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■しょっぱい男■
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1:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
今なら毎晩泣き腫らした目の理由もわかるのに…
2005-12-02 00:31:00 -
118:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
「章ちゃん!」まだ小3の裕太が俺を見付けテコテコと走って来る。裕太に手を引っ張られたこうちゃんも一緒にテコテコと走って来た。「おかえり章太クン」こうちゃんの大きな手が俺の頭を撫でた。少しくすぐったい。そういえば親父に頭撫でられたこととかあったっけ?
2006-01-03 06:21:00 -
119:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
家に帰るとお姉は化粧バリバリでちょうど出掛けるとこみたいやった。こうちゃんが「おかえり」って声かけても「あんたの家違うしな」と言って目も合わせようとしなかった。俺と裕太が気まずい空気の中立ち尽くしていると「章太まで味方かよ。うざッ」そう言ってヒールの音をカツカツ響かせながらお姉は出掛けて行った。
2006-01-03 06:31:00 -
120:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
そんな日々を過ごし気付けば俺は中2になっていた。いつも放課後遊んでいた公園へも行くことは無くなり俺等の楽しみはいつしか女の話とエロ本鑑賞で埋め尽くされていた。お姉はもう家を出て独り立ちしてた。宏明はおかまキャラに拍車がかかったりしてた。
2006-01-03 06:38:00 -
121:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
あの日俺は思った。男が涙なんか流したらあかんって。それやのに俺は未だに泣き虫なんやな…
2006-01-03 06:40:00 -
122:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
ふと足元を見るとこうちゃんの茶色い革靴とお姉のシルバーのミュール。お姉帰って来てたんや。あれ?今日金曜日やで?……………俺は暫らく固まったあと急いでリビングへ走った。金曜といえば親父の公休日やんか!こうちゃん何してんの?
2006-01-03 06:50:00 -
123:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
急いでリビングの扉を開けるとそこには異様な雰囲気と絵面があった。親父の隣にお姉がいてその向いにはおかんとこうちゃん。裕太は気まずそうにおかんの隣に寄り添っていた。「章太も座り。」低く響く親父の声が俺には震えているように聞こえた。
2006-01-03 06:55:00 -
124:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
俺はどこに座っていいのかわからなくてなんでかキッチンに座ってた。「お父さんとお母さん離婚することになったわ。」おかんが俯きながら俺に言う。「あ、そう…」本間は他にもっと言いたい事あった。なんでなん?今までなんとかやってきてたやん?こうちゃんのせい?でも俺はそう言うので精一杯やった。
2006-01-03 07:00:00 -
125:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
誰も何も話さない。否話せない状況だった。そんな沈黙を破るかのようにこうちゃんが立ち上がり親父に向って土下座した。「真弓さん(おかん)を僕にください!必ず幸せにします」1番驚いてるのは誰よりもおかんやったと思う。
2006-01-03 07:05:00 -
126:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
親父は黙って必死に頭を下げるこうちゃんを見ていた。おかんは困惑しながらこうちゃんを起き上がらせようとしていた。「こうちゃん?私こうちゃんとは結婚できやんよ…」そう言っておかんは泣いた。「なんで?!」こうちゃんはおかんに問い掛けてた。
2006-01-03 07:11:00 -
127:
涼 ◆5EJ71eKlNQ
「私には子供が3人いる。この子達は一生私の1番やねん。これは誰にも譲られへん場所。」おかんは泣きながら続ける。「2番はたけ(親父)や。別れるってなっても私らが愛し合って20年も寄り添って来たのは事実や。こうちゃんの事愛してるよ?でもやっぱり3番になってしまうわ。」俺の目は涙で滲んでた。
2006-01-03 07:16:00