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  • 1:

    ↓下記URLレスNo304の続きです
    こちらから読んでください。

    http://bbs.yoasobiweb.com//test/mread.cgi/yomimono/1124193696/-5

    2005-08-17 11:07:00
  • 101:

    夜の街を一人歩く‥
    キャッチにスカウトマン‥水商売の女の子に 客らしき人・・。
    行く当てもなく ただ一人歩いた。
     
    『瞳・・・!?』

    2005-08-17 13:14:00
  • 102:

    振り返らない・・・
    スタスタ歩く私。

    『瞳!!待って‥!』
    待たない‥

    2005-08-17 13:15:00
  • 103:

    どうして貴方はいつも私を見つけてくれるの‥?!
    こんなに沢山の人がいるのに・・・
    今まで偶然なんてなかったのに‥
    私がピンチの時に来てくれるのは いつも 大好きな人ではなく 貴方だね。。
    『ちょっと‥瞳ちゃん!どしたん?』

    2005-08-17 13:16:00
  • 104:

    腕をつかまれて 足を止められる。
    目に溜まる涙を必死に止めようとする‥
    『どこ行きよん?』
    『・・・別に‥』
    『何かあった?昨日電話したんやけど‥』

    2005-08-17 13:17:00
  • 105:

    知ってるよ‥。
    春が私を心配してくれて、電話をくれた事‥。
    でも今までみたいに
    【可愛い存在】の春じゃなくなってる事は 私が一番よく分かってるから‥
    今 私が春の気持ちに答えることは自分自身に負けたことになるから‥。

    2005-08-17 13:18:00
  • 106:

    『ごめん。寝てた‥』
    『そっか‥。ならいいけど・・・』
    『じゃ。又連絡するから』 
    冷たい言葉を残し 私は一人勝手に歩きだした。
    もう目に溢れる涙が限界だったから・・・ごめんね‥

    2005-08-17 13:19:00
  • 107:

    ごめんなさい‥。
    『うっ・・・一輝‥ぃ‥』 
    たった一日会ってないだけなのに‥
    一輝に会いたいよ・・・
    一輝に触りたいよぉ‥

    2005-08-17 13:21:00
  • 108:

    ねぇ 一輝・・・
    今もまだ美香といるの‥? 
    私‥
    泣いてるんだよ‥辛いんだよ・・・
    我慢してるんだよ‥

    2005-08-17 13:24:00
  • 109:

    早く私を抱き締めに来てよ‥。
    この声は あなたには 届かないのかな・・・
    周りを歩く人が ぼやけて見える。
    周りの人が不思議そうに
    私を見る・・・

    2005-08-17 13:24:00
  • 110:

    立っていられなくなって‥ 
    涙がとまらなくなって‥
    『か・・ずきっ‥』
    助けに来てよ‥
    『瞳、歩ける‥!?』

    2005-08-17 13:25:00
  • 111:

    道端に しゃがみこんだ 私の前に しゃがむ黒いスーツ姿の男。
    やっぱり私を見つけてくれるのは・・・
    助けてくれるのは・・・
    一輝じゃなかった。
    『・・歩けない…』

    2005-08-17 13:26:00
  • 112:

    『分かった!』
    そう言うと春は私の手を春の首の後ろに回した。
    私のカバンを手首にかけ 私の足を抱え 軽がると持ち上げた。
    『冗談!!歩けるから!』
    周りのみんなの視線が私たちに集中する‥

    2005-08-17 13:27:00
  • 113:

    沢山の人が行き交う中‥
    黒いスーツの男に抱き抱えられた私は 周りから見ればきっと・・・
    【ホストにはまった、馬鹿な女】に見えたに違いない 
    『春っ!!本間に歩けるから‥大丈夫。ごめんね!』
    『全然大丈夫ちゃうやん!道で座り込んで‥一人泣いて‥どこが大丈夫?』

    2005-08-17 13:28:00
  • 114:

    そんな優しくしないで‥
    困らせないで‥
    貴方を選べば私は‥
    世界で一番幸せになれるのにね・・・
    でも 私は 春に愛して貰えるほど 綺麗でも‥いい女でも ないから‥。

    2005-08-17 13:29:00
  • 115:

    『瞳?!』
    真っすぐな春の瞳‥
    春を拒む理由なんて 普通なら一つもない。。
    でも 私は普通じゃないから‥。
    一輝といれる事しか頭にないから‥。

    2005-08-17 13:31:00
  • 116:

