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幸せの色。

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  • 1:

    ◆ObanGQEW7M

    10月―ミナミ
    寒い、昨日までとは打って変わって寒い。
    アキは自転車で店まで向かっていた。
    アキの家から、アキがレギュラーで勤めているキャバまでは自転車で10分くらいだった。

    2005-11-02 04:59:00
  • 2:

    ◆ObanGQEW7M

    「おはよございます。」
    アキは無愛想な挨拶をして足早にロッカーへ向かう。
    正直、店にはうんざりしていた。
    レギュラーだが学生のアキにとって、プライベートも仕事の様なキャバという職種は気が滅入りそうだった。

    2005-11-02 05:04:00
  • 3:

    ◆ObanGQEW7M

    いくら学生でも、負けず嫌いのアキは「客が呼べない」事が苦痛だった。
    「今日も予定なしか…」
    携帯をボンヤリ見ながらドレスを着る。
    「胃が痛い…はぁ」

    2005-11-02 05:08:00
  • 4:

    ◆ObanGQEW7M

    「おはよっす。なんでもないケド、テンション上がらへんわぁ……」
    アキはピンクの瓶の香水をふりながら答えた。
    「アタシもよぉ。なぁ、今日飲みに行こか」
    ヒカリサンはニンマリして言った。

    2005-11-02 05:29:00
  • 5:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンは楽しい事を何でも教えてくれるから、アキは好きだった。
    「バーですかぁ?」
    アキもニンマリして言った。

    2005-11-02 05:34:00
  • 6:

    ◆ObanGQEW7M

    「ううん、クラブ行こ!テンション上がんでぇ〜」
    「クラブ!?実は私、クラブ行った事ないねんケド…」
    「大丈夫!ヒカリもちょっとしかないねんケド楽しいでぇ!!」
    ヒカリサンはそう言うと同伴待たせてるとか何とか行って、先に行ってしまった。

    2005-11-02 05:37:00
  • 7:

    名無しさん

    作者のトリップ オバンごえw7メートル 

    2005-11-02 05:59:00
  • 8:

    ◆ObanGQEW7M

    「クラブかぁ…。」
    ちょっと不安やけど楽しそう!
    アキはワクワクしながら彼氏のカズヤにメールを打った。
    [今日アフターっぽいから遅くなるね〜]

    2005-11-02 06:31:00
  • 9:

    ◆ObanGQEW7M

    >>8サン
    ホンマや!おばん声?越え?7?って!?

    2005-11-02 06:33:00
  • 10:

    ◆ObanGQEW7M

    アキとカズヤは付き合って1年弱。同棲している。
    もともとアキとカズヤは同じ店のホステスとボーイだったが付き合いだして2人して店を辞めた。
    その後アキは昼職の後、また今のキャバで働きだし、
    カズヤはボーイを転々とし今は固定給のスカウトをしている。

    2005-11-02 06:36:00
  • 11:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは20歳でカズヤは26歳。
    付き合いだして2人の価値観が結構違う事をアキは知った。
    例えば…
    「お店終わってから、お店の子とクラブ行く」なんてカズヤが知ったら怒って止めるだろう。

    2005-11-02 06:39:00
  • 12:

    ◆ObanGQEW7M

    彼氏の嫌がる事はしない方が良い。
    って事くらいアキも分かってる。
    だけど楽しい事はしたい。飲みに行くのも好きだしクラブなんて今しか楽しめない気がする。

    2005-11-02 06:41:00
  • 13:

    ◆ObanGQEW7M

    ここ最近アキの中でカズヤとの毎日はウンザリする事が多かった。
    カズヤと家にいるくらいならヒカリサンと遊んでる方が楽しい。
    だからと言って別れたくもない。
    それがアキの我儘である事くらいアキも分かっていた。

    2005-11-02 06:43:00
  • 14:

    ◆ObanGQEW7M


    お店が終わる頃、カズヤから電話がかかってきた。
    「もっし〜?」
    [あぁ、アキ?今日アフター?オレ、スカウト仲間に誘われてキャバ飲みに行かなあかんネンケド帰る時間同じくらいなら一緒に帰ろぉ]
    「分かった。終わったら連絡するし、そっちが先なら連絡して☆」

    2005-11-02 06:47:00
  • 15:

    ◆ObanGQEW7M

    電話を切った後、アキは少しイラっとした。
    わざわざキャバ行くなんて言わなくて良いのに…。
    これがアキの考えだった。
    相手が心配したり不快に思う事なら言わない方が良い。

    2005-11-02 06:49:00
  • 16:

    ◆ObanGQEW7M


    クラブで飲んでいる時、ヒカリサンにその話をしたら、ちょっと変な顔をされた。
    「まぁアキチャンの言う事も分かんネンケドなぁ〜…」

    5時を過ぎたくらいにカズヤから着信があった。
    今からが一番楽しいのに、というヒカリサンを背中に私は先に帰る事にした。

    2005-11-02 06:51:00
  • 17:

    ◆ObanGQEW7M

    略部
    今からが一番楽しいのに、というヒカリサンを背中に私は先に帰る事にした。

    2005-11-02 06:53:00
  • 18:

    ◆ObanGQEW7M

    私だって、ラストまでいたいよ…
    そう思いながらカズヤの待つ筋まで戻った。

    2005-11-02 06:54:00
  • 19:

    ◆ObanGQEW7M

    「お疲れ〜」
    カズヤは先に待っていた。
    「お腹すいた〜吉牛行けへん?」
    カズヤは自転車の鍵を開けながら言った。
    「そぉやなぁ〜」
    アキは荷台にまたがった。

    2005-11-02 06:56:00
  • 20:

    ◆ObanGQEW7M

    略部
    アキは荷台にまたがった。

    2005-11-02 06:57:00
  • 21:

    ◆ObanGQEW7M

    「重ッ!アキ太った?」
    カズヤは自転車をこぎながらアキに言った。
    「はぁ?そんなん言うなら吉牛止めよぉや?」
    「えぇ〜それは無理!」
    たわいもない会話をしながら2人は吉牛に向かった。

    2005-11-02 07:00:00
  • 22:

    ◆ObanGQEW7M

    こんなたわいもない会話も最近は少し疲れるな…
    アキはふと思った。

    吉牛を食べ終わって店を出る時、当たり前の様にアキが支払った。

    2005-11-02 07:02:00
  • 23:

    ◆ObanGQEW7M

    前の店を辞めてから、カズヤは職を転々としていた為、まともな給料がなかった。
    もちろん、とんで辞めた時は給料なんてない。
    だから、吉牛の支払いから家賃、電気代、2人の携帯代までアキが出していた。

    2005-11-02 07:05:00
  • 24:

    ◆ObanGQEW7M

    昔からそうではなかった。
    前の店でちゃんと給料をもらっていた時はカズヤがおごってくれる時が多かった。
    だからアキも、この状況をうるさくは言わない。
    不快に思っていても。

    2005-11-02 07:07:00
  • 25:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは専門学生だが、厳しい学校ではない為、レギュラーでキャバをしていた。
    専門に行きたいのと地元にいたくない理由で、地元の4大を親の反対を無視して中退した。
    親は諦め、専門の学費と仕送りはしないから好きにしろと言った。

    2005-11-02 07:12:00
  • 26:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは給料を2人の生活にまわし、余った分を貯金して、学費を作っていた。
    本当はカズヤの給料で生活して給料は学費にまわして、早く夜を辞めたい。と思っている。
    だけどそんな事くらいカズヤも分かってると思うし、わざわざ言いたくないと思っていた。

    2005-11-02 07:17:00
  • 27:

    ◆ObanGQEW7M

    そんな話をヒカリサンに言った事がある。
    ヒカリサンは「しんどぉない!?アキチャンが良いなら良いケドさぁ〜」とだけ言っていた。
    しんどくないワケない……

    2005-11-02 07:19:00
  • 28:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤがスカウトをしようとした時、アキは嫌だと言った。
    カズヤのスカウトは生真面目でナンパじみた声掛けやスカウトを喰うなんて事は絶対にない。
    だけどスカウトって、ある程度は女と関わるから嫌だった。
    しかしアキもキャバで働いてるから強くは言えなかった。

    2005-11-02 07:24:00
  • 29:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤは家に着くなり、疲れたと言い寝てしまった。
    アキはメイクを落としながら、ため息をつく。
    脱いだ服も洗濯物も脱ぎっぱなし。飼ってる猫の世話もしない。
    住んでる部屋は狭いので、ちょっとちらかすと余計汚く見える。

