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俺ら、いくらで買ってくれますか?

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  • 1:

    トウヤ ◆fnkquv7jY2

    ようやく夢に見たNO.1にのしあがった。今、あいつらは二人は今何やってるんだろう?
    紫苑、ヒカリ。
    たまには俺だって感慨深くなるさ。
    会いてぇな、お前らに。

    2005-11-09 22:42:00
  • 170:

    名無しさん

    楽しみにしてます

    2005-11-27 15:07:00
  • 171:

    さく

    あげときます

    2005-11-28 02:39:00
  • 172:

    トウヤ

    みなさん遅くなって申し訳ありませんでした。
    ちなみにこれは作り話ですよ〜。
    すべてフィクションになります★

    2005-11-29 06:21:00
  • 173:

    トウヤ

    「いや全然想像がつかないな…」
    どういう仕組みで金銭のやり取りがあるのか。半分興味もあった。
    「紫苑はな、値段がないねん」
    「値段がない?どういういみか分かんないんだけど」

    2005-11-29 06:24:00
  • 174:

    トウヤ

    「トウヤ愛人クラブとかって分かる?月契約とか、時間契約でいくらって決めて契約するねん。紫苑のところはたしか1時間3万くらい。でも、あの子は人気がありすぎてそういう価値がつけられへんねんて」
    たしかにあの容貌だ。
    「だとしたらどうやって…」
    「金額は時価。つまり、オーナーと紫苑が向こうの提示額に応じれば成立。その7割が紫苑の給料ってわけ」

    2005-11-29 06:32:00
  • 175:

    トウヤ

    自分の部屋に戻り、タバコをふかしながら紫苑のことを考えていた。
    愛人だ。ホストではない。そりゃホストだって自分の力量がなければ、嫌なお客とベッドを共にしなければならないときもあるだろう。
    だかそれは自分の腕次第だし、この世界やらずぼったくりだと最近悟ったところだ。
    なぜどんないやな客でも肌を触れ合わす仕事を紫苑が選んでいるのか、トウヤには分からなかった。

    2005-11-29 06:40:00
  • 176:

    トウヤ

    同居生活も2ヶ月近くになり、だんだんあの馬鹿でかいマンションにも慣れてきた。
    紫苑はあいかわらずいるのかいないのか生活のリズムが合わなかったし、女だから…と最初心配していたヒカリに関しても、向こうが普通に接していてくれているおかげでこちらも気を使わずにすむ。
    そんなある日、疲れた身体を引きずりながら朝方家に帰ると、いつも閉まっているはずのドアが開いていた。

    2005-11-29 06:56:00
  • 177:

    トウヤ

    不思議に思いながらドアを開く。
    玄関には女物の靴。
    ヒカリが帰って来て閉め忘れたのだろうか??
    「ヒカリ〜??帰ってるのか?」

    2005-11-29 06:58:00
  • 178:

    トウヤ

    返事がない。
    まぁ部屋で寝てるのかも知れない。さすがに部屋まで入っていくわけにもいかない。
    とりあえずシャワーでも浴びようと風呂場に入った。

    2005-11-29 07:03:00
  • 179:

    トウヤ

    ドアを勢いよく開けると、大きな全身鏡の前に裸体の女。
    伸びやかな四肢。長く伸びた艶やかな髪。
    と見とれている場合じゃない。
    「ヒカリっ!!!鍵くらい閉めとけよ!!…って…え…?」

    2005-11-29 07:10:00
  • 180:

    トウヤ

    視線を床に落とすと、足元にも流れてくる赤い液体。
    「血…?…ヒカリ…?」
    急いでヒカリにもう一度視線を戻す。
    よく見ると体中に無数の傷跡。みみずばれになっているものも多く、最近のものだと分かる。

    2005-11-29 07:15:00
  • 181:

    トウヤ

    トウヤに気づいたのか、ヒカリが振り返った。
    「トウヤ…お帰り?どうしたん?」
    「いやどうしたってお前…血が…」
    振り返ったヒカリの手には血のついた剃刀。胸部の切り傷からは赤い生生しい血が流れ出している。

    2005-11-29 07:25:00
  • 182:

    トウヤ

    生々しい血と裏腹にヒカリの目はうつろだった。
    どこを見ているのか、視点があっていない。
    言葉もどこか間延びして、ろれつが回っている感じではなかった。

    2005-11-29 07:30:00
  • 183:

