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本命
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1:
羽梨
羽梨、現在?歳。
恋ゎいっぱぃしたけど、めちゃめちゃ手に入れたかったんゎ?人だけ。
手に入らんかったんゎあんただけ?
2006-01-12 12:50:00 -
131:
ガチャッ…バスルームからゴンちゃんが出てきた。裸にバスタオル…『さきチャン、ごめんね。』〈気持ち悪い…〉と、〈嘘やろ〉って気持ちでぐちゃぐちゃ。あんまり頭がまわれへん。…でも即座に思った――逃げな!――
『なんでこんなんするん?ゴンちゃん嘘やろ?』とりあえず、なだめた。気持ち悪いヶド、恐いヶド、体を守らな――…『さきチャンいつも俺のコト好きって言ってたよね?じゃぁいーでしょ?』一瞬あたしは漫画の中の世界にいる感覚になった。〈いーわけナイやろが!〉でもすぐ現実に戻る。
『嫌やで?』立とうとしたら力が入らんくてベットから落ちた。その瞬間ゴンちゃんが覆いかぶさってきた。拳に一瞬力が入ったヶド、殴れるわけもナイ…『マヂ嫌?離して?』叫んだ瞬間あたしに拳が飛んできた。《…ッタァ》2006-01-12 15:04:00 -
132:
半泣きになった。『何で嫌がるんだよ?嬉しいンだろ!なぁ!』…何この人…いつものゴンちゃじゃナイ、言葉使いも変わってる。あたしは恐くて黙ってしまった。『そうそう、イイ子だね…』ゴンちゃんがあたしの唇を触った。〈さわんな!!〉ココロの中で大声で叫んだ…ゴンちゃんは押さえ付けるよーなキスをしてきた。『やめ…ぅッ…んッ』〈―本気やめて…!〉
ゴンちゃんの唇がだんだん下にはい回る。首…胸…〈キモチワルイ…!!〉もはやこの人は"客のゴンちゃん"でも"男の人"でもなく、"ただの気持ち悪いオっさん"…太ももを触られた瞬間鳥肌が立って、あたしは全身の力を右足に込めた。
ドンッ―――!ゴンちゃんのあれを思いっきり蹴った。『ぁあ゛!!』悲痛な叫び声を出して体を離した。それを見た瞬間座ったままもぅ?発蹴りを入れた。『ぃだぁぁッ!!』―今のうちや!―あたしは縛られてる両手でそばにあった花瓶を掴んでバットを振るよーにゴンの股間にあてた。『ぐゎぁああ!!』声にならへん声を出しながらあれを押さえてのたうち回るゴン…2006-01-12 15:05:00 -
133:
あたしはとっさに割れた花瓶の欠片を掴んでゴンに向けた。『くんな…きたら切ってまうで。あたし本気やで!』手は震えてる…『ごめん!ごめんねさきチャン!』あそこを押さえなが謝るゴン…冷静なら笑える話。『謝ってすむ思てんのか!!』怒鳴ってる本人は足も震えてた…
ガクガクがとまらへん…『ほんとにごめん!許してさきチャン!ね!?ネ!?』ゴンはひざまづいて必死にあたしに謝ってる。〈恐い…。〉花瓶の欠片を持ったまま、カバンを必死で探して手に取った。『さきチャ…』『くんなっつってるやろ!』びっくりたあたしは持ってたガラスをゴンに投げた。頬に当たって、切れて血が出てる…
それをみて恐さMAXになったあたしは、今までで初めてくらい全力疾走した。両手は縛られたまま…ドアを開ける。―ガチャガチャッ―『くっ!』開いた!階段を?段飛ばしぐらいで掛けおりた。『ハァッ…ハァ!』頭痛いし息が切れそう、バランスがとられへんくてこけそーになりながら外に辿りついた。ドクン…ドク…心臓の音の早さもMAXのまま、ラブホ街を走った。2006-01-12 15:06:00 -
134:
街を歩くカップルがあたしを見てなんやらゆってた。あたしは気にせず走った。無我夢中で走った。ゴンは追ってきてはなかったけど、ひたすら走った。そしたら公衆トイレが見えた。
―バンッ―ガチャ!駆け込んで鍵をしめる。『ハァ、ハァ……。』〈もぅ、大丈夫やんな?追ってきてたりしんよな…〉しばらくして、あたしは力が抜けてトイレで座り込んだ…『こぁかったァ…ゥッ。』ホッとしたからか、涙が出てくる…『ぅぅ…きもいゴン〜…』
