小説掲示板永遠の片思い。のスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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永遠の片思い。

• 1:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  素直になりたかった。
  今でも思うねん。

  2006-01-12 02:13:00
• 2:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  気づいたらもう中学３年生。一通り勉強もやったし、恋もした。悪いこともやったと思う。後の中学の残りって言ったらもう受験しかないなぁ。
  

  2006-01-12 02:25:00
• 3:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  そんなこと思いながら、いつも通りの遅刻で学校に向かった。
  今日は始業式やから、出なくても問題は無いやろうけど中学校生活最後のクラス替えは気になる。

  2006-01-12 02:29:00
• 4:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  チャリを漕いでガムを噛みながら道を通ってたら、前で必死で走ってる子が見える。
  親友の舞や。こんな時間に珍しい。さよ「まいー！！おはよう！！」

  2006-01-12 02:36:00
• 5:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  舞「おはよう！！昨日ゲームやり過ぎて寝坊したわぁ」
  さよ「後ろのりぃやー」
  真面目やのにいつもどこか抜けてる親友は学年で一番頭が良かった。

  2006-01-12 02:39:00
• 6:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  舞「なぁなぁ、うちら、今年同じクラスやねんで！！」
  さよ「うそーー？！マジで？ってゆうか何で知ってんの？！」
  舞「昨日顧問に用事あって職員室行ってんかーそしたら誰の机か知らんけどクラス替えの発表の紙おいてあってん！！」

  2006-01-12 02:43:00
• 7:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  さよ「昨日もクラブあったん？大変やなぁ、テニス部のエースは…」
  舞「そんなんどーでもええやん！！ってゆうか小４以来やなぁ…同じクラス！！」
  舞はあたしと同じクラスがそんなに嬉しいんか、朝からメチャハイテンションやった。
  …ちょっとそれが嬉しかったんを今でもはっきり覚えてる。

  2006-01-12 02:48:00
• 8:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  チャリを学校近くのマンションに留めた。
  校庭では校長先生が台の上に立って喋ってはる。
  そーっと正門をくぐろうと思ったら生活指導の先生がおった。

  2006-01-12 02:51:00
• 9:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  生活指導「お前ら始業式から遅刻かーー今日は見逃したるしこれ見てはよ並べ」
  と言ってクラス替えの書いてる紙をくれた。
  舞「これこれ、昨日これ見てん！ほら一緒！２組やてー」

  2006-01-12 02:54:00
• 10:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  さよ「ほんまや！！学年トップと一緒やからテストはカンニングさせてもらおかな」
  舞「あほか。笑」
  
  そんな話をしてる間に始業式は終わった。
  うちらは久しぶりに会う友達に適当に挨拶して教室に向かった。

  2006-01-12 02:57:00
• 11:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  出席番号順に座れ。教室に入ったら黒板にそう書いてあった。
  右隣は…舞やった。さよ「神様がカンニングしなさいってゆうとる」
  舞「頼むから止めてくれ」さよ「あはは」

  2006-01-12 03:01:00
• 12:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  左は……
  
  誰やろ？？こんな男の子学年におったかな？？舞に聞いてみた。
  さよ「さよの隣の子って元何組の子？」

  2006-01-12 03:03:00
• 13:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  舞「しらん。転校生ちゃう？」
  クラス替えの紙を見た。あたしの丁度７人目の男…
  
  
  平田夕貴…やっぱり知らん。
  思い切って話しかけてみた。
  

  2006-01-12 03:07:00
• 14:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  握手しようとしてあたしは手を差し出した。
  平田夕貴はあっけに取られたような顔を一瞬したけどにっこり笑って手を掴んだ。
  夕貴「よろしく。」まぁ、笑顔が可愛らしいやん。

  2006-01-12 03:17:00
• 15:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  さよ「なぁなぁ、自分転校生やんなぁ？どこから来たん…」
  がら！！聞こうとしたときに担任になった数学担当の東先生が入ってきた。
  この先生は数学の教え方もわかりやすいし、お母さん体系（つまりはデブ）で結構好きな先生やったから、ラッキーやった。

  2006-01-12 03:22:00
• 16:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  東先生「これから一年間よろしくねー。で、自己紹介とか…もう皆３年生やしいらんよねぇ…。あ、でもこのクラスは転校生がおるから一応やっとこか」
  皆の視線が一斉に夕貴に集まった。
  
  なんや、みんな気づいてたんか。
  

  2006-01-12 03:25:00
• 17:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  出席番号１番の子から順番に名前と２年生で何組だったかを簡単に言っていった。
  あたしの番も適当に終わった。
  
  皆の注目は平田夕貴に集まった。

  2006-01-12 03:28:00
• 18:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  夕貴「平田夕貴です。東京から引っ越してきました。」
  
  あ！！そうか！！さっき喋った時変やなって思ったのは標準語やったからかぁ。東京って聞いた途端、ザワザワなりだした。
  あたしはこの時、あーなんか田舎モンやなぁって密かに思った。