    『何?!』
    なるべく春の目を見ないように下を向いてた‥
    『家、帰るの?』
     
    一輝のいない家‥

    2005-08-17 13:32:00
  • 117:

    一輝の帰りをひたすら待つ家・・・
     
    時間が過ぎるのがやたら遅くて‥
    時計の秒針がやたら大きくて‥
    何度も携帯に目をやる‥。

    2005-08-17 13:33:00
  • 118:

    そんな家には・・・
    カエリタクない・・。
    『帰らない‥。』
    『じゃ‥俺とどっか行く?』
    優しい 春‥。

    2005-08-17 13:34:00
  • 119:

    私・・・この優しい春の手を取っていいのかな‥
    仕事より私を優先してくれる優しい手を‥
    『行きたい所があるの‥』 
    私は ずっと私を抱えてくれていた春から するりと降りて 春の腕に自分の手を絡めた。

    2005-08-17 13:34:00
  • 120:

    『じゃイコ!!お姫さま!』 
    春が私の荷物に手をかける 
    『ありがと‥』
    私のバックは春の手に・・ 
    これで どこから見ても【ホストと馬鹿な客】の出来上がり・・・

    2005-08-17 13:35:00
  • 121:

    腕を絡め 楽しそうに歩いていく‥
    『こっち‥』
    『あっち‥』
    春を引っ張って 目的地まで急ぐ・・・

    2005-08-17 13:37:00
  • 122:

    春‥ごめんね。
    私はまだ‥一輝を完璧に裏切ることも‥
    春を完璧に愛する事も‥
    無理みたい・・・
    『ここっ?!』

    2005-08-17 13:38:00
  • 123:

    驚きながら春が私を覗き込むように見て 確認する。 
    『ここっ!!イコっ!今日はお願い聞いてくれるんでしょ?!』
    ビルに入りエレベーターに乗り込む。
    少し不機嫌そうな春‥

    2005-08-17 13:40:00
  • 124:

    『ごめんね‥』
    聞こえるか、聞こえないかぐらいの小さな声で ぼそっと呟いた。
    フロアーにつき エレベーターが開く。
    スッと差し出した自分の手 
    迷う事無く握ってくれた

    2005-08-17 13:41:00
  • 125:

    春の暖かい手・・。

    本当は恐かった‥
    この扉を開けて
    二人の姿が目に入る事が‥

    2005-08-17 13:43:00
  • 126:

    春が扉に手をかけた瞬間━ 
    春の手を握る 私の手に
    力が入ったのは自分でも分かった‥
    あの時みたい‥
    ミカに呼び出されて 一輝の店に来た時みたい。。

    2005-08-17 13:44:00
  • 127:

    足がすくんで‥動かなくて息が上手く出来なくて、手が震えていた あの時━
    あの時も助けてくれたのは ――春だった―――
    【いらっしゃいませっ!!】
    春に手を引かれ 店の中に入る。。
    目が 勝手に二人を探す‥

    2005-08-17 13:45:00
  • 128:

    ━━━━いない‥━━━
    少しの安心‥沢山の不安と嫉妬‥。
    店にはまだ そんなに多くのゲストはいなかった。
    『初めまして‥失礼します。。』
    知らないホストが私の席につく‥

    2005-08-17 13:46:00
  • 129:

    『えっ‥?!瞳さんですよねっ?』
    『・・・・えっ?』
    『あの‥この前五人で来てはった時に・・』
    ぁあ‥
    ミカとあきと皆で来たときについてた名前も知らない子ね・・・。

    2005-08-17 13:47:00
  • 130:

    『何で‥何で春斗なんですか??』
    確かに私の口座は一輝‥
    春と来たら不思議に思うだろう‥。
    ましてや同伴・・・
    『内緒!!』

    2005-08-17 13:48:00
  • 131:

    『ドンペリ持ってきて!』 
    名も知らないホストに言う‥。
    『えっ‥?いきなりすっか??』
    『早く!!』
    あおるように席を立たせる

    2005-08-17 13:49:00
  • 132:

    『瞳ちゃん何飲む?』
    何食わぬ顔で春が聞きにくる‥
    『ドンペリ言うたから‥』
    『えっ?!』
    普段から大きな春の目が 更に大きくなった。。

    2005-08-17 13:51:00
  • 133:

    『失礼します‥』
    スーツを着た男がシャンパングラス片手に席につく。 
    『ちょ、、瞳ちゃん‥』
    『もーいいやん。瞳が飲みたいねんもん。』

    2005-08-17 13:52:00
  • 134:

    『でも・・・』
    戸惑う春を無視してスーツの男は コルクを抜き 私のグラスに液体を注ぎ込む 
    『割り箸くれる?』
    私が告げると急いで 走り割り箸片手に戻ってくる。

    2005-08-17 13:54:00
  • 135:

    『春?!ドンペリは気にいらない?』
    立ち尽くす春に私は上目遣いで言う‥
    『いゃっ‥そんな訳じゃ・・・』
    『なら座って‥?!』
    私は自分の隣を手のひらでポンポンと叩く。

    2005-08-17 13:55:00
  • 136:

    ドンペリなんて本当は好きじゃない。。
    炭酸はキツイし‥美味しくないし。。
     
    ニコニコ笑顔なスーツ男。それと 正反対な春の顔‥

    2005-08-17 13:56:00
  • 137:

    三人が四人に‥
    四人が五人に・・・
    私の周りにはいつのまにか名前も知らないスーツの男が沢山いた。
    『そろそろ帰ろうかな‥』

    2005-08-17 13:57:00
  • 138:

    私が一声上げればスーツの男達は必死で私を口説く。 
    ただ一人私を帰そうとした男がいた。
    『もぉ十分やろ?!』
    不機嫌そうに春が私を覗き込む。。
    『お金はいいから帰ろう‥なっ?!』

    2005-08-17 13:58:00
  • 139:

    真っすぐ 私を見つめる春の目・・・
     
    『嫌っ!!まだ飲む!』
    小さな子供のように駄々をこねる。
    素直になれない私‥

    2005-08-17 13:59:00
  • 140:

    ごめんね・・・春。。
    私はやっぱり一輝を裏切れない。。
    どれ程 ムカツイても、悔しくても、泣く事ばかりでも やっぱり愛する人は ただ一人‥

    2005-08-17 14:01:00
  • 141:

    結局 私はラストまでの時間【ホストにはまる馬鹿な女】を演じ続けた。
    ここでは私は【お姫様】
    スーツの男達は【奴隷】
    私が一声放てば 気にいられようと必死で偽りの台詞を吐く奴隷達。

    2005-08-17 14:01:00
  • 142:

    大体の想像はつく。。
    現金ではなくカードに手をやる自分が急に虚しくなった。
    馬鹿みたい・・・

    2005-08-17 14:03:00
  • 143:

    申し訳なさそうに 春が伝票を持ってくる。
    一瞬だけ目を通してカードを渡す。
    『瞳さん、又俺と会ってくださいね』

    2005-08-17 14:04:00
  • 144:

    口々に似たような台詞を言う。
    私は作り物の笑顔で答える 
    私はあれから笑わなくなった‥
    というより笑い方を忘れてしまった。

    2005-08-17 14:05:00
  • 145:

    春が急いでこちらに戻ってきて私のカバンを持ち上げる。
    『ありがとう』
    春の腕に手を回してエレベーターに向かう。
    『瞳?!』

    2005-08-17 14:06:00
  • 146:

    何故かなんて分からない。店を出た途端 私の中で張り詰めていた何かが糸のように切れた‥
    流れるというより 落ちる涙・・・
    フロアーにポタポタと丸い円を作る。。

    2005-08-17 14:07:00
  • 147:

    『どないしたん?!』
    甘く囁きながら 私の肩を抱く春の胸に私は顔を埋め声を上げて泣いた。
    優しい春が側にいても考えてる事は一つ・・・
    店の扉が開くたび私は何度も目をやった。

    2005-08-17 14:08:00
  • 148:

    いくら お酒を飲んでも扉が開くたびに視線が動く。ゲームをしている最中も‥話をしている最中でも、
    明るくはない店内では 扉が開くたび 踊り場の光が差し込む。
    その度に私の視線は毎回 動く。。

    2005-08-17 14:08:00
  • 149:

    でも何度扉が開いても そこに最愛の人の姿はなかった。
    仕事優先の彼‥
    いつだって私は一番にはなれなかった。
    でも その彼が店を休んでまでしている事・・・

    2005-08-17 14:09:00
  • 150:

    『瞳ちゃん‥?』
    私の頭を子供をあやすように ゆっくり撫でる春‥
     
    『ごめん・・・』
    少し落ち着き下を向いたまま 少し頭を下げた。

    2005-08-17 14:10:00
  • 151:

