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明日への後悔

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  • 1:

    柚子

    あの日、後悔をしたから今がある
    貴方も私も、あの日はもぅ無いけど今がある
    沢山の人に囲まれて思い出す過去はどれもこれも綺麗すぎて、悲しい
    後悔が明日へ繋がる様に、そう信じて悲しい過去を思い出してみる

    2006-01-29 00:24:00
  • 451:

    柚子

    「あっ、コレ…」
    その素振りで、自分が手に持っていた診断書を思い出して彼に差出した。
    「ああ、それゆなチャンのな!今度すば君が来たら、それ見せて『警察いくぞ!』ッテ言ってやりな?あの人結構ヤバいから(笑」
    ―私を守るって‥その事だったんだ…

    2006-02-10 11:10:00
  • 452:

    柚子

    そう分かった瞬間に、打ち消したはずの考えがまた浮かんだ

    ―もしもパパの言葉の様にるぅ君が私をスキだったら…?

    2006-02-10 11:10:00
  • 453:

    柚子

    目の前で「よかったね!」と笑うるぅ君。

    ―私はこの子にすごくひどい事をしているんじゃないんだろうか

    2006-02-10 11:11:00
  • 454:

    柚子

    彼に与えてもらった自由を、私はどうして誠汰朗に使えるの?
    私は自分でも知らない間に、他人を利用して生きていた。
    愛も恋も、るぅ君が独りぼっちで必死に探してきた大切な物をバカにしながら利用していた。
    そして今それに気付かせてくれたのはるぅ君なのに、私には何もあげられない。

    2006-02-10 11:13:00
  • 455:

    柚子

    一層の事、るぅ君を愛せばいいのだろうか…


    そう思った私はやっぱりまだずるい大人。

    2006-02-10 11:13:00
  • 456:

    柚子

    「あのさ…セイタローさんはゆなチャンにあんな事言っちゃってすごく後悔してるんだよ」
    何の前触れもなく突然るぅ君はそう言って、私はそれをただ呆然と聞いていた。

    「僕が…あみの事で問題起こして、そんで二人は仲良くなったんだよね?僕は…キューピットなんだよね?」

    2006-02-10 11:16:00
  • 457:

    柚子

    ―答えられなかった。
    息が、胸が、そして心が苦しくて。

    例えば小さく頷くだけで、私はきっとるぅ君を傷つけてしまうから。

    2006-02-10 11:18:00
  • 458:

    柚子

    そんな事を考えながら、手を持っていた診断書をただ見つめていた。

    その時隣のるぅ君が、小さく短い深呼吸をしたのが分かった

    2006-02-10 11:22:00
  • 459:

    柚子



    「できる事なら最後まで、僕は天使のままでいたい」

    2006-02-10 11:24:00
  • 460:

    柚子

    まだ人気のない待合室にるぅ君の声が響いて、その言葉が空気の中に溶けてしまうのをほんの少し待っていた私。
    「後悔するかもよ?私も誠汰朗も…るぅ君も…」
    そう言いながら彼から目が離せなかった。
    いつもの様に笑っているだけなのに私は…笑い返せなかったんだ。

    2006-02-10 11:25:00
  • 461:

    柚子

    「僕は…自分が産まれた事を後悔した日に、全部置いてきたんだ。あの日に僕は泣いたからもう…ずっと笑ってられる気がする」
    少しだけ曇った彼の笑顔がすぐそばにあって
    「今は?パパの事…嫌い?」
    同じように笑うるぅ君のパパを思い出した。

    2006-02-10 11:30:00
  • 462:

    柚子

    「昔は大嫌いで、とにかく反抗して家飛び出したけど…社会に出たら僕は、診断書の一枚すら書けなくて。ゆなチャンの怪我だって治してあげられない。
    今、それができるパパを今は尊敬してる。あんな風になりたいんだ」
    ―パパの愛はちゃんと龍君に届いてるんじゃん。
    走って行って、パパにそう伝えてあげたかった。

    2006-02-10 11:32:00
  • 463:

    柚子

    でもそれができなかったのは
    「…ゆなチャンを好きになって分かった事なんだけどね?」
    まるで何かのオマケみたいに付け足したその言葉が、私の腕を掴んだから。

    2006-02-10 11:33:00
  • 464:

    柚子

    ―最後まで僕は天使のままでいたい。
    私はその時、そう言ったるぅ君を思い出していた。

    例えこの子を悪魔に変えても、私が愛してあげれば救われるのかな。

    2006-02-10 11:35:00
  • 465:

    柚子

    だけどもう…分かってたよ。

    ―誰かに心を奪われたまんま、優しい腕の中で恋をしてもその優しさを傷つけるだけ。
    それはすばるが教えてくれた後悔

    2006-02-10 11:37:00
  • 466:

    柚子

    だからもう二度と…私や誠汰朗、それにるぅ君にだって後悔はさせたくなくて、
    「ごめん…でもッ、私ね…」
    ―誠汰朗に会いたいんだよ。
    そう言おうとした

    2006-02-10 11:39:00
  • 467:

    柚子


    「うん、頑張ってね!」

    何も言っていないはずなのわたしに、るぅ君はそう答えていた。

    2006-02-10 11:41:00
  • 468:

    柚子

    「いいから行きな?僕ね『ゆなチャンが今から行くからね!』って、メッチャ張り切ってセイタローさんに電話しといたんだから!きっと待ってくれてるよ!!」

    るぅ君はそう話しながら、病院の前に止まっていたタクシーに私を乗せた。
    タクシーの運転手に、誠汰朗の家の住所を伝える彼の心の中が、どんなに傷ついていたかは私には分からなかったけど

    2006-02-10 11:58:00
  • 469:

    柚子

    タクシーが動きだしたその時に
    「ありがとう」
    そう伝えたくてガラス越しに彼を振り返ったら
    手を振っていたるぅ君が、初めて泣きそうな顔をしていたのが見えたんだ

    2006-02-10 11:59:00
  • 470:

    ?

    ?

    2006-02-11 01:07:00
  • 471:

    らいむのしぉり?

    2006-02-11 02:02:00
  • 472:

    名無しさん

    ユズさんいつも読んでるよ?この話好き?頑張れ?

    2006-02-11 11:58:00
  • 473:

    柚子

    >>らいむサン
    しぉり?ぁりがとぅゴザィマス(*′艸`*)中傷なんかに負けず、ここにはマタしぉりつけて下さいね (*^ー^)ノ
    >>474サン
    ぁりがとぅござぃます ( ´∀`)るぅパパの暴走が止められず、一人あせってぉりました(;□;)好きだと言って頂けたらスゴク励みになります((*^∪^*))

    2006-02-11 12:25:00
  • 474:

    柚子

    ━少年のカタチ━
    ―これもいつか、消えてしまうのだろうか?
    ベットにゴロンと転がると、ほんのりゆなの匂いがしてそんな事を思った。
    よくある香水や、彼女の煙草の匂いなんかじゃなくて、いつも飲んでたカフェオレの匂い

    2006-02-11 12:28:00
  • 475:

    柚子

    忘れられない人が誰でも一人はいたりする。
    それが彼女にとってすばるで、俺にとってのゆな…。
    だけど彼女は忘れようとしてくれていて、俺を好きでいてくれて
    わかってる、だから…どうしようもなく孤独なんだ。

    2006-02-11 12:29:00
  • 476:

    柚子

    追い掛けられない俺に、深い後悔と毛布の波が押し寄せる
    ただゼロに戻してやりたかった。
    すばるにすがりつく前の彼女に戻してやりたかった。
    ―「俺ってワガママなのかな…」

    2006-02-11 12:30:00
  • 477:

    柚子

    グチャグチャの毛布の波に飲み込まれ、ミノ虫みたいになった俺が独り言を言った時
    テーブルの上の携帯が鳴った。
    ―ゆな?
    そんな事を思わなかった訳じゃない。

    2006-02-11 12:31:00
  • 478:

    柚子

    だってこの時の俺は、ベットからテーブルまでを歩いた記憶がないくらい、ものすごく緊張していたから。

    ―…よく掛けてこれたな、ホントに。
    ディスプレイを確認して、期待はずれの電波の主に呆れながらも通話ボタンを押した。

    2006-02-11 12:34:00
  • 479:

    柚子

    「今どこですか?」
    唐突にそう切り出したのはるぅで、何だか脱力と言うか、ホッとしたと言うか…俺はそんな気分で、テーブルの周りをクルクルと回っていた。
    コイツが悪い訳じゃない、俺の機嫌が悪いのは自分の決断力のなさのせいだ。
    でもちょっぴり八つ当り…

    2006-02-11 12:35:00
  • 480:

    柚子

    「いまぁ?家や!つーか、お前さぁ無欠、当欠、無断早退!ホント首になるよ?俺助けないからな!」
    まぁ正直コイツは、罰金が売り上げを越えてるらしいよ?
    そんなるぅは俺の説教なんて基本無視。
    自分の用件だけを適切に伝えてくる。

    2006-02-11 12:36:00
  • 481:

    柚子

    「少ししたら、ゆなちゃんそっち行きますから!」
    テーブルの周りをまだ回り続けていた俺の足は、その言葉で止まった。
    「少しって…お前等一緒なん?どこ!?」
    彼女との細い細い糸は、どーにかまだ繋がっている。そんな風に思った。

    2006-02-11 12:37:00
  • 482:

    柚子

    「気になるなら自分で追い掛けりゃぁ良かったんですよ」
    生意気なガキはそう言って笑った。
    「…で、何で?」
    しかしまぁ、もっともな話に少し弱気な俺がいた。

    2006-02-11 12:42:00
  • 483:

    柚子

    「僕が追い掛けたんですぅ。すば君とこに居るって大体分かってたし。だから助けて下さいよ、クビ…」
    「やっぱり…」
    助けるかどうかはこれからの話次第
    ―ゆなはアイツと何をしてたんだ。

    2006-02-11 12:43:00
  • 484:

    柚子

    「勝手に勘違いしないで下さいよ。ゆなチャンはすば君と話付けに行ったんです。結局殴られちゃって…」
    格好悪いのは承知の上で聞いてください。
    「ちゃってってお前助けろよ!」
    なんて男の情けない台詞

    2006-02-11 12:44:00
  • 485:

    柚子

    「助けましたよぉー。本気だせばチョロイもん」
    そう言ってるぅが、フンと鼻で笑ったのが電話越しにでも分かった。
    チョロイそいつに殴られた俺は救い様がない。
    「でぇー病院連れて来てぇー、終わったらぁ、セータローさんち送りまっす!だから俺のクビなしですやん?ねっ?」

    2006-02-11 12:48:00
  • 486:

    柚子

    そんなるぅのふざけた口調を聞いていたら、何だか必死な自分が馬鹿らしく思えてきた
    「努力しますよ…でゆなの怪我は?」
    「自分で確かめて下さい」
    相変わらずの笑っている声だった。

    2006-02-11 12:50:00
  • 487:

    柚子

    言っとくけど俺だって、るぅの気持ちには何となく気付いてた
    じゃなくちゃ、コイツの行動に説明がつかないじゃないか。
    だけどるぅはそんな素振りをちっとも見せたりしないからさ
    もしかしたら勘違いなのかな?…と何度となくそう思っていた訳よ

    2006-02-11 12:54:00
  • 488:

    柚子

    「僕はセイタローさん好きですよ?尊敬できるし…何よりその堅い頭が父親にそっくりで(笑」
    そう言って続ける

    「だから僕は…ゆなチャンを諦めますね」

    2006-02-11 12:55:00
  • 489:

    柚子

    ―そうなんだよな。
    るぅが何かと俺等に絡んでくるのは、ゆなが好きだったから…
    そう考えれば妙に納得できる奇行の数々…

    2006-02-11 12:57:00
  • 490:

    柚子

    いつ好きになったのか?とか
    どこが好きになったのか?とか
    そんな事までは俺にも分からないけど…でも…

    2006-02-11 13:02:00
  • 491:

    柚子

    るぅが朝に晩にこの街をウロウロしてるのは
    ―同じ街に住む誰かに、偶然会おうとしているからなのかな?
    ってそんな風に思って…「ゆなに会った」と俺に電話して来たあの日
    その誰かが『ゆな』だったんだと気付いた

    2006-02-11 13:04:00
  • 492:

    柚子

    でもさぁ…こんな情けない男に、ゆなを譲ってくれたんだよな?
    なぁ、俺はアイツを守れるのかな?
    お前みたいにケラケラ笑いながら、知らん顔で愛せるのかな?
    「なぁ、お前愛してるってカタチ…どんなのか知ってるか?」

    2006-02-11 13:06:00
  • 493:

    柚子

    考えがたまたま台詞になってしまった…と言った方が正しい。
    だけどるぅは知ってる気がしたんだ
    「はぁ…カタチですか?」
    ちょっと不思議そうに言葉を繰り返し、答えたるぅ

    2006-02-11 13:09:00
  • 494:

    柚子

    「そんなんないっしょ!あはは!カタチって(笑!!やっぱ考え方がヤバイよね?23にもなると、やたら哲学に走るんすかねぇー?いやーちょっと恐いなぁ、そんな大人。つーかハゲますよ?セータローさん…。カタチって(笑!!」
    そんなむごい回答が返ってきた。
    人生最大級の悩みを、生意気なガキに「ハゲる」だ「オッサン」だと笑い飛ばされ
    傷心+傷心=すごく傷心な俺

    2006-02-11 13:23:00
  • 495:

    柚子

    そんな傷心ボーイの俺ができる仕返しと言えば…
    まだ笑いが止まらないるぅに
    「クビになると今月の給料出ないらしいーよ」
    と負け惜しみを言って、一方的に電話を切ってやる事くらいだった

    2006-02-11 13:27:00
  • 496:

    柚子

    ―確かにね、心も言葉も愛にだってカタチなんてない。
    だから恐くて俺達は、ちっぽけな指輪や薄っぺらな紙切れで、それを型にはめていくんじゃないか
    小さな頃は友達も恋人も、言葉だけで繋がっていられたのに
    ゴメンナサイと言うだけで仲直りだって出来たのに

    2006-02-11 13:33:00
  • 497:

    柚子

    るぅはカッコよくも、賢くもない言葉で俺とゆなを繋いでゆく。
    愛なんかにしがみつかずに。
    自分なんかにしがみつがずに。
    アイツは小さい頃のまんま、生きているんだろうな

    2006-02-11 13:34:00
  • 498:

    名無しさん

    ?500柚子?

    2006-02-11 17:53:00
  • 499:

    名無しさん

    2006-02-11 18:56:00
  • 500:

    柚子

    俺はもう一度携帯を開き、代表に電話を掛けた。
    ―今日のるぅの早退は俺のにしといて下さい。

    それがるぅへの「ありがと」

    2006-02-11 19:04:00
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