少し泣いた後、カバンからライターを出してあたしの手を縛ってるネクタイに火をつけよーと試みた。『あっつ!アッツ!ぅ゛ーッ…。』ちょっと無理がぁるみたい。ふと、胸元を見たら、さっきの出来事がかなりリアルに蘇ってきた…『キモチわるぅ…』立ち上がったら、鏡に見たくナイあたしが映った。2006-01-12 15:07:00 -
135:
化粧はボロボロ、つけまつげも半分とれて…笑 左頬は赤く腫れて、服ははだけ…紺色のネクタイが両手にまかれて、極めつけには、首に青〜いキスマーク…〈あたしは誰のモノでもナイ…。〉一瞬おかしくなって『ぁは!』と、?人トイレで笑ったあたし。さらにおかしい。おかしすぎて泣けてきた。色ンなコトを想いながら…
あたしはもぅ一度ライターを手にとって火をつけた。『ッー!!…』ボヮっとあたしの手に火が広がるのを見た。でもすぐに水を出して腕に流した。『何してンの…笑』両手がヒリヒリ、ジワジワしてなんともいえん痛さやった。〈何がしたいん、あたし…。〉
一瞬自分の手首にカッターを振りかざす香代チャンを思いだした。カバンから携帯を出す。〈誰か…。〉夢中で着暦開いた。2006-01-12 15:08:00 -
137:
?美羽?…接客してる姿が目に浮かんだ。『仕事中やもんなぁ…。』
?光チャン?…"彼女"とイチャ?してる姿がふいに浮かぶ…『ハァ?…』トイレの中はため息で充満?涙を拭いて、まつげをとって服を整えてトイレから出た。
変にあたしは冷静やった。『店の近くやん…。』店長から電話が鳴ったヶド、でよか迷ってたら切れた。恥ずかしい…下向いて、タク乗り場に歩く。〈とりあえず地元かえろ…〉家に帰る気も店に行く気もなかった。『ハァ??』何回目のため息やろぉ。。2006-01-12 15:10:00 -
138:
いつもは騒がしい駐車場。黒のワゴンの裏に隠れるよーに座った。ボーっとして、色ンなコトを想い返してた。入学した頃、神田くんとつきあってた頃、勇介と遊んでた頃、香代チャンの事件、仕事、光チャンとの出会いと別れ…色ンなコトがあったなぁ…。
久しぶりにボーっとした時間やった。あたしは基本誰かとおるねんいつも。誰かと喋ってるんが好き。だからこーゆーひとりのゆったりした時間がなかった。ひとりになったら、いらんコトまで考えるやんか。それが嫌いやった。
「いつになれば幸せになれる?」みんなゆーヶド、幸せなんか一瞬よな…とか、色々ディープに考えた結果、また泣いてしまった。2006-01-12 15:12:00 -
139:
??になる為に必死で笑って接客して、オっさんと外でまで会うよぅなあたし。しまいには犯されそーになって必死で逃げてきたあたし。そんな思いまでして金に蝕まれてるあたし。
そして、大好きな彼氏にフラレタあたし。それでも諦めきれんくて、「浮気相手」にまでなるあたし。またそれを悪いと思わへんあたし。ちっさいちっさい、アホみたいにへちょいあたし…。
あたしはこの時自分が『堕ちてる』コトを認めた。気付かんフリも、否定もしんどい…『あたし最悪やぁん…』こんな女のコト好きになる奴とかおるん?客ぐらいやわぁ…笑 世の中汚い、み〜んな病んでる。あたしはそう思って泣くのをヤメた。2006-01-12 15:13:00 -
140:
『何してンのぉ?』急に車の影から誰かきてびっくりして『え?』ってキョドったら『え?うりうりかぁ?』こっちに寄ってきた。『え?誰?』『俺やん!』しゃがんであたしの顔を覗き込んだ。『龍くん?』『うん?なぁしてん?オバケかおもたカラしゃべりかけよか迷ったわ!笑』
『ナイっすわ。笑』一言ゆってあたしは顔を伏せた。〈こんな顔恥ずかしいし…てか?人でこんなトコおってキショイ!〉自分に突っ込んだ。『どったん羽梨チャン??』『なんもナイっすぅ。』『泣いてんの?てか、?人なん?』〈?人やけど何か?笑〉心ん中で言い返したけど、実際言い訳が思いうかばへん……?
『龍くんこそ何してンすかぁ?』顔を伏せたまんまきいた。『俺?俺は車とりにきてん!さっきまでそこの吉牛ぉってんかぁ〜てか、羽梨チャンどしたんさ!』〈龍くん車もっててんやぁ…笑〉『買ったンすかぁ?』『うーん!てか、買わした!』『女っすか?恐いなぁ…笑』龍くんも神田くん的男なんやな…『てかどーしたんって!オマエ怪しすぎるで!笑』2006-01-12 15:14:00