    チュッ━・・・
    おでこに触れた唇‥
    迷う事無く上を向いた。
    一輝・・・ごめんね。

    2005-08-17 14:11:00
  • 152:

    何度も何度も春の唇が私の唇に触れ、温もりはそのまま私に伝わる。
    『・・・春斗っ‥』
    私の目を真っすぐ、でも優しく見つめる春‥

    2005-08-17 14:12:00
  • 153:

    『一緒にいて‥』
    我儘だって分かってる。
    無理だって頭では理解してる。
    でも それでも今の支えはそれしかなかった。
    私を一人にしないで・・・

    2005-08-17 14:14:00
  • 154:

    『本気?』
    少し驚きながらも 私をじっと見つめながら聞く。
    小さく頷いた私‥
    『分かった。行こ!』
    私の手を引きエレベーターに乗り込み ビルの外に出て手を挙げる春。

    2005-08-17 14:15:00
  • 155:

    一台の車が私たちの前に止まる。
    『瞳、乗って!!えーっと』行き先を説明する春。
    『急いで帰るから部屋で待ってて‥部屋は101やから。後これ・・・』

    2005-08-17 14:16:00
  • 156:

    手のひらに置かれたのは 千円札と家の鍵。
    『ごめんな。すぐ帰るから‥運転手さん、お願いしますね!』
    ドアが閉まると同時に春は走って店に戻って行った。『優しい彼氏さんですね・・・』
    気の良さそうな運転手の言葉も私の耳には殆ど届いてなかった。

    2005-08-17 14:17:00
  • 157:

    『つきましたよ。』
    車から降りてトボトボ部屋に向かう。
    ガチャ━・・
    渡された鍵を刺し右に回す
    この部屋に入れば私は一輝を裏切る事になる。。

    2005-08-17 14:18:00
  • 158:

    ドアノブに手をかけたまま頭の中を色んな事が回り巡る。
     
    今ならまだ戻れる‥
     
    私がこの部屋に入れば 一輝はきっと私を許しはしないだろう。

    2005-08-17 14:20:00
  • 159:

    コピペ休憩

    2005-08-17 14:22:00
  • 160:

    私を裏切った一輝‥
     
    それでも 愛情は薄れる事なく更に増しているような気がする。。
     
    会いたい・・・

    2005-08-17 17:55:00
  • 161:

    これは賭け・・・。
     
    恋愛なんて所詮ゲーム。
    私は誰かの次なんて嫌。 みかと私を天秤にかけた 一輝‥。
    最後のステージは あなたに宝箱を引かせてあげる。

    2005-08-17 17:56:00
  • 162:

    携帯を二度押す━・・・ 今でも消される事無く印されるマークは私の気持ちそのもの。。。
    それでも‥もぅこのゲームは長くやりすぎた。

    2005-08-17 17:57:00
  • 163:

    プルルルル‥プルルルル‥プルッ・・『ただ今、電話に出る事が出来ま‥』
     
    ━GAME OVER━
    『ハハハ‥』

    2005-08-17 17:58:00
  • 164:

    膝から落ち 泣き崩れた。分かっていたけど解っていなかった。。
    本当は自信があった。
    その自信だけを盾に私は戦ってきた‥。
    淋しいと口に出す事も‥ 不安を伝える事もせずに‥

    2005-08-17 17:59:00
  • 165:

    『ハハハ・・・何やってんだろ。。ハハ‥』
    言葉とは裏腹に 涙は次から次に溢れてくる。 『ハハ‥かず・・きぃ‥』何度も何度も携帯を握り締めた。
    カチカチとボタン押せば 満面の笑みの写真。。。

    2005-08-17 18:00:00
  • 166:

    その笑顔を独り占めしたくて、愛情を独り占めしたくて、私は一輝の彼女【瞳】という彼好みの【彼女】を作り上げていた筈だった。ビジネスと称した浮気も、お金の為と称したセックスも 全てを許したのは彼を失わない手段。。

    2005-08-17 18:01:00
  • 167:

    一生懸命 偽りの仮面を付け 【女優】になりきっていた‥筈だった。。
    いつだって何でも平気な 【フリ】をしてきた。
    声をあげて笑う事も 泣く事も 怒る事もない私は 彼にとって人形と同じだったのかも知れない。

    2005-08-17 18:02:00
  • 168:

    何がいけなかったのか‥
     みかより私の何が劣っているのだろうか‥
     
    聞きたいけど聞けない。。 
    私だってそんなに強くない・・・

    2005-08-17 18:03:00
  • 169:

    一輝が私をいらないと言えば 私はあっさり身を引く。。
    その気持ちは変わらない。最後くらい 格好良い女でいたいという私のちっぽけなプライド‥
    2番目なんていらない。。

    2005-08-17 18:04:00
  • 170:

    カチカチ━・・・
    メモリNO:1
    ?KAZUKI? ○90335∞∞∞∞∞ 『バイバイ・・・』
     
    ━削除しますか?━

    2005-08-17 18:06:00
  • 171:

    『かずきぃ・・・』
    中々押せないボタンは私の気持ち‥。
    『バイ・・バイ‥』
    液晶には涙が落ち 目から流れる液体を拭うこともせずに ただ中央のボタンを押した。

    2005-08-17 18:07:00
  • 172:

    ━削除しました━
     
     
    さよなら・・・
    初めて愛した人。。。

    2005-08-17 18:08:00
  • 173:

    『瞳?!』
     
    どのくらいの時間そこに いたのだろう‥
    ふと顔を上げるとスーツ姿の男が私の前に立っている 
    『何してるん?何で家の中入ってないん!?ってか何で泣いてるん?!』

    2005-08-17 18:09:00
  • 174:

    夜空は少しずつ明るくなり遠くの方からは鳥のさえずる声‥。
    『取り合えず家入ろっ!!』
    放心状態の私のカバンを持ち上げ私の脇の下に手を入れ彼は軽がると私を持ち上げた。
    バタン━━━・・

    2005-08-17 18:10:00
  • 175:

    部屋は綺麗に片付けられていて 余分な物は無かった。 
    黒で統一された部屋‥
     
    まるで私の心のよう。。

    2005-08-17 18:11:00
  • 176:

    『何かあった?!』
    春はスーツを脱ぎながら私の顔を覗き込む。。
    一生懸命 首を横に振る。 
    『そっか‥ならいいんやけど・・・ぁー疲れたわっ!瞳、風呂入る??』
    私はまたも首を横に振る。

    2005-08-17 18:12:00
  • 177:

    『じゃ俺入ろっ!!』
    腰を上げ 春が私の前を通ろうとした瞬間・・・
    バタっ━・・
    『一輝さんの事?』
    私の体をベッドに優しく寝かせ 目をじっと見つめながら言う。。

    2005-08-17 18:13:00
  • 178:

    優しい春の目が冷たく見えた。。
    みるみる内に目からは 涙が溢れ 声をあげずには居られなかった。

    2005-08-17 18:14:00
  • 179:

    『俺はどないしたらいいん?!』
    ベッドに座りなおし タバコに火をつけて遠くを見つめながら春が吐き捨てるように言った。
    ただただ 涙を流す私‥ もう戻れない幸せな時間‥想いばかりが募り後悔だけが私の心の中に残った。

    2005-08-17 18:15:00
  • 180:

    『ごめん。。』
    この言葉以外に春に対して言える事はなかった。
    優しい春に対して私は甘えてばかり・・・
    一輝と春。。
    本当にどちらも大切で どちらも好き。。

    2005-08-17 18:16:00
  • 181:

    一輝といる時は 春の優しさが嬉しくて‥
    一輝があけた隙間に上手に入ってきた春…
    幸せになれるのは 間違いなく春・・・
    心が揺れていたのは事実━

    2005-08-17 18:17:00
  • 182:

    一輝をいらないと何度も思った。。
    でも・・・会えないと思えば思うほど 会いたくてたまらない、、
    忘れようとすればする程 彼への気持ちは大きくなる。。
    一輝に会いたい‥

    2005-08-17 18:19:00
  • 183:

    『瞳?!帰りたかったら帰り‥』
    床に置いてある私のカバンを私の横に置きながら 春は腰を上げた。
    『俺、風呂入るから。帰るなら帰って‥俺だって男やし瞳に何かしてまうかもしれんし。。俺は瞳の事本気で好きやから・・・』

    2005-08-17 18:20:00
  • 184:

    バタン━・・・
     
    シャワーの音だけが響き渡る部屋で私は一人 左手を見つめながらタバコに火をつけた。
    『愛してる‥』
    『俺の一番は瞳‥』

    2005-08-17 18:21:00
  • 185:

    そう言いながら私の左手の薬指につけてくれた指輪は今でも外される事なく 私の指についたまま‥
     
    思い返すのは辛かった事ではなく ただただ楽しい思い出ばかり。。
    でも もう戻れない・・・

    2005-08-17 18:22:00
  • 186:

    『バイバイ‥一輝。』
     
    コトン・・・
     
    左手から指輪を外し テーブルの上に置いた。

    2005-08-17 18:23:00
  • 187:

    ソファーに座りテレビを付けた。芸能情報に天気予報、普通の日常。。
    頭は何度も二人の姿を想像する。終わったコト‥
    もう 後ろは向かない!! 
    バタン━・・

    2005-08-17 18:24:00
  • 188:

    風呂上がりの春と目が合う 
    『いても‥いい?』
    春の顔色を伺いながら 尋ねた。
    『当たり前やん。瞳も風呂入れば?!』
    笑顔な春の顔はいつもの可愛い春の顔だった。

    2005-08-17 18:25:00
  • 189:

    シャワーを浴び 思いっきり顔を洗った。。
    すべてを洗った。
    心の中も・・・
    『暑いぃ‥』
    ブカブカのTシャツに ダボダボのジャージを着て 頭にバスタオルを巻き 春の隣に座った。

    2005-08-17 18:26:00
  • 190:

    『飲む?!』
    目の前に出されたビール。『ありがとっ!』
    ゴクゴクと喉を鳴らしながら 殆どいっきに飲み干した。

    2005-08-17 18:27:00
  • 191:

    『早っ!!飲み過ぎやろっ!まだ飲む??』
    コクりと頷くと春は重い体を起こし冷蔵庫に行き ありったけのビールを持ってきてくれた。
    よくよく考えれば 男と女。飲まないといられない‥酒の力を借りるように 私は自ら酔うためにビールを飲み続けた。

    2005-08-17 18:28:00
  • 192:

    程よく酔った頃…
    体を起こしベットに横になった。
    『寝る?!』
    『うん‥』
    『じゃ瞳ベットで寝ーなっ!俺ここでいいから。』

    2005-08-17 18:28:00
  • 193:

    『えっ?!そんなん瞳がソファーで寝るから!春ベットで寝て!!』
    『そんな気ぃ使わなくていいから!早く寝なさい。』布団をかけてくれて トントンと母親が赤ちゃんを寝かしつけるように 春は私のお腹辺りをリズムよく叩いてくれた。

    2005-08-17 18:29:00
  • 194:

    ねぇ・・・一輝。。
     
    貴方を最低だと思っていた私だけど、、、
    私も貴方と同じくらい最低な女だね。。。
    やっぱり 私達は【最低な男に最低な女だね】

    2005-08-17 18:30:00
  • 195:

    春と過ごしながら 一輝を思い浮べてる。。
    淋しさを紛らわすために 春と時間を共有してる。。
    春に対して何も感情が無いなら割り切れる。。
    でも 春に対しても気持ちがあるから 余計に質が悪い。。。

    2005-08-17 18:31:00
  • 196:

    『春‥?!寝たぁ!?』
    天井を見つめながら ソファーで眠る春に小さな声で呟くように問い掛けた。
    『起きてるょ、、どしたん?寝れない??』
    体をこちらに向けながら私と目を合わす。。

    2005-08-17 18:32:00
  • 197:

    『寝れない‥。。そっち行ったらダメ??』
    自分が馬鹿な事を言ってるのは十分分かってる‥
    ソファーギリギリまで体を寄せて掛けてあるタオルケットを少し めくり 春が手招きをする。
    小さな子供のように タオルケットに潜り込み 春が置いてくれた腕の上に頭を置く、、

    2005-08-17 18:33:00
  • 198:

    もう片方の手も 私の肩を抱く。。
    心臓の音が聞こえるほど 抱き寄せられ ガラスを扱うように私に触れる 春が愛しくてたまらなかった。心音は私に 安らぎを‥
    私を抱く大きな手は 私に温もりを・・・

    2005-08-17 18:34:00
  • 199:

    十分過ぎる彼からの愛情。でも 心の中 隅々までが満たされる事はない。。
    彼を愛そうとする自分と 彼以外へ向こうとする気持ちの葛藤‥

    こんな中途半端な私が幸せになれるワケなんか ない。。

    2005-08-17 18:35:00
  • 200:

    狭いソファーに二人‥
    お互いの温度を確かめるように抱き合った。。
    でも 体を重ねる事は無かった。
    それは 彼が私を大事にしてくれてる証拠・・・
    でも 大切にされれば される程 自分が ひどく最低な女だと感じれずにはいられなかった。。

    2005-08-17 18:36:00
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