  2006-01-12 03:32:00
• 19:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  その日学校が終わって、夕貴の周りには人だかりが出来てた。
  東京のどこに住んでたん？？とか渋谷とか新宿とかってどんなん？とか聞いてる子もいたし、他のクラスからも転校生を見に来る人だかりが出来てた。

  2006-01-12 03:35:00
• 20:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  夕貴はその大量の質問に一個ずつ、丁寧な標準語で答えてた。
  この子は絶対いい子やわーって遠目にして見てたけど、あたしはその丁寧な標準語がなんかむず痒くて、長い間夕貴の話は聞いてられへんかった。

  2006-01-12 03:39:00
• 21:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  次の日からもちろん授業は始まる訳やけど、どうも学校に行く気にはなれへんかった。
  あんまり学校ってゆうモノが好きじゃなかった。頑張って行ってもすぐ保健室に行ってた。
  

  2006-01-12 03:43:00
• 22:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  ３年生になって１ヶ月。中間テストが始まる頃、舞の説得でやっと学校に通いだした。
  舞もあたしが学校嫌いなのを知ってる。だからいろいろフォローしてくれてた。
  

  2006-01-12 03:46:00
• 23:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  なんか、久々に行った学校は中間テスト前やのに皆ソワソワしてた。
  中間テスト前やからか？？ううん。なんか違う。
  舞「中間テストが終わったら修学旅行があるんやで。」
  あぁ、そうか。それでみんな、心此処にあらず、なんや。

  2006-01-12 03:49:00
• 24:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  …あぁ、タバコ吸いたい。
  そう思って教室を抜け出して裏庭に行った。そこにはいつものメンバーがおった。
  あたしの彼氏のルイ、隣のクラスの葵、葵の彼女の美佳…それと転校生の夕貴も居た。

  2006-01-12 03:57:00
• 25:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  ルイ「さよ！！お前しばらく連絡してこえへんかったけど生きてたんか！？」
  さよ「勝手にころさんといてよ。ってゆーかうちのクラスの平田君、何してんのんこんなとこで。」
  始業式からまだ１週間位しか学校来てないけど《うちのクラス》とか言ってしまった。

  2006-01-12 04:02:00
• 26:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  美佳「さよちゃんほんま久しぶりやなぁ。何しとったん？？」
  さよ「なんか学校しんどいし…家で舞に貰ったテキストとかやってた。」
  あははは…絶対ウソ！！！とかみんな笑ってるけどほんまやし。
  学校は嫌いやけど勉強はやっとかなあとで痛い目みるやん。…ほらあたしはヤンキーじゃない。

  2006-01-12 04:12:00
• 27:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  さよ「平田君、こんな訳のわからんヤンキーに騙されてタバコとかすっとったらあかんで」
  ルイ「騙してへんし！！人聞き悪いなぁ。」
  ルイが軽くあたしの頭を叩いた。夕貴はそれを見て笑いながら言った。

  2006-01-12 04:17:00
• 28:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  さよ「なぁルイ、あの子おもしろいん？」
  ルイ「ん？？ええ奴やと思うで、まだよー知らんけど」
  さよ「ふぅん」
  ルイ「何？？興味あんの？？」
  さよ「顔、あんま好き違うし。それにさよ、根っからの関西人やからか、標準語が居心地悪い」

  2006-01-12 04:25:00
• 29:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  あははは！！！ルイは大爆笑してた。
  
  
  あたしはそれを見ながらセブンスターに火をつけた。

  2006-01-12 04:30:00
• 30:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  ３日後から…かな、中間テストが始まった。が、舞から貰ったテキストで日頃勉強してたお陰であっという間に終わったような気がした。
  いつもテスト期間が終わったら舞と駅前のモスにご飯食べに行く事になってる。
  今回もチャリで二人乗りして制服のままモスに向かった。

  2006-01-12 04:36:00
• 31:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  …
  
  
  …
  
  …
  
  
  なんか分からんけど無言が続いた。
  さよ「舞、何かあったんか？」
  思わず心配になって聞いた。

  2006-01-12 04:44:00
• 32:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  舞「さよさぁ、修学旅行どうすんの？」
  あーーー…。どうしよかなぁ。正直あんまり行きたくないのよね。長野に行くらしいけど面白くなさそうやし、めんどくさそう。
  まだ迷ってるって一応答えた。
  

  2006-01-12 04:49:00
• 33:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  舞は返事をした途端、行こうよ！と言いだした。
  舞「あたしと一緒のグループやしさよが行かへんならあたしも行かへんで」
  そんな事言われたら行くって言うしかないやん。あたしは分かったよ行く、と返事をした。舞はすごく嬉しそうやった。

  2006-01-14 05:54:00
• 34:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  修学旅行当日まであたしは学校を休んだ。担任から電話があっても舞から電話があっても休み続けた。ひたすら家で地味に勉強して、ルイとたまに遊んでた。なんか毎日が適当やった。今思えばちゃんと通えば良かったなぁって思う。

