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絆-Kizuna-

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  • 1:

    頑張って書くので宜しくお願いしますm(__)m

    2005-06-26 01:28:00
  • 663:

    それから一日、二日・・・と経ちついに金曜日を迎えた。お昼過ぎに目を覚まして頭は戦闘モード。今日はラストだし同伴もいれなかった。四時には六年通い続けた六本木に出た。
    通い慣れた美容院でセットをしてもらっていると、もう今日で終わりなんだなって少し寂しくなった。ずっと担当してくれてたスタイリストさんと店長さんからもお店を出る時に花束を貰って早くも泣きそうになったりして。
    お店までいつも足早に歩いてた道のりを今日はゆっくり歩いた。私はここで育ててもらったんだな、なんて考えたりして。

    2005-08-23 01:12:00
  • 664:

    お店に着くとスタッフやマネージャー達が慌ただしくしていた。お花も次々に運ばれてくる。シャンパンも見たことないぐらいの数が用意されてた。
    「おはよー」
    私がそう言うと、まだ女の子達がいない店内で、男子スタッフ達が周りに集まってきてみんなからそれぞれプレゼントを渡された。
    「帰ってから開けて」
    って。まだ若い二十歳のボーイは泣きそうになってた。いい黒服達に囲まれて仕事してきたなぁ。しみじみそう思った。

    2005-08-23 01:19:00
  • 665:

    いつものロッカールームで着替え、いつものメイク台に座り、ぼーっと鏡を眺めた。やっぱり辞めたくないの?って自分に問い掛けるように。
    もうすぐ始まるラストを受け入れたくない、そんなことまで考えてしまったり。自分で決めたことなのに。情けないねホントに。
    来客予定も埋まってるってゆうのに。そんなことを一人で考えているとロッカールームのドアが開いた。
    「おっはよー♪アタシ一番乗りだよね?っていうか元気ないじゃん?」
    「うん・・・ちょっとね。ついに終わりだなぁって思うと寂しくなっちゃってさ」

    2005-08-23 01:26:00
  • 666:

    今日はやけに女の子が多すぎるなぁと思っていたら在籍してる女の子は全員出勤だった。頼んだわけじゃなかったけど、みんな来てくれたみたいで少し嬉しかったりした。
    「今日はヘルプ死ぬ気で頑張ります!」
    みんなそう言ってくれた。私のお客さんを引き継いでもらいたいホステスを何人か決めていたけど、もうこの際だし誰が引き継いでくれてもいいやって思えた。
    あまりお店では特別みんなと仲が良かったわけじゃなかった。壁があるとかNo.1でツンツンしてるとかそういうこと聞いたりもしてたり。でももうそんなことはいい。頑張ろう。

    2005-08-23 01:53:00
  • 667:

    そして8時−オープン−に。開店と同時に三組が入ってきた。今日はテーブルチェンジも好きに動いていいと代表やマネージャーが言ってくれたから私は順番に挨拶して回った。
    開店早々シャンパンが次々におりる。それからも来客はどんどん増え、絶対来れないと言っていたお客さんまでもが薔薇を片手に顔を出しに来てくれた。
    あっという間にほぼ満席に。お花もどんどん増えていき、お酒もどんどんおりる。

    2005-08-23 01:58:00
  • 668:

    慌ただしく席を周っていても、お客さんの顔をしっかり心に焼き付けた。最後までバカなこと言って笑ってるけど、感謝の言葉が尽きない。私はこの人達のおかげでここまでやってこれたんだ・・・。
    「お前が夜上がるなんて思ってもみなかったよ。五年もずっと飲みに来てたしなぁ。六本木に来ても寂しくなるよ」
    「もういつもの爆笑トークできないんだね」
    「生意気だけどゆかりと飲んでる時が一番楽しかった」

    2005-08-23 02:05:00
  • 669:

    たくさんの言葉を聞くたびに、私の目は何度も潤んだ。何度も涙が出そうになった。最後まで泣かない、今日は最後のお客さんを送り出すまで絶対に泣かないって決めてるのに。
    慌ただしい店内とは真逆に私の表情は曇ってしまっていた。泣きそうになるたび席を移動してテンションを上げた。
    送りだしが終わればまた次々にお客さんが入ってくる。11時を過ぎた頃にはお店の待ちルームにお客さんが並んでしまっていた。
    それから代表に呼ばれ、お客さんかなり来てるから2時間セットでチェックにしようと言われた。私は嫌だったけど待ってくれている

    2005-08-23 02:12:00
  • 670:

    お客さんのためにも渋々オッケーした。それからテーブル周り、送りだし、出迎え、テーブル周り・・・シャンパンが何本おりたかも分からないくらいになっていた。
    でも人って不思議だね。なぜだかいつもみたいに酔わないの。本当ならシャンパンまみれだとベロンベロンになってるのに。本能がそうさせてるのかな?

    2005-08-23 02:15:00
  • 671:

    それからもずっとテーブルを回り続けた。1時を過ぎると同業者が一斉に来てくれた。たくさんのキャバの代表さん、ホストの代表さん達、黒木さんも。
    でも少しびっくりしたことがあった。黒木さんが一緒に来たのは英二だったから。何で?大阪なはずじゃなかったの?私は少し頭がいっぱいになっていた。
    「黒木さんお花ありがと。っていうか何で一緒なの?」
    やっと席に着けた時、私はまずそう話した。
    「いや、昨日な俺が電話で由里のラストの話したら今日急に来たんだよ」

    2005-08-23 02:23:00
  • 672:

    「え?し、仕事は?」
    「あー明日から土日休みだからさ。今日最終の新幹線間に合ったから来たんだ。ラストって聞いてビビったよ。っつーか変わんないなぁ由里。まぁ短期間で変わるわけないか」
    そう言って笑った英二も変わらないままだった。でもちょっと落ち着いた感じがした。髪も短くなってるしホスト時代のチャラチャラさがなくなった。
    ぱりっとしてる。まぁあのまんま社会人になれるわけがないか。でも元気そうで良かった。黒木さんも久しぶりにニコニコ顔だしやっぱり英二が可愛いんだろうな・・・

    2005-08-23 02:28:00
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