    2005-11-02 07:28:00
  • 30:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはウンザリしながら、カズヤの服を片付け、洗濯物を籠に入れ、猫砂を変えて、猫のエサを入れた。
    おかげで猫はすっかりアキになついている。
    「…しんどい」

    2005-11-02 07:30:00
  • 31:

    ◆ObanGQEW7M

    アキにとって、最近の毎日は仕事に行って帰って、猫とカズヤ、2人の世話ばかりに感じていた。
    働いたお金も使えない、遊びに行く時間もない。
    そんな毎日だった。

    2005-11-02 07:34:00
  • 32:

    ◆ObanGQEW7M

    「う〜ん、彼氏サンと別れたいとかは思わないの?」
    ヒカリサンはアキに言った。アキは少し間をおいて、答えた
    「別れよっかな……でもカズヤ今別れたら生活できひんやろな」

    2005-11-02 07:36:00
  • 33:

    ◆ObanGQEW7M

    「ん〜アキチャン。それってどぉなん?好きなん?」
    ヒカリサンは少し苦笑いをしながら明るく聞いた。
    「好きっすよ!好きやねんケド〜…」
    アキはそれ以上言葉が浮かばなくて詰まってしまった。

    2005-11-02 07:38:00
  • 34:

    ◆ObanGQEW7M

    だけど、別れる気はしない。
    今まで何度か、ケンカして別れる事になったケド、いつもアキが辛くて悲しくて、泣きながら引き止めた。
    だからきっとカズヤの事は好き。
    アキはそう思っていた

    2005-11-02 07:39:00
  • 35:

    ◆ObanGQEW7M

    いつもはカズヤの仕事の終わる時間とアキの仕事の終わる時間は同じくらいだったが、その日はカズヤの方が早く、先に帰っていた。
    「ただいま…」

    2005-11-02 07:42:00
  • 36:

    ◆ObanGQEW7M

    「ん…」
    最近カズヤはあまり口をきかない。仕事が大変らしい。アキも仕事のプレッシャーやストレスからイライラする事が多かったから、あまりしゃべらない。
    カズヤは布団を顔まで覆っていた。

    2005-11-02 07:44:00
  • 37:

    ◆ObanGQEW7M

    「なぁ」
    カズヤが暗く声をかけてきた。
    「何?」
    アキはメイクを落としながら答えた。
    「オレ近いうちに部屋出てくな。……そしたら別れよう」

    2005-11-02 07:46:00
  • 38:

    ◆ObanGQEW7M

    略部
    空白

    2005-11-02 07:47:00
  • 39:

    ◆ObanGQEW7M

    「…なんで?」
    「いや、もぉ理由聞かんといて。話したくない。」
    カズヤは怒ってるみたいだった。
    「は!なんでなん?」

    2005-11-02 07:49:00
  • 40:

    ◆ObanGQEW7M

    「いや、もぉほんま話したくないから。自分でわかるやろ。」
    ふとアキの目に、アキが最近機種変した前の携帯が見えた。
    「携帯見たん?」

    2005-11-02 07:50:00
  • 41:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは浮気などはしていなかった。
    ただ、飲みに行くのをアフターと言ったり、同伴をカズヤに言わずに行ったりしていた。
    心配したり不快に思う事を言うくらいならと嘘をついていた。

    2005-11-02 07:53:00
  • 42:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤが嘘を嫌いなのもアキは分かっていた。
    だけどアキはカズヤが心配したり、それで機嫌悪くなったりするのが嫌だった。
    「ほんま嘘つくとかありえん。まじで冷めたわ」

    2005-11-02 07:55:00
  • 43:

    ◆ObanGQEW7M

    今まで別れ話の時は決まってアキが泣き叫んで止めていた。
    だけど今回は違った。
    「わかった。私が悪いもんな。とりあえず今日気まずいし、私外に出るわ。」

    2005-11-02 07:57:00
  • 44:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは外に出て、真っ先にヒカリサンに電話をした。
    「はいはぁい?どないしたぁ?」
    ヒカリサンは酔っていた。でもその明るい声を聞いたら急にアキは泣きだしてしまった。
    「ヒカリさぁん……別れたぁ」

