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惚れた女

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  • 1:

    海里

    (旧掲示板のコピペ)
    俺は海里。
    ホスト歴半年。今は役職でナンバースリー。

    2005-08-01 19:28:00
  • 51:

    海里

    俺がそれをゆった瞬間、あきの目から涙がこぼれてた。
    えっもしかしていけた!?と思った瞬間、あきは
    『ごめんっ!!』ってゆって店を飛び出して行った。は!?何で!?
    パニくった俺は、とりあえず札を何枚か机の上に置いて追い掛けた。

    2005-08-01 20:22:00
  • 52:

    海里

    『ちょお待ってや!!何で逃げるん!?』
    腕をつかんだ俺の手を振り払おうとしながらずっとあきは“ごめん”って泣きながら言い続けてる。
    『ごめんじゃわからんやろ?それは付き合われへんってゆうごめんなん?』
    『…違う…』
    『とりあえずうちで話そや。』俺は強引にタクに乗せて家に向かった。

    2005-08-01 20:22:00
  • 53:

    海里

    家についてもまだ泣き続けてる。
    『あきが嫌なんやったら俺友達のままでいいから。なっ?』
    『違うねん…あたし海里の事好き…最初会った時から気になっててん…』
    『えっそれじゃあ…付き合ってくれるん?』
    『…』
    沈黙が十分ぐらい続いて、あきは口を開いた。

    2005-08-01 20:23:00
  • 54:

    海里

    『あたしな…あと一年しか生きられへんねん。』

    『えっ…?』
    頭ん中真っ白なるって、こうゆう事やったんや。

    2005-08-01 20:24:00
  • 55:

    海里

    『生まれつき心臓弱くてな、手術しても治らんねんて。普段普通に生活出来んのに。だから逆に元気やのに急に死ぬかもしれへんって。お酒飲まれへんってゆったんも弱いからじゃなくて心臓に負担がかかるから。門限十一時なんも親が心配してやねん。』

    2005-08-01 20:25:00
  • 56:

    海里

    嘘やろ?こんないい子が、あと一年の命って?
    人を殺した奴がのうのうと生きてんのに、何でわざわざあきやねん!?何でやねん…!!

    2005-08-01 20:26:00
  • 57:

    海里

    『だからな、あたしが海里の事好きってゆったらあたしがおらんくなった時に悲しませるやろ?海里の事はほんまに好きやから嫌やねん。あたしのせいで悲しませたくない。』

    2005-08-01 20:27:00
  • 58:

    海里

    俺は気づいたらあきを抱き締めてた。泣きながら
    『俺はお前に出会えてほんまに良かったと思ってる。病気ぐらい俺が治したる!辛い時も傍におる。もう一回ゆうわ。俺と付き合ってください。』

    2005-08-01 20:28:00
  • 59:

    海里

    あきは顔をくしゃくしゃにして泣きだした。
    俺はずっとあきを抱き締めてた。

    その夜、俺とあきは初めて結ばれた。
    こんなに幸せな夜は初めてやった。

    2005-08-01 20:29:00
  • 60:

    海里

    次の朝目が覚めたら隣にはあきの寝顔があった。
    ちょっとよだれたらしてますやん!笑
    笑いながら寝顔を見てたら、あきが目を覚ました。
    『おはよ』とゆう俺の顔をみて、あきはよだれに気づいたのか顔を真っ赤にして『みんといてよ』ってゆって顔を隠しだした。そん時のあきの顔は、今でもはっきり覚えてる。

    2005-08-01 20:30:00
  • 61:

    海里

    『あき、一緒に住もか?』『えっ!?ほんまに!?あっでも親が許せへん…』
    『俺あいさつに行くし☆』『ほんまに!?やったぁ』この“ほんまに!?”ってゆぅんはあきの口癖。

    2005-08-01 20:31:00
  • 62:

    海里

    俺たちは急いで用意をした。ちゃんとネクタイも締めてあきの家に向かった。

    『ただいまぁ』
    『お帰りぃ』とあきの母親が出てきた。
    『あら、彼氏さん?どうぞあがって?』にっこりと笑ったその顔は、あきにそっくりや。

    2005-08-01 20:31:00
  • 63:

    海里

    『お父さん、あきの彼氏さんがきはったよ。』
    『えぇ?彼氏おったんかあいつ!?』
    あきの父親は、貫禄はあるけどどっかおもしろそうな雰囲気を漂わせてた。

    2005-08-01 20:32:00
  • 64:

    海里

    『あのっ突然連絡もなしにお邪魔してすみません。お宅のお嬢さんを下さい!』『えっ!?』
    みんなびっくりした顔をしてた。何故かあきまでも笑父親は、冷静さを取り戻すかのようにゆっくりと話しはじめた。

    2005-08-01 20:33:00
  • 65:

    海里

    『あきは…あと一年の…命なんは知ってるんか?』
    『はい。』
    『それでもあきを下さいってゆうんか?』
    『はい。絶対幸せにします。だから、結婚させて下さい。』
    少し考えて、
    『わかった。絶対幸せにしろよ。』と涙ぐみながら笑った。

    2005-08-01 20:34:00
  • 66:

    海里

    『ありがとうございます!!お父さん!!』うおっ勢い余ってお父さんとか呼んでもぅた!!
    あきの父親の方をみると、幸せそうな顔をしてた。
    『海里君は今働いてるの?』あきの母親が聞いてきた。『はい…あの…ホストなんですけど…』
    俺はバツが悪そうに答えた。もちろん誇りはもってるけど、世間で通用する職業ではないから、あきの親の反応が気になった。

    2005-08-01 20:35:00
  • 67:

    海里

    あきの母親は顔色一つ変えずに『頑張ってるんやねぇ。そんだけかっこよかったら売れ売れなんちゃうのぉ?お母さんも近所の人誘って行こかなぁ。ほほほほほ』
    今時売れ売れって…ほほほほって…ばり受ける笑
    もう俺は笑いの女神と化してた。

    2005-08-01 20:36:00
  • 68:

    海里

    父親の方も偏見は持ってないようで、頑張れよ、とゆってくれた。
    その後みんなで飯を食いに行ったけど、この家族の中で育ったあきがいい子に育たん訳がないと思った。

    2005-08-01 20:37:00
  • 69:

    海里

    次の日から早速あきの荷物を運びだした。
    もちろん俺は夜はホストやから、昼間の内に引っ越しとかをして夜は仕事に行った。

    2005-08-01 20:38:00
  • 70:

    海里

    まだホストを続けてる俺を最低やと思うかもしれへんけど、あきには何不自由なく暮らして欲しかった。
    そのためには金がいる。金を貯めるのにホストはもってこいの仕事やった。

    2005-08-01 20:39:00
  • 71:

    海里

    それに何より、ホストを続ける事を望んだのはあきやった。
    『海里が選んだ仕事やし、頑張ってほしい。』
    それが理由やった。

    2005-08-01 20:40:00
  • 72:

    海里

    引っ越しと荷ほどきを一週間で済まし、俺は必死になってすぐに結婚式をあげれる教会を探した。
    何件も何件も電話をかけまくってやっと見つけたのが、誰も知らないような名前の小さい小さい教会だった。

    2005-08-01 20:41:00
  • 73:

    海里

    式は一週間後。
    俺たちはお互いの家族とごく親しい友人にだけ招待状を送った。

    2005-08-01 20:42:00
  • 74:

    海里

    十月一日。
    秋晴れの日やった。
    披露宴も何もない、ほんまの誓いの儀式。
    目の前に現われたあきは、光に溶け込んで消えてしまいそうなぐらい綺麗で、キラキラしてみえた。

    2005-08-01 20:43:00
  • 75:

    海里

    誓いのキス。
    指輪の交換。

    この幸せがずっと続けばいいのに、と願った

    2005-08-01 20:44:00
  • 76:

    海里

    そっからあきとの同棲生活が始まった。
    あきは学校に行くのを辞め、専業主婦になっていた。毎日昼ぐらいに帰る俺を、ご飯を作って待っててくれたし、同伴の時も嫌な顔一つせず送り出してくれた。

    2005-08-01 20:44:00
  • 77:

    海里

    でも、あきの不安はかなりの物だったのだろう。
    真夜中にあきからの着信。俺は客にうまい事ゆって席を離れた。

    2005-08-01 20:45:00
  • 78:

    海里

    『もしもし?』
    『…』
    『どしてん?具合悪いんか!?』
    『…』
    『泣いてるんか!?どしてん!?』
    『あたしこのまま寝て明日の朝目覚めへんかったらどうしよって考えたらめっちゃ恐くなる…海里に会わんまま死にたくない…』
    『何ゆうてんねん!!死ぬ訳ないやん!仕事終わったらすぐ帰るからまっとき?なっ?また不安になったら電話かけといで。絶対出るから。』

    2005-08-01 20:46:00
  • 79:

    海里

    俺はアフターを断って真っすぐ家に帰った。
    あきはいつもと変わらん笑顔で迎えてくれた。
    『お帰り。夜中電話してごめんな。ナンバーあがって忙しいのはわかってたのに。海里の好きなオムライス作ったよ。』
    俺はあきを抱き締めた。
    『ごめんな、ごめんな、』それしかゆわれへんかった。

    2005-08-01 20:47:00
  • 80:

    海里

    あきと結婚して二ヵ月が経った。時々喧嘩したりしながらも、仲良くやってた。休みの日は俺は仕事終わって寝ずに一緒に出かけたり、家でずっといちゃいちゃしてたりした。そんな時、あきが嬉しそうに俺に打ち明けた。

    2005-08-01 20:48:00
  • 81:

    海里

    『あたしな、赤ちゃん出来てん。』
    それを聞いて俺はもちろん嬉しかったが、ある不安があった。
    子供を産む事はあきの体にとってかなりの負担になる。もし子供が出来たら、あきか子供、どちらかを選ぶ事を余儀なくされるかもしれないと医者に言われていたからだ。

    2005-08-01 20:49:00
  • 82:

    海里

    だから俺は子供が出来ないように気をつけていたが、前に一度だけ、あきが切に望んで中に出した事があった。
    見事妊娠。
    俺たちは産む事を決意した

    2005-08-01 20:50:00
  • 83:

    海里

    そっからはかなり早い親バカと化していた。
    ベビー用品を買い漁り、男の子でも女の子でもいいように黄色を中心に服を集めた。
    幸せな日々は足早に、そして確実に過ぎていった。

    2005-08-01 21:20:00
  • 84:

    海里

    結婚式の日から八か月が経とうとしていたあの日、俺たちは家の近くの喫茶店で待ち合わせをした。
    産婦人科に定期検診に行くためだ。
    仕事帰り、待ち合わせより少し早くついた俺は、コーヒーを飲みながら喫茶店の窓から外を眺めていた。
    そこの窓からは道路が見える。あきはその道路の向こうから幸せそうな顔をしてこっちへ歩いてくるだろう。
    『あっあきや…』
    あきも俺に気づいて、笑いながら手をふった。
    その時、何かに笑顔がさえぎられた

    2005-08-01 21:21:00
  • 85:

    海里

    ドン…!!キキーッッ!!

    一瞬、何が起こったかわからなかった。
    コーヒーを床に落とした瞬間、全てが飲み込めた。

    2005-08-01 21:22:00
  • 86:

    海里

    『あきっあきっ!!』
    俺はそう叫びながら喫茶店を飛び出しあきの元へ走って行った。
    辺り一面血の海。
    頭を打っているようで、そこからはとめどなく血が流れていた。
    俺は震えながらあきを抱き抱えようとした。その時、ヌルっとした血の感触がした

    2005-08-01 21:23:00
  • 87:

    海里

    『かい…り…あたしの赤ちゃん…産んであげれんくてごめんな…。もしあたしか赤ちゃんどっちかってなったら…赤ちゃんを助けてあげて…。あたし…海里がおらん長い人生より…海里のおる短い人生の方がいい…愛してる……』
    そうゆって、あきは気を失った。