  2006-01-14 05:57:00
• 35:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  修学旅行当日―。
  舞と担任が朝、家まで迎えにきた。そして学校まで担任が車で送ってくれた。車の中で修学旅行の日程表を舞から受け取った。全クラスのグループのメンバーなんかが丁寧に書いてあった。葵と美佳は無かった。修学旅行に参加しないって事らしい。いくらヤンキーでクラスから少し浮いてるからってグループ割りにまで名前が無いってどうなんだろ…。少し嫌な気分になった。

  2006-01-14 06:03:00
• 36:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  ここで不機嫌になっても仕方ないので気を取り直してルイの名前を探してみた。…あった。
  ルイは参加するんや…。
  次に自分のグループのメンバーを確認した。夕貴の名前があった。というか夕貴位しかわからなかった。

  2006-01-14 06:09:00
• 37:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  メンバーも確認したし日程表をカバンに入れた。と同時に車は学校に着いた。学校には観光バスが何台かとまっていた。このバスでクラス毎に目的地まで走るらしい。荷物をトランクに積めてバスに乗り込んだ。

  2006-01-14 06:13:00
• 38:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  バスの入り口付近に貼り紙が貼ってあって《グループ毎に固まって座れ》と書いてあった。バスの中には何人かクラスメイトはいたけどほとんど名前の知らない子だった。あたしが乗り込んだ瞬間、みんながあたしを見た。小さな声で「来たんや…」て声が聞こえた。あかんのかいってツッコミそうになってしまった。

  2006-01-14 06:17:00
• 39:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  舞「まだグループの子誰も来てへんし外で待っとこか」舞が変に気を使ってくれた。気を使ってくれた舞に申し訳なくなって外に出た。

  2006-01-14 06:20:00
• 40:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  ところがグループの子は10分待っても20分待っても来ない。さよ「うちら来るの早かったん？」舞「遅いよなぁ。後５分で出発やねんけど」さよ「さよと一緒のグループやから来るの嫌なんちゃうのみんな」舞「そんなんあるはずないやん！」

  2006-01-14 06:25:00
• 41:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  あたし来ない方が絶対良かったよなぁ…さっきも来たんや、とか言われたし。
  
  
  結局うちらの６人グループの残り３人は出発３分前に到着した。みんな楽しみで寝られへんかったんだと。小学生みたいで可愛いやんけ。笑

  2006-01-14 06:28:00
• 42:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  ただ一人、出発時間になっても来ない奴がいた。
  夕貴だ。
  担任が心配して自宅に電話をしてみたが誰も出ない。担任は夕貴の持ってるPHSの番号を知っていたらしく、電話してみると『あと３分で着く』との事らしい。他のクラスのバスはもう学校を出発してしまった。連絡がついたのでうちらはとりあえずバスに乗り込んだ。

  2006-01-14 06:34:00
• 43:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  結局夕貴が学校に到着したのは10分後だった。
  バスに乗り込むなり夕貴は「ほんとにすいません！楽しみにし過ぎて眠れませんでした！」とでかい声で謝って頭を下げた。その声でバスの中が大爆笑になった。「ひらはアホやなぁ〜」って野次が飛んだ。どうやら『ひら』と言うあだ名が出来たらしい。

  2006-01-14 06:39:00
• 44:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  夕貴はあたしと舞が座ってる一番前の席の通路を挟んで隣側に座った。座ってからあたしに気付いたらしい。夕貴「来てくれたんだ」さよ「あんたの為に来たんと違うよ」あたしは笑いながら言った。夕貴は、ははっと笑った。その時夕貴のPHSが鳴った。

  2006-01-14 06:45:00
• 45:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  夕貴「もしもし…大丈夫だよ…うん…うん…はいはい」切ったあと母さんが起こすの忘れてて心配してかけてきたわ（笑）とあたしに言った。

  2006-01-14 06:48:00
• 46:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  さよ「いいなぁPHS。欲しいわぁ」夕貴「大阪の子持ってる子少ないよね。良いよｺﾚ。メールも出来るし」さよ「東京の子はみんな中学生で持ってるん！？」
  ちょっとびっくりした。さすが都会や。
  夕貴「前はクラスの半分位の子は持ってたよ」さよ「うちポケベルしかないわぁ」

  2006-01-14 06:52:00
• 47:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  夕貴は素早い手つきで番号を登録してた。ありがとう、とベルを返してもらった時全開の笑顔で見られたのでちょっとつられて笑ってしまった。

  2006-01-22 15:14:00
• 48:

  さよ ◆dDfdgD8zBc

  いつのまにか寝てた。昨日楽しみで眠れなかった、とかじゃないのに。うるさいバスの中、ぼーっとなって目を開けるとカメラのフラッシュが二回光った。何！？びっくりして眩しい目をこすって目を開けたら舞と夕貴が大爆笑してた。舞「よだれ出てたで」さよ「ほんまに！？てか写真撮ったん？！」夕貴「バッチリ撮ったよ！」なんか恥ずかしかったけど笑ってしまった。しかも大爆笑。バスの中が急にｼﾝ…となったのがわかった。みんな見てる。笑ってる…て声が聞こえたけど関係なく笑ってやった。ちょっと優越感やった。

  2006-01-22 15:25:00