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■春夏秋冬■

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  • 1:

    ■春■

    2006-01-04 05:48:00
  • 81:

    クラスの誰も、彼女のかぶった仮面に気付いていないだろう。
    私が気付いたのは、常に一緒にいるから。
    サナエは私を見ていても、本当は目には何も映っていない。
    大きめの黒目は、きっとサングラスみたいになっていて、すべてを一色に見ているに違いない。
    何が彼女をそぅさせたのか、興味があった。

    2006-01-18 03:04:00
  • 82:

    最初は好奇心だったが、今は、本当の自分を見せてくれない彼女が寂しくて仕方なかった。
    何が好きなの?
    話をしていても、頷くだけ。
    何が嫌いなの?
    何に対しても、私と同じリアクション。

    2006-01-18 03:07:00
  • 83:

    あまり踏み込んではいけないと、彼女の何かが私に告げる。
    でもね、私はサナエの引いた境界線を、超えて付き合っていきたい。
    友達になりたいんだよ。

    2006-01-18 03:12:00
  • 84:

    ☆☆☆☆☆

    2006-01-18 08:59:00
  • 85:

    ☆マークいつもありがとうございます。

    2006-01-18 19:54:00
  • 86:

    翌日、サナエは学校に来なかった。
    朝のHRが終わり、授業が始まっても連絡は無く、耐えかねた私は苦手な数学の時間にメールを打つ。
    送信した後、しばらく携帯を握り締めていたが返信は無かった。
    この間、席替えをしたばかりで、私は教室を見渡せるこの席はなかなかお気に入りだった。
    皆はノートをとるのに夢中で、頭が上がったり下がったり。

    2006-01-18 19:55:00
  • 87:

    教卓の前の、黒髪の彼もぴょこぴょこと動いていた。
    前過ぎて逆に黒板が見えにくいのか、時折体を右や左に振りながら首をのばす。
    ふふっ。
    その姿が何だか可笑しくて、退屈な授業のハズなのに、つい顔がゆるんでしまう。
    揺れる頭の真ん中、少し肌色のツムジが可愛らしい。

    2006-01-18 19:56:00
  • 88:

    自分のノートをとるのも忘れて、彼を見ていた。
    そぅいえば、ミハラ君とは、数える程度しか言葉を交わした事がない。
    彼は特別親しい友人はいないらしく、休み時間はいつも一人で静かに本を読んでいた。
    別に一人でも平気とでも言うような涼しい顔で。
    私だったら、そんなの耐えられない。

    2006-01-18 19:56:00
  • 89:

    現に、今日一日サナエがいないと考えるだけで寂しくて仕方がない。
    世渡りや、人付き合いは上手い方だと自負している。
    女の子特有の『仲良しグループ』にも、入ろうと思えばどこだって入れる。
    それは、私がそぅしているから。
    しかし彼はどうだろう。

    2006-01-18 19:57:00
  • 90:

    不器用というよりは、自ら望んで一人で居るようではないか。
    表面は合わせるサナエとはまた違った、徹底された『一人』だった。
    シャープペンの芯が折れた衝撃で、私はまた数学の授業に意識が戻った。
    ノートをとっていた数式は既に消されていて、新たに数字の羅列が増えている。
    例題が書かれているが、説明をまったく聞いていなかったので解くことも出来ずに取り残された。

    2006-01-18 19:58:00
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