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She is Doctor

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  • 1:

    ◆9QVEJRNRIM

    あたしの親友の話です。
    そんなに長くはならないと思うので、読んで頂ければ光栄です(^-^)

    2006-06-03 00:38:00
  • 21:

    ◆9QVEJRNRIM

    何の説明もなく写真を撮られ、何の説明もないまま手術を受け、何の説明もなく帰らされた結果である。担当医のせい以外の何物でもないはずだ。
    電話で呼び出された担当医は、不機嫌そうに香奈ちゃんと母親に説明した。

    2006-06-03 01:30:00
  • 22:

    ◆9QVEJRNRIM

    「手術を行なったときに使った麻酔でなる方もおられるんですよ。香奈さんはその典型的なパターンやったんでしょうね。」
    実際、麻酔でなる人もいるらしい。だけど香奈ちゃんは絶対に違うはずだ。

    2006-06-03 01:32:00
  • 23:

    ◆9QVEJRNRIM

    不振がる母親に、続けて担当医は言った。
    「こちらに何も非はないんでねぇ…もう大丈夫なんで、ゆっくり休んでくださいとしか言えないですねぇ。」
    大学病院、しかも名の知れた医師から言われればもう何も言えない。信じるしかない。
    最後に、その担当医はカルテに視線を残したまま「お大事に。」と言った。

    2006-06-03 01:36:00
  • 24:

    ◆9QVEJRNRIM

    ――「“良い医者”ってなんやろうな。」
    その話を聞いた時、萌が言った。
    「偉くなるにはいくら患者さんを思ったって、いくら患者さんに慕われたって意味かない。論文。論文が全てや。」
    悲しい笑顔で萌が言った。

    2006-06-03 01:40:00
  • 25:

    ◆9QVEJRNRIM




    2006-06-03 01:42:00
  • 26:

    ◆9QVEJRNRIM

    ――老人ホーム――
    これはまだ病院で研修を受ける前、学校の授業の一貫として老人ホームを訪れた時の話。実際医学界とは関係ないのですが、あたしはすごく心射たれた話なので書くことにしました。

    2006-06-03 01:44:00
  • 27:

    ◆9QVEJRNRIM

    萌が4回生の時、授業の一貫として老人ホームを訪れた。そこの老人ホームは痴呆の方などが入居していて、萌が担当することになったのは痴呆がかなり進んだおじいちゃんだった。

    2006-06-03 01:46:00
  • 28:

    ◆9QVEJRNRIM

    そのおじいちゃんは、とても元から無口な人で痴呆もかなり進んでいるため、「まともにコミュニケーションとれないと思うよ。」と萌はホームの人に言われていた。
    萌はいっぱい考えてきた話のネタを話し掛けてみたが、返答が無かったりまともな返答が返ってこなかったり、やっぱりコミュニケーションはとれなかった。

    2006-06-03 01:51:00
  • 29:

    ◆9QVEJRNRIM

    夕方になり、もう帰る時間も近づいていた。その時、おじいちゃんが突然萌の目を見つめて言った。
    「タエちゃんか?…タエちゃんやな…」
    萌の頬に両手で触れ、おじいちゃんは泣きだした。

    2006-06-03 01:57:00
  • 30:

    ◆9QVEJRNRIM

    萌はびっくりして、動けなかった。泣いているおじいちゃんを見て、どうしたら良いのか分からなかった。
    ホームの人が飛んできて、萌に恐い顔をしながら事情を聞いてきた。ホームの人からしたら、滅多に話さないおじいちゃんが泣いているのを見て、萌が泣かせたと思ったんだろう。

    2006-06-03 02:00:00
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