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初恋1999
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1:
カエ ◆F5OKgzTCp6
ノストラダムスの番組ばっかりやってた1999年
あたしは先輩に恋をした2006-06-28 22:17:00 -
2:
カエ ◆F5OKgzTCp6
1999年4月8日
桜の花びらが付いた髪の毛を嫌そうに母さんが手櫛でとかす。
「嫌やわぁ・・・とれた?」
パッションピンクの派手な唇が歪む。2006-06-28 22:19:00 -
3:
カエ ◆F5OKgzTCp6
「うん。とれたよ」
この若い母親は、娘の中学の入学式に白のミニスカートスーツで登場。
オエ・・・と思いながらも、何か文句をつけた処で新しいスーツを買うお金も家にはないんだし・・・目を逸らした。
2006-06-28 22:23:00 -
4:
カエ ◆F5OKgzTCp6
団地から5分。小学校よりもずっと近くなった中学校。校庭っもずっと広い。毛筆で書かれた『入学式』の文字の前には、ちょっとした列ができて門前は込み合っていた。
「カメラ持ってきてたらよかったなぁ」
「別にいいやん」
カメラなんかうちにないやん(笑)運動会とかでたまに撮ってた使い捨てカメラだって・・・幻像した写真見たことない。2006-06-28 22:26:00 -
5:
カエ ◆F5OKgzTCp6
中学にあがったって何も変わりはしない。上下関係がうるさくなって、塾に行く子が増えるだけ・・・
隣のT小学校とK小学校一緒になるけど、だからって何が変わるというのか・・・それぞれの小学校のボス猿同士のちょっとした攻防のあと、似たもの同士のグループが出来て・・・自分もそこに納まるんだろう。
母親に黒染めしてもらって軋む髪を触りながら、カエは1年A組の列に並んだ。母親の美恵子は、似たようなコ派手な母親に話しかけられニコニコしながら体育館の方に歩いて行った。2006-06-28 22:33:00 -
6:
カエ ◆F5OKgzTCp6
カエの家は母子家庭。でもそれが理由でいじめられるなんてことはなかった。カエの小学校に通う生徒はほとんどがK団地の子供達で、生活補助や母子家庭の子が多かった。
だからと言って、そーいう制裁を受けずにきたかというとそうでもなく、母親の美恵子が仕事を水商売に変えてまで行かせた学習塾で、母子家庭・・・というよりは美恵子の風貌の事でからかわれたり、服が先週と一緒だと言ってばい菌扱いされたりした。
カエは負けん気の強い方だったが、さすがにそれが毎週続くと辛くなり、家で子供チャレンジをするからという理由で、塾を辞めさせてもらった。
美恵子にしても、夜の仕事に変えて少し増えた収入を他のことに回したいと思い始めていたので、塾をやめることに反対はしなかった。2006-06-28 22:41:00 -
7:
カエ ◆F5OKgzTCp6
このまだ30代前半の母親は10代でカエを産み、2歳の時に両親にカエを預けて男といなくなったものの、7歳の時に急に帰ってきて住む所を見つけたからと両親に泣いて謝り再びカエと一緒に暮らし始めた。
駆け落ちした男とはまた別の何人かの男が団地の家まで来て、トランクスで家中を歩き回り、まるで父親のようにカエを叱ったり、お小遣いをくれたり・・・・
どの男も半年もしない間に出て行っていたので、カエは子供ながらにこの母親の悪い癖に気付き始めていた。2006-06-28 22:48:00 -
8:
カエ ◆F5OKgzTCp6
美恵子は、服のセンスこそないものの、容姿はなかなかのもので、この年ににして安達祐実に似てるとよく言われる程だった。
長い髪は少し痛み、濃い化粧はそんな彼女の容姿を大分半減させたが、この年で水商売で生きていくくらいなのだから、男の扱い方を知っているのか・・・・こういう女が好きな男もいるのか・・・
細い足に濃いめのストッキングを履き、Gパンではなくミニスカートばかり履く。150そこそこの低い身長を気にしているのだろう。そんな母親の試行錯誤のミニスカートを見ると、今朝のようにカエはいつも「オエ・・・」と思うのであった。2006-06-28 22:55:00 -
9:
カエ ◆F5OKgzTCp6
「カエー!!」
「おーイズミー」
同じAクラスの最前列からイズミがカエに駆け寄ってくる。
「カエもAで良かった!みんなCに固まってるねんもん」2006-06-28 22:57:00 -
10:
カエ ◆F5OKgzTCp6
「そうなん」
Cクラスのプラカード付近。確かにマイも有紀も恵子も・・・一安心といった感じで楽しそうに話している。
あたし・・・イズミ苦手やねんけどなぁ・・・お弁当一緒に食べよなとか。。。言うんやろなぁ・・・
「なぁカエお弁当一緒に食べてなー!!」2006-06-28 22:59:00 -
11:
カエ ◆F5OKgzTCp6
「うん」
・・・1年はどうやらイズミと過ごすことになりそうだ。
「1年は荷物を教室に置きに行くから、先頭の先輩について行くように!!」
大声で叫んだその肌の汚い大男を見て、絶対体育教師だとカエは思った。2006-06-28 23:02:00 -
12:
カエ ◆F5OKgzTCp6
教室に荷物を置きに行き、すぐにプラカードを持った先輩について行き体育館前の広場に名前の順で整列させられた。
カエの前にいた佐々木まなみは、少し釣り目だが嫌な奴じゃないらしく、カエに優しく笑いかけ自分から話しかけてくれた。
「あたし同じ小学校のコおらんねん。引越ししてきたばっかりやから・・・仲良くしてな!」2006-06-28 23:06:00 -
13:
カエ ◆F5OKgzTCp6
「うん。あたしも・・・あんま同じクラスに知り合いおらんから」
笑い返すと、まなみも再び二コリと笑った。よく見ると少し化粧をしていたが、感じの良さそうな子だし、なんとなく気が合いそう・・・とイズミを見つけた時よりもずっと嬉しい気持ちになった。
2006-06-28 23:08:00 -
14:
カエ ◆F5OKgzTCp6
形式ばかりの入学式は、お決まりの長い校長の話以外はスムーズみ進み、時間通りに終了した。
イズミが仲良くなった春奈と、まなみ、カエの4人で教科書の列に並び校門まで一緒に歩いた。
イズミとまなみはピッチを持っており、番号を交換していた。2006-06-28 23:11:00 -
15:
カエ ◆F5OKgzTCp6
桜の雪は夕日の中も降り続いている。新しいセーラー服はまだ糊がよく効いていて重い。
カエよりも友達が出来て安心したのは母親の美恵子のほうのようで、仲良くなった父兄とした話を家に着いてもずっと話続けていた。2006-06-28 23:14:00