスーパーまで買いに行った。飾りも買ったりして一人でワクワクしていた。
《ゆうちゃんパパ喜んでくれるかなぁ♪いちごもいっぱい乗せよっ♪♪》2006-03-03 15:51:00 -
169:
ひとみ
そんな事を考えながら一人買い物を楽しんだ。本間に幸せやった。そしてゆうちゃんにもらったお金で晩ご飯の材料を買い、スーパーを出た。
2006-03-03 15:54:00 -
170:
ひとみ
《ケーキなんか初めて焼くわぁ。うまくできるかな?》
足早にスーパーを後にした。私は目の前の光景に一瞬心臓が止まったかと思った―。2006-03-03 15:57:00 -
171:
ひとみ
母が目の前にいる―。しかもすごい険悪で私を睨み付けている―。顔はやつれ、目の下はクマで黒く染まっていた。ほんの二週間程前の母とは思えない。私は凍り付いた。
2006-03-03 16:00:00 -
172:
ひとみ
私は逃げ出そうとした。母は私をすばやく捕まえて駐車場までひきずった。
「嫌や!嫌や!嫌や!あんな家死んでも戻らん!」
周りの人達は何があったのかとゆう顔でこっちを見ている。2006-03-03 16:06:00 -
173:
ひとみ
でも世間の目は冷たかった。何度も〔助けて〕と叫んでいるのに誰も助けてくれない。むしろまるで変なモノでも見るように冷めた目で私を見た。今までの幸せがまるで嘘のように思えた。
2006-03-03 16:18:00 -
174:
ひとみ
そう―。まるで夢でも見ていたかのように―。
2006-03-03 16:19:00 -
175:
ひとみ
いっきに夢から現実へと引き戻される事になった。
私は抵抗するのをやめた。無駄だと思ったから。私には〔幸せ〕なんて似合わない。私には〔本当の愛〕なんて似合わない。もうどうでも良くなった。2006-03-03 16:24:00 -
176:
ひとみ
車に乗った。あいつがいる。あいつが私を見て言う。「ガキが色気づいてんちゃうぞコラ」
バシンッ
頬を思い切り殴られた。2006-03-03 16:29:00 -
177:
ひとみ
私には痛みなど、もうなにも感じない―。別にどうでも良かった。殺すんならはやく殺して。そう思った。それよりも《あっ。この人今初めてあたしの事見た。》そう思った―。
2006-03-03 16:32:00 -
178:
ひとみ
ゆうちゃん―。ごめん。
ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。2006-03-03 16:38:00 -
179:
名無しさん
絶対無料のゲームサイトだょ☆なんか自分のキャラクターとかも作れるねん!ぉすすめぇ♪mbga.jp/AFmbb.cTnw16ce5/前にhttp://付けてね★
2006-03-03 16:38:00 -
180:
ひとみ
こんなひとみでごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃん。ゆうちゃん。もう会えないの?ゆうちゃん。ごめんね。ごめんゆうちゃん。ごめんなさい。
2006-03-03 16:40:00 -
181:
ひとみ
私は車の中、家につくまでひたすらなにも知らないゆうちゃんの事を考えていた。頭の中は真っ白でゆうちゃんに対する申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 《迷惑かけてごめんなさい。ゆうちゃん》
2006-03-03 16:44:00 -
182:
ひとみ
私はこれ以上ゆうちゃんに迷惑はかけれない。そう思った。今の母なら人を殺しかねない―。そう思った。
2006-03-03 16:46:00 -
183:
ひとみ
母は私が大事なんじゃない―。私がいなくなって今まで私に向けられていたあいつからの暴力が私がいなくなってからは母に向けられていたから―。それに気付くのには、さほど時間はかからなかった―。
2006-03-03 16:50:00 -
184:
ひとみ
私は雑用係―。そんなもんだった―。あいつは酒を飲むと私を殴った。
「おまえなんか死んでしまえ」
2006-03-03 16:52:00 -
185:
ひとみ
今までも意味も無く殴られる事はしょっちゅうだった。でもそれは私の家出事件をきっかけにますますひどくなる一方だった。あいつは極度の〔酒乱〕だった。
2006-03-03 16:56:00 -
186:
ひとみ
母親ほど〔男を見る目がない女〕はいなかった―。あいつも〔女を見る目がない男〕の一人だった―。こんな奴のどこがいいのか。私には分からなかった。それでも母はあいつの足元にすがる。
2006-03-03 17:00:00 -
187:
ひとみ
私は最後にと、一通のメールをゆうちゃんに送った。
2006-03-03 17:02:00 -
188:
ひとみ
ゆうちゃんへ。
ゆうちゃんごめんなさい。あたしの事はもう忘れてください。これ以上ゆうちゃんに迷惑はかけれない。あたしは大丈夫です。ゆうちゃん今でも大好き。2006-03-03 17:08:00 -
189:
ひとみ
パパにお誕生日おめでとうと伝えてください。お祝いできなくて残念です。あたしはもう一人でも平気です。心から愛するゆうちゃん、体にだけは気をつけてください。愛を込めて、瞳。さようなら
2006-03-03 17:12:00 -
190:
ひとみ
私はこれだけ送って、電源を切った。
あたしはゆうちゃんには幸せになってほしい―。そう願ってこの日は眠りについた。2006-03-03 17:14:00 -
191:
ひとみ
それから私は学校にも行かせてもらえず、半監禁生活だった。携帯も止められたし、部屋から出されることもほとんど許されない。
2006-03-03 17:19:00 -
192:
ひとみ
私はといえば鬱になりかけていた。一日中暗い部屋で一日中何をするわけでもなくボーっと天井を見ていた。
2006-03-03 17:21:00 -
193:
ひとみ
変わった事と言えば夜になればあいつが私の部屋に入ってくる。あいつは私の寝ているベットの中に潜り込んでくるようになった。
2006-03-03 17:24:00 -
194:
ひとみ
そう―、私は“この世で一番大好きなゆうちゃん”にあげるはずだった〔初めて〕を“この世で一番憎いあいつ”に奪われてしまった。
2006-03-03 17:26:00 -
195:
ひとみ
私は涙も出なかった。悔しくて悔しくて仕方ないのに、本当は泣きたいはずなのに私は何をされようが〔無〕の状態だった―。心を見失った。
2006-03-03 17:32:00 -
196:
ひとみ
母は全て知っていた。あいつが夜な夜な私の部屋に入ってきている事―。私の部屋で一体何が起こっているか。でも母はそれを見てみぬフリをした。それを見て泣いているだけだった。
2006-03-03 17:37:00 -
197:
ひとみ
私はある日あいつの怒鳴る声で目を覚ました。
「帰れ!お前には関係ない!あいつももうお前には会わんて言うてる!何回ゆうたら分かるねん!」2006-03-03 17:44:00 -
198:
ひとみ
あいつが叫んでいる。
《なにかなぁ…?》
私は気になり耳を澄ませた。2006-03-03 17:45:00 -
199:
ひとみ
「お願いです!ひとみさんに会わせてください!お願いします!」
聞き覚えのある声―。私はただボーっとそれを聞いていた。2006-03-03 17:48:00