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絆-Kizuna-

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  • 1:

    頑張って書くので宜しくお願いしますm(__)m

    2005-06-26 01:28:00
  • 51:

    英二がホストになって約二年。半年でナンバーワンになり、それ以来ほとんどナンバーワンをキープしている。
    お金も数えるのが大変なくらい手にするようになった。硬派だった男も女遊びも覚えると変わっていく。
    女相手に仕事をしているせいもあり、女の扱いも手慣れたものになった。
    仕事だ。仕方ない。同業だし仕事の理解はせざるを得なかった。
    でも女の勘は鋭いもので、何かある時は証拠なんてなくてもすぐに分かってしまうものだった。

    2005-06-28 00:46:00
  • 52:

    見たこともない女が今私が働いてる店に乗り込んできたこともある。
    英二と別れようと決めた一つのきっかけにもなった。英二は歌舞伎町、私は六本木。別の街でも噂は噂を大きくしたんだろう。
    酔っ払った品の悪い女が大声を張り上げながら入ってきた。
    「ゆかり(私の源氏名)ってどいつ?指名するからつけて。金ならあるから」
    見慣れない顔、女一人の客。店内にいた誰もがすぐに悟ったはずだ。トラブルかって。
    私の指名客も二組来ていたが、まずい話が漏れても嫌なので念のため会計チェックして帰ってもらった。

    2005-06-28 00:55:00
  • 53:

    私は少しイライラしていた。英二のことだと分かりきっていたからだ。マネージャーに頼んで女性客禁止ですと言ってもらい帰ってもらうこともできたが、仕事中に来る=ホステス潰しなわけで。
    ちょっと頭冷やさせようかなって半分楽しんでいたのかも。ラストも近くなってきて客席もポツポツだったからちょうど良かった。
    「失礼します。ご指名ありがとうございますゆかりです。」
    名刺を差し出した。
    私の名刺を手に取った女も名刺を切ってきたので受け取った。
    (なつき。歌舞伎町かー。もろ英二だよ)
    予感は的中した。

    2005-06-28 01:08:00
  • 54:

    煙草をフッと吹きながら私をジッと見る。
    「あんたさー、英二の女?」
    なにこいつ。年増ホステスみたいな顔して。
    「お答えする理由はないと思いますが」
    私は即答で答えた。
    なつきは大きな声で
    「私は英二の女なの。でもあんたが彼女だって噂が絶えないから迷惑してんのよ分かる?」
    私も性格の悪い女だ。思わずクスッと鼻で笑ってしまった。
    「なに笑ってんだよ!なめてんのか」
    声はより一層大きく響いた。店内の客はラストを迎え帰っていく。
    このなつきって女、同業なのに水商売のルール全然分かってないなぁ。掟破りだよ全く・・・

    2005-06-28 01:21:00
  • 55:

    「で?何?用はそれだけ?帰りたいから早くしてくんないかな?」
    煽るように言うと
    「だから英二の女なのかって聞いてんの」
    あー疲れる。ほんとこの手の女はだるい。
    「知らないよ誰それ」
    私は知らないふりをした。でも女はそれでもしつこく話を続ける。
    「嘘つかないでよ。調べたんだから」
    調べた?マジで痛すぎるよこの女。
    「だったらなに?」
    イライラしてきた私は思わず口走った。
    「英二と別れてよ。」
    泣きそうな顔だ。
    「はいはい分かった分かった。だから帰ってくんない?店終わりなんだよね。」

    2005-06-28 01:45:00
  • 56:

    それだけ言って私は席を立ちあの女が店を出たらボーイに塩をまいておくよう頼んでロッカールームに引き上げた。
    そして着替え終わるとそのまま英二の家に行った。ぼーっとしたまま考えてた。客だし我慢しよーかって。年増ホステスはタチが悪いからって。
    でも我慢する必要なんてないんだ。ずっと我慢はしてきた。何でも笑って許してきた。
    今日のことも英二は悪いわけじゃない。でも元をたどれば英二が原因。店に潰しいれられて我慢できるほどいい女じゃないし私。

    2005-06-28 01:57:00
  • 57:

    一人で黙々とそんなことを考えながら携帯を手にした。
    「もしもしー。ゆかりです。ちょっと潰してほしいホステスが歌舞伎町にいるんだけど」
    私が電話をかけた相手は夜の世界で働く者なら一度は名前を聞いたことがあるだろう。黒木さんという人だ。
    夜の街を取り仕切るドンみたいなものだ。黒木さんは私が17の頃からの付き合いで、指名客でもある。ずっと娘のように可愛がってもらってる。
    英二の働く店を決めてくれたのも黒木さんだった。父親のいない私にとってはお父さんのようなものだ。

    2005-06-28 02:08:00
  • 58:

    (どこの店の誰だ?)
    「えっと歌舞伎町の・・・」
    (ん分かった。どうする?出すか)
    私は少し考えた。
    「うーんそうだね」
    (おー分かった)
    そして電話を切った。やりすぎたかな?と少し悩んだが、これで夜の世界のルールも分かるだろう。
    出すってゆうのは23区内から出すということだ。歌舞伎町の店はクビ、勿論六本木や渋谷、神楽坂や銀座、池袋でも働けない。
    だいたい二年は無理だろう。写真や履歴データは全てまかれる。レッドホステスのレッテルが貼られ、雇う店が危険だからだ。

    2005-06-28 02:23:00
  • 59:

    そして私は自分の洋服や化粧品、小物やカバンなども全部整理し近くのコンビニで買ってきたいくつかの紙袋の中につめれるだけ詰め込んだ。
    タクシーを呼び部屋を出た私は鍵を閉め、ドアのポストにカチャンと鍵を落とした。合鍵はもう必要なかったからだ。
    両手いっぱいの荷物を抱えタクシーに乗った私は自宅へと帰った。
    もう疲れた。疲れすぎてたのだ。英二とはもう終わりだな・・・昔は楽しかったのに。家についた私は荷物を片付けることなく横になりウトウト眠っていた。

    2005-06-28 02:34:00
  • 60:

    名無しさん

    しおり

    2005-06-28 02:42:00
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