    2005-08-01 21:24:00
  • 88:

    海里

    全てがドラマの中の出来事のようで、自分の身に起こった事が信じられへんかった。病院についても、まだどっか夢のようで、この悪夢から目覚めたらまたあきの笑顔が待っているような気がした。

    2005-08-01 21:25:00
  • 89:

    海里

    あきの親や俺の親が病院に着いた頃、医者はこうゆった。
    『お嬢さんは手術に耐えられる体ではありませんでした。残念ですが…』

    2005-08-01 21:26:00
  • 90:

    海里

    手術室に入ると、どこか幸せそうな笑みを浮かべたあきが居た。
    まだ暖かくて、もう二度と目が覚める事がないなんて、信じられなかった。
    もちろん、お腹の赤ちゃんも。

    2005-08-01 21:27:00
  • 91:

    海里

    俺は何故か涙は出なかった。その時、警察に付き添われあきをひいたトラック運転手が俺の前に現われた。原因は飲酒運転。
    『あの…もしかして…亡くなったんですか?で、でもっ聞くところによるとどうせあと少しの命だったんでしょ!?お・俺の罪軽くなりますよねぇ!?お巡りさん!!』その男は、警官に向かってこう言った。

    2005-08-01 21:28:00
  • 92:

    海里

    こいつは何をゆってんねん?人を殺しといてまだ自分の罪の心配をしてんのか?どうせあと少しの命やと?俺とあきの一日一日が、一分一秒がお前の何十年よりも大事なんじゃ!!
    『もう一回ゆってみろや!』
    俺は殴りかかっていた。
    警官は必死に俺を止め、男は肩を震わせながら殴られまいと暴れていた。

    2005-08-01 21:29:00
  • 93:

    海里

    こんな男を殴ったら、俺の手は汚れる。そんな手ではあきに触れられなくなる。そう思い、冷静さを取り戻そうとした。

    そこで、涙を流してないのは俺一人やった。
    まだあきの死を、あんだけ守りたがってた子供の死を受け入れられずにいた。

    2005-08-01 21:30:00
  • 94:

    海里

    あきの希望どうり、葬式は教会でやる事になった。
    『海里、あたしが死んだらあんな暗い雰囲気じゃなくて、教会で花いっぱい飾ってお葬式してな?結婚式の時みたいに』
    そうやって涙をこらえながら話していた、あきの顔が浮かんだ。

    2005-08-01 21:31:00
  • 95:

    海里

    葬式には、たくさんの人が参列した。
    その列を見て、あきがどれだけ愛されていたかを改めて知った。
    俺はまだ一度も涙を流してはいなかった。
    ひどく冷静に、遠くからこの光景を見ている自分がいた。
    俺は今 何をしてるんやろ…?

    2005-08-01 21:31:00
  • 96:

    海里

    あき、何でそんな狭い所に入ってるんや?
    何で俺の手を握り返してくれへんねん?
    もう一回目を開けてくれ。お願いやから…

    2005-08-01 21:32:00
  • 97:

    海里

    俺はあきに最期のキスをし、大好きだったカスミソウの花と、あきが刺繍をした子供のよだれかけを棺にいれた。

    2005-08-01 21:33:00
  • 98:

    海里

    『出棺の時間です。』
    誰かがそう言った。
    教会の鐘が鳴り響く中、俺たちは参列者に軽く挨拶をし、火葬場へと向かった。

    2005-08-01 21:34:00
  • 99:

    海里

    火葬場に着き、あきとの本当に最期の別れ。
    病気に苦しんで、飲酒運転の車にはねられ、この上まだ焼かれなければならないのかと思ったら気が狂いそうだった。

    2005-08-01 21:35:00
  • 100:

    海里

    あきが火葬されている間、俺は空を眺めていた。
    ちょうど結婚式の日みたいな、綺麗な晴れた空だった。

    2005-08-01 21:36:00
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