    2005-11-02 07:59:00
  • 45:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンは酔っている様だがハッキリした口調で
    「とりあえずこっちおいで」
    とアキを呼んだ。
    ヒカリサンがどこにいるかはすぐ分かった。

    2005-11-02 23:46:00
  • 46:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはすぐタクシーを拾った。
    「北新地まで…」

    2005-11-02 23:48:00
  • 47:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンと飲みに行くようになるまでアキは北新地に来る事はなかった。
    今でも北新地のニオイはドキドキする。
    慣れたミナミとは全然違うニオイ。
    なんだか違う自分になれるニオイ。

    2005-11-02 23:50:00
  • 48:

    ◆ObanGQEW7M

    タクシーの窓から午前3時過ぎの街を見る。
    アキは鼻をすすりながら、カズヤな事をちょっと考えた。
    こういう運命だったのかな。
    あんなに好きだったカズヤなのに、今はホッとする気持ちもある。

    2005-11-02 23:55:00
  • 49:

    ◆ObanGQEW7M

    「1300円です」
    タクシーを降りて、知っている道を小走りで過ぎる。
    角を曲がるとヒカリサンとマサキがいた。
    「アキチャン!!」

    2005-11-02 23:57:00
  • 50:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンはアキを見つけると走ってアキに近づいた。
    「だぁいじょうぶぅ??」
    心配しながらも明るく言った。
    ヒカリサンはいつも明るい。そんなヒカリサンを見たら、とまっていたアキの涙はまた溢れだした。

    2005-11-02 23:59:00
  • 51:

    ◆ObanGQEW7M

    「とりあえず中入ろうや。」
    マサキがアキとヒカリサンの間に入って2人の背中を押した。
    マサキはグロウの雇われ店長サン。アキと会うのは、これで2回目。
    まだ若いのに、落ち着いていて言う事はいつも力強い。

    2005-11-03 00:02:00
  • 52:

    ◆ObanGQEW7M

    グロウはヒカリサンの彼氏がオーナーで開店したばかりのバーだ。
    店内は広くないケド暗くてなんだか落ち着く。まるで何年も通っているバーみたいに、しっくりくる。
    店内に入ったらマサキはアキを見て爆笑した。

    2005-11-03 00:05:00
  • 53:

    ◆ObanGQEW7M

    「お前なんやねん!その顔!」
    アキのセットしていた頭はボサボサで、スッピンの上に涙で目が赤く腫れていた。
    「だぁってぇ〜」
    アキは顔をふくらましながらカウンターのヒカリサンの隣に座った。

    2005-11-03 00:08:00
  • 54:

    ◆ObanGQEW7M

    「ハイハイ、とりあえず、どぉしたん?」
    2人のやりとりを苦笑いしながら見ていたヒカリサンはアキの頭をなでながら優しく言った。
    「なんか…アキが悪いねんケド、なんていうか、もう2人はダメだったと思う」

    2005-11-03 00:10:00
  • 55:

    ◆ObanGQEW7M

    最近ウンザリするのが多かった事。金銭的に重荷になってた事。家の事。2人が冷めきってた事。
    アキは酔いに任せて思いつく事を片っ端から話した。
    「でもな、そんなんじゃなくて、アキが…嘘をついたから…あんかったんよ」

    2005-11-03 00:17:00
  • 56:

    ◆ObanGQEW7M

    「嘘…?」
    マサキはカウンター越しにアキをじっと見た。
    その時グロウの黒いドアーが開いた。
    「いらっしゃいませ〜」
    マサキの意識はアキから、入ってきた客に変わった。

    2005-11-03 00:19:00
  • 57:

    ◆ObanGQEW7M

    入ってきた客は、27歳くらいのスーツを着た男性と25歳くらいの新地っぽい女性だった。
    2人は新規ではないようで楽しそうにマサキと話している。
    アキはおもちゃをとられた子供みたいに、ふくれた。

    2005-11-03 00:22:00
  • 58:

    ◆ObanGQEW7M

    「マサキぃ〜!」
    これじゃまるでホストで酔って絡む痛客だ。
    マサキは優しく、ハイハイと言ってアキの方へ戻ってきた。
    「で、おまえがついた嘘って?」

    2005-11-03 00:24:00
  • 59:

    ◆ObanGQEW7M

    風邪をひいていたのと泣いていたのでアキの鼻はグズグズだった。
    何度も鼻をかんでいたせいで、さっきの2人もアキに何かあった事に気付いていた。
    「アキは心配かけたり、それで不安にさせるくらいなら、と思って……」

    2005-11-03 00:27:00
  • 60:

    ◆ObanGQEW7M

    「内緒で同伴したり…アフターって言ってクラブ行ったりした」
    話終えてアキが鼻をかもうとしたら、カウンターの3席隣にいた、さっきの女性が急に言った。
    「え〜!でもさぁ、彼女に嘘を言わせる状況を作った彼氏も彼氏じゃん!!」

    2005-11-03 00:31:00
  • 61:

    ◆ObanGQEW7M

    「オレもそれはあると思うな。」
    マサキもうなづいた。
    「しかも携帯見たんでしょぉ〜!?水商売で携帯なんて見ちゃだめって事くらい暗黙の了解じゃん!」
    彼女は独特の話し方で、まくしたてるように早口で言った。

    2005-11-03 00:34:00
  • 62:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキもヒカリサンも、うんうんと納得している。
    「そっかぁ〜…なんか目からウロコ。」
    アキの一言にマサキが笑った。
    「落ち着いた?」

    2005-11-03 00:36:00
  • 63:

    ◆ObanGQEW7M

    「うん…ありがとう……でも、アキ結局カレシの事傷つけてばっかで…すごいごめんねって気持ちで…次付き合う人には、絶対同じ事しちゃだめやなって思うし…」
    「アキチャン、切り替わり早いなぁ〜!次の人の事まで考えてるって、やっぱカレシに冷めてたんちゃうん。」
    ヒカリサンはすかさずアキにつっこんだ。

    2005-11-03 00:41:00
  • 64:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンの一言で皆が笑った。
    アキもヒカリサンもマサキも、結構酔っていた。
    後から来た2人はユキサンとダイチといって、ダイチはグロウの隣のバーの店長らしい。ユキサンは新地のホステスでダイチの彼女。

    2005-11-03 00:44:00
  • 65:

    ◆ObanGQEW7M

    アキが驚いたのは、ヒカリサンとマサキとユキサンが同い年で、アキとダイチが同い年だという事。
    「絶対見えない!!」
    と力を込めて失礼な事を言うアキに対してもダイチは嫌な顔ひとつせず笑った。マサキより、落ち着いてるかも。

    2005-11-03 00:46:00
  • 66:

    ◆ObanGQEW7M

    5人はグロウで、そうとう飲んだ。マサキがグロウの閉店時間だと言ったらユキサンはダイチの所で飲もうと言ってくれた。
    ダイチの所はグロウとは全然違って白く、カラオケもある。
    「アキチャンの為にワイン開けちゃう〜♪」

    2005-11-03 00:49:00
  • 67:

    ◆ObanGQEW7M

    ユキサンは上機嫌で白ワインを開けた。
    お酒好きなアキにとってワインは苦手な方だが、もうお酒の味も分からないのか2、3杯一気した後、カラオケをしながら焼酎も何杯か一気した。
    30分くらいダイチの所で飲んだ後、失恋パーティはお開きになった。

    2005-11-03 00:52:00
  • 68:

    ◆ObanGQEW7M

    アキとヒカリサンとマサキは、またグロウに戻った。
    カウンターではなくソファに座り、飲み過ぎただのどうだの話していた。
    アキは黒いレザーのソファに横になった…瞬間
    「ねぇねぇ、ごめん2人とも!…吐きそう。」

    2005-11-03 00:55:00
  • 69:

    ◆ObanGQEW7M

    ダイチの所では気持ち悪さなんて全然なかったはずなのに、グロウに戻った瞬間、アキのアルコール分解量はピークに達していた。
    ヒカリサンとマサキは慌てて袋を用意したりテイッシュを用意したり…

    2005-11-03 00:57:00
  • 70:

    ◆ObanGQEW7M

    一通り吐いた後、アキは朦朧とする意識の中で、カズヤの話をした。
    こんな時に思い出してしまうのは、どんな時も一緒にいてくれたカズヤ…。
    ふっきれたと思っていたのに、アキの頭のなかにカズヤが溢れてくる。

    2005-11-03 00:59:00
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