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絆-Kizuna-
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1:
◎
頑張って書くので宜しくお願いしますm(__)m
2005-06-26 01:28:00 -
11:
◎
矢口さんは何も言わずに田村さんと私の横を通り過ぎ、トイレに入って行った。何故か気まずい雰囲気に田村さんは急ぎ足で個室に入った。
私も後を追うように席に戻った。
しばらくして矢口さんが戻ってきたが、私達のところだけ静かな時間が流れていく。何か、何か話さなきゃ。
「飲んでますかー?」
そんな言葉しか出てこなかった。
「うん。飲んでる。」
・・・うわー。最初と同じテンションに戻ってる。困った私をジッと見た矢口さんは
「俺はいいから田村さんと話してていいよ。疲れてるからもう帰るしさ。」
えっ?何で田村さんなの?2005-06-27 01:33:00 -
12:
◎
「何で?話すなら矢口さんも一緒に話しましょーよ。」
・・・また間があく。
「だったじゃん」
ボソッと聞こえた。
「何て言ったの?」
「田村さんといい感じだったじゃん」
一瞬ワケが分からずにいるとそれを聞いてた田村さんが
「こーたお前何言ってんの?さっきはゲームのネタ合わせしてただけだよ。」
と笑いながら言った。
私も矢口さんも二人してキョトンとしてると、あゆみが
「二人とも飲んでないよー飲まなきゃ!ほらほら飲んで!」
(パンパン)
鳴りやまない手拍子につられて私と矢口さんはお酒を一気飲みした。2005-06-27 01:43:00 -
13:
◎
いつもなら酔っ払ってもおかしくない飲み方なのに、何故か酔いも回らず張り詰めた緊張感だけが消えずに残ってる。
「勘違いしてたよ。田村さんのこと気に入ってんのかと思ってた。」
えー?そりゃないよ。この中じゃ断トツ・・・ううん違う、テレビで見てても矢口さんが一番好きだったし。
なんてそんなことは言えるはずもなくて。
「そんなことないですよー。矢口さんが一番カッコイイし!」
とりあえずそう言うと
「はいはい。お世辞はいーよ。俺が野球やってるからでしょ。錯覚してるだけだよ。」
でも少し照れ臭そう。2005-06-27 01:53:00 -
14:
◎
「まぁ確かにね。由里は今日までテレビでしか見たことなかったから。でも矢口さん実物も本当にカッコ良いからビックリした。」
お酒のせい?か照れてるせいか矢口さんは顔が真っ赤になり、またお酒をグイっと飲み干した。
「由里ちゃん彼氏はいるの?嘘はなしで」
彼氏・・・か。微妙なのがいる。彼氏じゃないけど元カレが。別れてまだ一ヶ月。今でも電話やメールがある。
「いないですよ。最近別れたばっかりで。」
「じゃー今フリー?番号聞いても大丈夫?」
えーーーーーーっ?
フリー?って番号って私の!?内心心臓バクバクで2005-06-27 02:07:00 -
15:
◎
自分の心臓の鼓動が体中に響いた。
「由里の番号ですか?あっあ、えっ、い、いいですよ。」
噛み噛みの私の言葉を聞いてハハッと笑った矢口さんはズボンのポケットから携帯を出して渡してきた。
「メルアドもオッケーなら入れてね。」
そんな声も聞こえなくなるぐらいに私の心臓はドキドキが止まらなかった。いつもは簡単に押せるアルファベットも番号も、この時ばかりは何回も間違えた。
ピッピッ
(電話帳登録完了)
やっと終わって携帯を渡すと矢口さんはまたポケットに携帯をしまった。
あ・・・番号聞かれただけだ。私は聞いてないよ。2005-06-27 02:17:00 -
16:
◎
かかってくる・・・わけないよね。こんなの野球選手なら日常茶飯事なんだろうなー。番号聞かれたぐらいでなに舞い上がってんだろ。
目さませ由里!自分で自分に言い聞かせた。
でもそのあと何を話したかよく覚えてないぐらい頭は真っ白だった。
時間がたっても変わらず盛り上がるビップ席。今日は本当に凄い一日だ。田村さんもあんなにバカみたいに踊ったり騒いでるけど、超一流な野球選手。
矢口さんも人気選手だし。世界の違う遠い人なのに今日は近くにいるなんて・・・。でもこんなに近くにいてもすごく遠い人なんだよね。2005-06-27 02:27:00 -
17:
◎
そう思うと急に距離を感じた。
(ブーブーブーブー)
あっ携帯だ。そっと見てみると知らないアドレスからのメールだった。
(俺もう帰るけどちょっと話さない?ちなみに隣のおっさんだけど)
んっ?隣のおっさん?・・・?矢口晃太!?
チラッと矢口さんを見ると指でシーって内緒サインを出した。
(話すって出て?大丈夫だけど)
メールを送信した。
またメールがきた。
(そうだよ。帰りはちゃんと送ってくからバー付き合ってよ)
それを見て私がまたメールを作ってると
「ムーン顔ださなきゃいけないから由里ちゃん借りてっていい?」2005-06-27 02:38:00 -
18:
◎
「一杯飲んですぐ戻ってくるからさ」
みんな盛り上がってるせいかあんまり聞いてない。
「おーい」
矢口さんがそう言うと
「オッケーオッケー。俺らカラオケ移るかもしれないからまた移ったら連絡するから。先に帰ったりすんなよー」
と田村さんが笑った。
そして私と矢口さんがビップを出ようとした時、あゆみがそっと近付いてきた。
「由里良かったね!矢口晃太めちゃくちゃ好きだったじゃん。頑張ってね!」
と小声で囁いた。2005-06-27 02:49:00 -
19:
?
???
2005-06-27 07:06:00 -
20:
◎
私は軽くあゆみとハイタッチしてバイバイしながら個室を出てお店をあとにした。
コツコツコツ・・・
ヒールの音が響く。
「それヒール何センチくらいあるの?」
「10センチだよ」
私がそう言うと矢口さんはまたニコニコ笑いながら私の頭をポンッと撫でた。
「マジ小っちぇー。俺184なんだよね。」
184かぁ・・・
「じゃー由里と27センチも違うんだー?」
「ってことは157ってことか。ヒール履いてても小さく感じるからぬいだらもっと小さいんだよね。」
不思議そうに私を見る矢口さん。2005-06-27 12:30:00