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絆-Kizuna-
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1:
◎
頑張って書くので宜しくお願いしますm(__)m
2005-06-26 01:28:00 -
31:
◎
何よりもうすでにかなり飲んでるし。ずっとメニューとにらめっこしてると
「んーじゃあ俺はビールで、あとこの子っぽいカクテル作って」
バーテンさんはコクコクと小さく頷いて私の顔を見ると
「彼女お名前は?」
名前?何でだろ?
「由里です。初めまして。」
「由里ちゃんか。俺は伊藤健太。よろしくね。」
伊藤さんはシェーカーを振りながらペコッと会釈をしてくれた。
「はい!出来上がりー!前ごめんねー」
そう言うと伊藤さんは私の前に可愛いピンク色をしたカクテルを出してくれた。「由里ちゃんスペシャル!どお?」2005-06-27 17:21:00 -
32:
◎
お店の扉が開き、男の子達四人組のお客さんが入ってきた。
「晃太ごめんまた後でな、由里ちゃんもゆっくりしてってね」
そう言うと健にいは、奥にあるダーツでその四人の人達と遊び始めた。
「ちゃん?」
「えっ?ごめんなさいぼーっとしてた。」
「さっき何でいなくなったの?」
どうしよう・・・
「いや、ただはぐれちゃっただけですよ。」
とっさにそう言った。
「信号でひっかかた時さ、わざと離れたよね?道路の向こうに渡ってく由里ちゃん見えたんだ」
見えてたんだ・・・
「私なんかといて勘違いされたら恥ずかしいでしょ。」2005-06-27 17:50:00 -
33:
◎
「矢口さん有名人だしね。さっき女の子達にジロジロ見られたから勘違いされたら困るかと思ったの。」
少しムッとした顔をした矢口さんは大きく溜め息をはいた。
「別に俺が誰といようが周りには何も関係ないと思う。由里ちゃんが迷惑に思ったなら仕方ないけどさ。俺は由里ちゃんを誘ったんだよ?みんなさ、野球選手だからって色メガネで見てるんだよ」
矢口さんは吐き捨てるようにそう言った。
「由里ちゃんは今日ずっと普通に接してくれたじゃん。近付いてくる女はみんな野球選手ってブランドみたいなもんに目くらんでるやつばっかだからね。」2005-06-27 18:03:00 -
34:
◎
「それにさっきの飲み会もわざと俺らのこと内緒にしてもらってたんだ。今まで野球につられて来るような子ばかりだったから」
そうだったんだ・・・
「由里ちゃんはどうして今日俺と飲み直してくれたの?」
どうしてって・・・
私だって分かんないよ。でも私もそのへんの子と変わらないのかも。色メガネで見てたのかな?
ただ今日は田村さんに矢口さんが元気ないのはコーチに怒られたからだって聞いてたから・・・。
「矢口さん元気なかったから。ちょっとでも気分転換になればいいかなと思って。」2005-06-27 18:19:00 -
35:
名無しさん
楽しい(^^ゞ続き待ってます
2005-06-27 20:08:00 -
36:
◎
「元気ないかぁー。ちょっと成績のこととかで色々あったからさ。初めて会ったのに気使わせちゃったりしてごめん。」
「由里は大丈夫ですよ。今日は美味しいもの食べて楽しいお酒が飲めたし。矢口さんと会えたのも嬉しかったです。」
それから私達は間にあった壁がなくなったかのように他愛もない話しをした。
トイレに立った私は多少の化粧を直してカウンターに戻ると健にいが戻ってきていた。
「明日は休み?移動とかあるの?」
そんな声が聞こえる。
「休みだけどスケジュールぎっしり。疲れも取れる暇ないよー。明後日はこっちだし楽だけど」2005-06-27 21:06:00 -
37:
◎
矢口さんも大変なんだなぁ。ただ熱い華やかなだけの世界でもないんだね。
「そういや由里ちゃんってどこの子?仕事何やってんの?」
ドキッ・・・
嫌な話振ってくるなぁまた。
「えっ!?お前まさかナンパ?」
すかさず健にいが突っ込んだ。私と矢口さんは顔を見合わせ思わず笑った。目尻にできるシワ。優しい目。本当に矢口さんは子供みたいな顔して笑う。
やばいなぁこんな顔されちゃうと。
「実家は千葉です。今は六本木の近くで一人暮らしですけど。」
「水商売とか?」
健にいが冗談ぽく言った。図星だ。
「そうですよ。」2005-06-27 21:34:00 -
38:
◎
一番驚いてたのは矢口さんだった。口があいたまま。
私は隠すつもりはなかった。聞かれたら答えるつもりでいた。でも今日ばかりは言わなきゃ良かったと後悔した。
「引いた?」
私が聞くと矢口さんは
「そんなことないよ。意外だっただけ」
意外・・・か。
「だから落ち着いてるように見えたのかな」
健にいは顔色を変えることなく私を見て言った。落ち着いてる?そうかもしれないなぁ。色々ありすぎたからね。
ってもう4時だ。
時計を見た私を見て矢口さんは気にしたのか
「そろそろ帰ろっか。チェックして。」2005-06-27 21:44:00 -
39:
◎
会計も終わり店の外まで健にいがお見送りをしてくれた。
「由里ちゃんまたおいでね。一人でもいいし晃太とでもね。あ晃太より可愛い友達と来てくれたほうが大歓迎!」
そう言いながら健にいはタクシーを拾いに行ってくれた。
「由里ちゃーん」
手招きする健にいのタクシーに乗り込んだ。
「今日はごちそうさまでした。矢口さんも健にいもありがと。おやすみなさい。」
矢口さんは慌てた顔。
「送ってくよ。回ってけばついでだし。」
私は何故か
「ここで大丈夫です」
と言った。
そんな私と矢口さんのやりとりを見た健にいは2005-06-27 22:13:00 -
40:
◎
「俺店戻るよ。じゃまた来いな」
そう言うとゆっくりとMOONに帰っていった。
「本当に大丈夫だから。ありがとうございました」
私が矢口さんに言うと、困った顔で
「分かった。遅くまでごめんね。じゃ運転手さんこれでお願いします。」
そう言うと運転手さんに一万円札を渡した。
「ちょっ、と。いいよ。ちゃんとあるから」
って言ったのに矢口さんは閉めて閉めてと運転手に合図した。
ドアが閉まりタクシーは走りだす。何か悪いことしちゃったかな・・・でも仕方ないよね。もう会うこともないだろ。
水商売って聞いてビックリしてたし。2005-06-27 22:32:00