    トウヤ

    喧嘩で血は見慣れていたが、こんな正気の状態で見るのは初めてだ。
    気が動転する。
    とりあえず、止血しないと…!!
    と、思った矢先にヒカリの体が崩れ落ちた。

    2005-11-29 07:32:00
  • 184:

    トウヤ

    「ヒカリッ!!!!」
    急いで抱きかかえる。
    ぐったりと力なく寄りかかるヒカリをソファまで運び、急いでジーンズの後ろポケットから携帯を取り出し、紫苑の欄を探す。
    プルルルル…プルルル…。

    2005-11-29 07:35:00
  • 185:

    トウヤ

    コール音がやけに長く感じる。
    「もしもし〜??」
    30秒ほどならすと紫苑がいつもの声で電話に出た。

    2005-11-29 07:36:00
  • 186:

    トウヤ

    「紫苑!!ヒカリが…ヒカリが…」
    何から説明していいのか分からない、頭がショートしてしまったみたいだ。
    「何かあったの?今家に帰ってる途中だよ。後10分かからないくらいじゃないかな」
    深呼吸を何度かし、息を整えてから説明する。

    2005-11-29 07:39:00
  • 187:

    トウヤ

    「分かった。急いで帰るから。とにかく止血しといてね!」
    電話を切るなり、タオルを取りに行き患部に当てる。
    そうこうしているうちに紫苑が家に帰ってきた。
    「ヒカリは?血は止まった?」

    2005-11-29 07:41:00
  • 188:

    トウヤ

    紫苑がトウヤの代わりにヒカリの身体に触れる。
    「こりゃ大量だな。トウヤ、救急車!」
    救急車なんて呼ぶのは初めてだ。
    もうわけがわからない。

    2005-11-29 07:42:00
  • 189:

    トウヤ

    トウヤが少し落ち着いたのは緊急外来の待合室だった。
    ヒカリは今処置を受けている。
    医者の話によると、傷口は深いものの命自体には別状はない、とのこと。
    それを聞いて一気に力が抜けた。

    2005-11-29 07:44:00
  • 190:

    トウヤ

    かれこれ2時間になるだろうか。
    トウヤも紫苑も口を開かない。
    重苦しい空気が流れるだけだった。

    2005-11-29 07:49:00
  • 191:

    トウヤ

    その空気を破るかのように紫苑が口を開く。
    「なんか喉渇いたね〜病院って乾燥してるのかな、なんか飲む?」
    「ああ、なんか買いに行こうか」
    二人で自販機のあるロビーまで移動し、トウヤはコーヒーを、紫苑はオレンジジュースを飲んだ。

    2005-11-29 07:51:00
  • 192:

    トウヤ

    ロビーには老人や、幼い子を連れた母親で溢れかえっている。
    「なぁ。なんでヒカリの身体はあんなに傷だらけなんだ?今までにもこういうことがあったのか?」
    聞きにくい質問を潤した喉を振るわせ聞いてみた。
    紫苑はいつもとはまったく違うさめたような、諦めたような顔をする。

    2005-11-29 07:54:00
  • 193:

    あげときます♪はやく続きかいてっ!

    2005-11-29 15:18:00
  • 194:

    名無しさん

    しおり?

    2005-11-29 22:04:00
  • 195:

    トウヤ

    あげてもらってありがとうございます♪

    2005-11-30 05:31:00
  • 196:

    トウヤ

    「…自傷癖って分かるよね、リストカットしたりする人。なんでひかりがSMやってるか分かる?ヒカリはね、そんなレベルじゃないんだよ。人が感じる痛みが快感なんだ。痛くないと感じないんだ」
    痛み…。
    「俺らが普通に痛いって感じることが、ヒカリにとって気持ちいいっていうことか?」

    2005-11-30 05:34:00
  • 197:

    トウヤ

    もしそうならヒカリの身体は何だというのだ。
    自分の体が傷ついているのに、それが気持ちいいなんて。
    狂ってる。
    「そういうことだよ。」

    2005-11-30 05:35:00
  • 198:

    トウヤ

    紫苑は声のトーンを変えることなく、少し困った顔をしてこちらを見た。
    「なんで…そうなったんだ?先天的なものか?生まれつき体の痛みを感じない人間がいるってきたことはあるけど」
    「…いや。ヒカリは後天的なものだと思うよ…」
    言葉をにごす。

