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陽射し
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1:
メイ
実話を元にしたノンフィクション
2006-02-25 02:17:00 -
2:
メイ
ようやく
夜が明けようとしていた。
長く苦しかった日々も今日で終わる。
そう思うとユリアの瞳に一筋の涙が溢れた。
ユリアの涙に気づいた恭也はそっと彼女の額にキスをし、見つめ合うと、また
前を見つめ歩き始めた。2006-02-25 02:21:00 -
3:
メイ
ドンッ!!
ガシャーーン!!
けたたましい音と共にベッドから起きあがるとユリアは何食わぬ顔で洗面所へと向かった。この家では日常と化した騒音は彼女にとって目覚まし代わりだった。2006-02-25 02:24:00 -
4:
メイ
いつからこんな風になったのか、昔はどこにでもある。絵に描いたような優しい両親だった。
それがある日を境にすべてが音もなく崩れ、父は毎日のように酒を飲んでは暴れ母はユリアを置いて出て行った。2006-02-25 02:28:00 -
5:
メイ
ユリアはリビングで暴れる父を一瞥すると自室へと戻り制服に着替え、家を後にする。
『しょせん好きでもいつかは冷める』
あれほど仲の良かった両親の決別にユリアは何に対しても冷めた瞳で見ていた。2006-02-25 02:32:00 -
6:
メイ
教室に着くと真っ直ぐに窓際の自分の席に座り誰と話すでもなく窓の外へと視線を向ける。
サワサワと心地よい風が開け放たれた窓から彼女の髪を撫でる。
白い肌に染めてもいないのに少し赤みがかった髪。
外の景色を見つめるでもなく虚ろで寂しげな瞳は、パッチリとしている。
もてるであろうその容姿だったが誰とも打ち解けない彼女に近づくものは、誰一人いなかった。2006-02-25 02:40:00 -
7:
メイ
バーーーッン
勢いよく開けられたドアに振り向くでもなく皆が席に着く。始業時間の5分前にやってくる担任の乱暴なドアの開ける音はすっかりお馴染みとなり誰も驚く者はいなかった。
「おはよーー」
いつにも増して明るい担任の声が教室に響く。
ユリアの視線が一瞬教壇に立つ担任に向けられたが、次の瞬間にはまた視線は窓の外へと向けられていた。2006-02-25 02:47:00 -
8:
メイ
「おはよう!!」
突然声をかけられたユリアは一瞬驚き声の方へと振り向く。自分に向けられた無邪気な笑顔。
細いユリアとは逆にほどよくふっくらとした彼女はどうやら転校生らしかった。ユリアに突如話しかけた彼女にクラスがざわつく。それに気づきユリアは眉間に皺を寄せ顔を背けると机から一冊の本を取り出し読み始めた。
「ねぇ名前なんて言うの?あたしは愛希(アキ)。」
愛希の質問を無視し視線は本に向けられたままだったが、諦める様子もなく彼女はユリアをニコニコと見つめていた。2006-02-26 23:01:00 -
9:
メイ
最初は無視を続けていたユリアだったが毎日のようにまとわりつく愛希に、少しずつ口を聞くようになった。
「ユリアァおはよう!!」
彼女を見つけると嬉しそうに手を振る愛希に苦笑いを返すユリア。
「ユリア笑った可愛いのに…」
「えっ?」
突然の言葉に驚き愛希を見る。「愛希な、外見てる時のユリアの表情(カオ)好きなんだ?」
わけがわからず黙っていると愛希は言葉を続けた。2006-03-02 19:50:00 -
10:
メイ
「ユリア普段いっつも冷めた目してるやん?でも、窓の外向いてる時なふと吹く風に揺れる木見て、気持ちよさそうに飛ぶ鳥見て優しい顔してる。やのに、どこか寂しそう。なぁユリア…言いたくなかったら今は何も聞かない。けど何かあるんだったら、いつでも聞くよ?」
《寂しそう…誰が?…あたし?》
「……かんのっ」
「えっ?」2006-03-02 19:56:00