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「約束やで」
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1:
萌
私が小学3年生のころ、住み慣れた大阪の街から知らない場所へ引っ越す事になった。
「萌ちゃん引っ越すんー?」「萌ちゃん何処いっちゃうんー?」
と、仲の良かった友達は私にたくさんの質問をしてきた。
「場所はなぁ〜…忘れた!でもなぁ、きっと楽しい事いっぱいあるから、めっちゃ嬉しいねん☆」
私は思ってもない事を言葉に並べ、必死で笑顔を作った。
本当は悲しいのに
本当は不安なのに
本当は泣きたいのに
私は小さいながら、昔から本音を隠す子でした。
自分だけ我慢してれば親も友達も悲しまないだろう、そんなことを考える子でした。2006-02-26 15:50:00 -
33:
萌
更新すんの適当でゴメンやで??見てくれて有難う?
2006-03-02 16:33:00 -
34:
萌
《誰やろ・・・?》
私は、音が鳴る方向へ目を向けた。
遠目で分かった。紛れもなく、みっちゃんでした。
みっちゃんは私に気付いているのか気付いていないのか分からなかったけど、黙って私の隣りに座りだした。
ほんの少し“距離”をあけて。2006-03-02 16:37:00 -
35:
萌
1分…2分…10分。
沈黙が続いた。気まずいとゆうよりも、なぜか安心感の方が強かった。
萌『・・・この海、よく来るん?』
み『うん。』
みっちゃんは煙草を吸いながら、海の向こう側を見るように遠くを見ていた。その仕草が私にとって少しだけつらかった。また距離を感じさせられた気がして。2006-03-02 16:42:00 -
36:
萌
前に聞いたみっちゃんの言葉が、繰り返し胸に刺さる。
「もう俺の前に現れんな」
・・・じゃあ、目の前に居るのは誰?私ここに居たらアカンのちゃうん?2006-03-02 16:45:00 -
37:
萌
そのとき、足元にピンクの貝殻が落ちていた。桜みたいな綺麗な色。
私はそれを手にとった。
萌『綺麗やわ…懐かしい』
み『…やな。』
萌『覚えてるん??』
み『何を?』
萌『ピンク色の貝殻。』
み『おまえ、全然かわってないねんな。』
萌『…変わってないどころか、全然成長してへんよ。』
萌『今の萌は、みっちゃんと毎日居た頃と何1つ変わってないよ』2006-03-02 16:50:00 -
38:
萌
み『あぁ、そうなん』
みっちゃんと再会してから、冷たい表情しか見てない。今もそうだ。でも、目だけは昔を思い浮べるような目だった。2006-03-02 16:53:00 -
39:
萌
私は沈黙の間、色んな事を思い浮べた。みっちゃんとの思い出、公園の秘密基地。また会おうねって約束した事。でも今、みっちゃんは私との思い出も忘れきってるし私のことも、再会するまできっと忘れてたんやなって。そう思うと、しんどくてつらくて行き場のない気持ちが込み上げてくる。
2006-03-02 16:56:00 -
40:
名無しさん
???しおり???
2006-03-02 17:46:00 -
41:
萌
萌『連絡こんくなってからは、もしかしたらもう会えへんのちゃうかなって思ってた。私達が離れた数年間、何があったか萌に言ってよ全部…』
自然と涙が出てくる。みっちゃんの前でしか泣けない私が今ここで泣いてる理由は、目の前に居る人の事なんだと思うと言葉には出来ない孤独感に襲われる。2006-03-02 20:09:00 -
42:
萌
み『ごめんな』
みっちゃんは私を包むように抱き寄せてくれた。めっちゃ暖かかった。
みっちゃんは話してくれた。
親から、新学校に行ける事を期待されてたこと。必死で勉強してきたこと。父親の不倫、家庭内暴力。母親の不倫、ひどい鬱病。家庭がそんな中、親からは「家がこんな風になったのはお前のせいだ。お前の勉強が甘いせいだ。」と押しつけられてきたこと。
私とどこか似てるみっちゃんは、人に話せるはずもなく1人で抱え込んでいたのだろう…。
それから親は離婚をし、親権についてはお互い譲らなかったらしい。だけどみっちゃんの成績が下がっていくにつれて、親はみっちゃんを“よそ者扱い”のように接していた事。2006-03-02 20:17:00