    2005-11-30 05:37:00
  • 199:

    トウヤ

    その先を言っていいのか迷っているようだ。
    「ヒカリがさ、そのうちトウヤにも話さなきゃいけないって言ってたから話すけど…」
    「けど…?」
    「それを聞いたからって、ヒカリを見る目を変えることだけは辞めて欲しい。トウヤなら大丈夫だと思うけど。さんざんもう傷ついてきたからさ」

    2005-11-30 05:41:00
  • 200:

    トウヤ

    思わずつばを飲み込み喉を鳴らす。
    それに気づいたのか気づいてないのか、紫苑が言葉を慎重に選ぶように話し出した。

    2005-11-30 05:42:00
  • 201:

    トウヤ

    ・・・昔々、ヒカリという小さな女の子がいました。ヒカリという名をつけたのは彼女の母親。ヒカリの家庭は裕福で、幸せそのもの。どんな境遇になっても、ヒカリの射す子でありますように。そう願ってつけられた名前でした。
    ある年のこと、会社を経営していた父親が不渡りを出し一人首をつっていました。
    それを見つけたのは3歳になったばかりのヒカリ。ヒカリは何がおこったかよく分かりません。
    母親にそれを報告すると、母親が肉の塊となった父のものに駆けつけていきました。

    2005-11-30 05:48:00
  • 202:

    トウヤ

    父親の不渡りの原因。それは母親の弟が勝手に父の名義で借金をつくり、飛んだこと。
    母は父親の親族、そして会社の社員たちの非難をいっせいに浴びました。
    母親の両親はとっくの昔に他界しており、味方についてくれる人など一人もいません。

    2005-11-30 05:51:00
  • 203:

    トウヤ

    生命保険も借金の返済や、社員たちへの分配に使われ母親とヒカリに残ったお金はまったくと言っていいほどありません。
    6畳一間の古いアパート。
    そこで暮らしていくのがやっとです。生活がついに追い詰められ、母親は夜働きに出ることにしました。

    2005-11-30 05:53:00
  • 204:

    トウヤ

    慣れない夜の仕事。手のかかる小さな子供。借金の返済。親戚からの冷たい仕打ち。
    残った母に頼るものなどありません。母親が精神的に苦しくなるのは時間の問題でした。
    最初は軽く叩かれる程度です。ご飯が抜かれる程度です。

    2005-11-30 05:56:00
  • 205:

    トウヤ

    ヒカリは母親のことが大好きだったので、なんとも思いませんでした。
    叩かれても、蹴られてもへっちゃらです。
    何をされてもニコニコ笑っています。だって泣いたら母親が悲しむと思ったから。

    2005-11-30 05:57:00
  • 206:

    トウヤ

    でもそれが母親には気に食わなかったようです。何をされても笑っているヒカリにどんどん虐待をひどくしていきます。
    でもヒカリはお風呂に顔を突っ込まれても、タバコの火を押し付けられても、大丈夫です。
    だって大好きな母親がソレをするときだけは自分の方を向いてくれるから。

    2005-11-30 06:00:00
  • 207:

    トウヤ

    そんな生活が何年も続きました。
    ヒカリは6歳になりました。
    ある日ヒカリが小学校から帰ると家に見知らぬ男と母親。
    今までも何人もの男がやってきてはいつの間にかいなくなるのでヒカリは気にもとめていませんでした。

    2005-11-30 06:03:00
  • 208:

    トウヤ

    しかし今日はなんだか様子が違います。
    母親が出て行ってしまいました。
    ヒカリは見知らぬ男と部屋に二人。

    2005-11-30 06:04:00
  • 209:

    トウヤ

    居心地が悪い気もしましたが、母親の連れてくる人に粗相は出来ません。
    早く母親が帰ってくることを祈っていました。
    「ヒカリちゃん…やんね?」
    男が話しかけてきたのでとりあえず小さな首を、コクンと振りました。

    2005-11-30 06:06:00
  • 210:

    トウヤ

    「おじさんと、少し遊ぼうか。お母さんはいいって言ってたよ?ヒカリちゃんはいい子だから、お母さんが悲しむようなことはせえへんよな?おじさんのいうこと聞けるな?」
    なんだか怖い気もしましたが母親が許可を出しているのだから、ニコニコしないといけません。
    するといきなり男がヒカリの小さな身体にのしかかってきました。

    2005-11-30 06:08:00
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