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俺ら、いくらで買ってくれますか?
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1:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ようやく夢に見たNO.1にのしあがった。今、あいつらは二人は今何やってるんだろう?
紫苑、ヒカリ。
たまには俺だって感慨深くなるさ。
会いてぇな、お前らに。2005-11-09 22:42:00 -
176:
トウヤ
同居生活も2ヶ月近くになり、だんだんあの馬鹿でかいマンションにも慣れてきた。
紫苑はあいかわらずいるのかいないのか生活のリズムが合わなかったし、女だから…と最初心配していたヒカリに関しても、向こうが普通に接していてくれているおかげでこちらも気を使わずにすむ。
そんなある日、疲れた身体を引きずりながら朝方家に帰ると、いつも閉まっているはずのドアが開いていた。2005-11-29 06:56:00 -
177:
トウヤ
不思議に思いながらドアを開く。
玄関には女物の靴。
ヒカリが帰って来て閉め忘れたのだろうか??
「ヒカリ〜??帰ってるのか?」2005-11-29 06:58:00 -
178:
トウヤ
返事がない。
まぁ部屋で寝てるのかも知れない。さすがに部屋まで入っていくわけにもいかない。
とりあえずシャワーでも浴びようと風呂場に入った。2005-11-29 07:03:00 -
179:
トウヤ
ドアを勢いよく開けると、大きな全身鏡の前に裸体の女。
伸びやかな四肢。長く伸びた艶やかな髪。
と見とれている場合じゃない。
「ヒカリっ!!!鍵くらい閉めとけよ!!…って…え…?」2005-11-29 07:10:00 -
180:
トウヤ
視線を床に落とすと、足元にも流れてくる赤い液体。
「血…?…ヒカリ…?」
急いでヒカリにもう一度視線を戻す。
よく見ると体中に無数の傷跡。みみずばれになっているものも多く、最近のものだと分かる。2005-11-29 07:15:00 -
181:
トウヤ
トウヤに気づいたのか、ヒカリが振り返った。
「トウヤ…お帰り?どうしたん?」
「いやどうしたってお前…血が…」
振り返ったヒカリの手には血のついた剃刀。胸部の切り傷からは赤い生生しい血が流れ出している。
2005-11-29 07:25:00 -
182:
トウヤ
生々しい血と裏腹にヒカリの目はうつろだった。
どこを見ているのか、視点があっていない。
言葉もどこか間延びして、ろれつが回っている感じではなかった。2005-11-29 07:30:00 -
183:
トウヤ
喧嘩で血は見慣れていたが、こんな正気の状態で見るのは初めてだ。
気が動転する。
とりあえず、止血しないと…!!
と、思った矢先にヒカリの体が崩れ落ちた。2005-11-29 07:32:00 -
184:
トウヤ
「ヒカリッ!!!!」
急いで抱きかかえる。
ぐったりと力なく寄りかかるヒカリをソファまで運び、急いでジーンズの後ろポケットから携帯を取り出し、紫苑の欄を探す。
プルルルル…プルルル…。2005-11-29 07:35:00 -
185:
トウヤ
コール音がやけに長く感じる。
「もしもし〜??」
30秒ほどならすと紫苑がいつもの声で電話に出た。
2005-11-29 07:36:00 -
186:
トウヤ
「紫苑!!ヒカリが…ヒカリが…」
何から説明していいのか分からない、頭がショートしてしまったみたいだ。
「何かあったの?今家に帰ってる途中だよ。後10分かからないくらいじゃないかな」
深呼吸を何度かし、息を整えてから説明する。2005-11-29 07:39:00 -
187:
トウヤ
「分かった。急いで帰るから。とにかく止血しといてね!」
電話を切るなり、タオルを取りに行き患部に当てる。
そうこうしているうちに紫苑が家に帰ってきた。
「ヒカリは?血は止まった?」2005-11-29 07:41:00 -
188:
トウヤ
紫苑がトウヤの代わりにヒカリの身体に触れる。
「こりゃ大量だな。トウヤ、救急車!」
救急車なんて呼ぶのは初めてだ。
もうわけがわからない。2005-11-29 07:42:00 -
189:
トウヤ
トウヤが少し落ち着いたのは緊急外来の待合室だった。
ヒカリは今処置を受けている。
医者の話によると、傷口は深いものの命自体には別状はない、とのこと。
それを聞いて一気に力が抜けた。2005-11-29 07:44:00 -
190:
トウヤ
かれこれ2時間になるだろうか。
トウヤも紫苑も口を開かない。
重苦しい空気が流れるだけだった。2005-11-29 07:49:00 -
191:
トウヤ
その空気を破るかのように紫苑が口を開く。
「なんか喉渇いたね〜病院って乾燥してるのかな、なんか飲む?」
「ああ、なんか買いに行こうか」
二人で自販機のあるロビーまで移動し、トウヤはコーヒーを、紫苑はオレンジジュースを飲んだ。2005-11-29 07:51:00 -
192:
トウヤ
ロビーには老人や、幼い子を連れた母親で溢れかえっている。
「なぁ。なんでヒカリの身体はあんなに傷だらけなんだ?今までにもこういうことがあったのか?」
聞きにくい質問を潤した喉を振るわせ聞いてみた。
紫苑はいつもとはまったく違うさめたような、諦めたような顔をする。2005-11-29 07:54:00 -
193:
○
あげときます♪はやく続きかいてっ!
2005-11-29 15:18:00 -
194:
名無しさん
しおり?
2005-11-29 22:04:00 -
195:
トウヤ
あげてもらってありがとうございます♪
2005-11-30 05:31:00 -
196:
トウヤ
「…自傷癖って分かるよね、リストカットしたりする人。なんでひかりがSMやってるか分かる?ヒカリはね、そんなレベルじゃないんだよ。人が感じる痛みが快感なんだ。痛くないと感じないんだ」
痛み…。
「俺らが普通に痛いって感じることが、ヒカリにとって気持ちいいっていうことか?」2005-11-30 05:34:00 -
197:
トウヤ
もしそうならヒカリの身体は何だというのだ。
自分の体が傷ついているのに、それが気持ちいいなんて。
狂ってる。
「そういうことだよ。」2005-11-30 05:35:00 -
198:
トウヤ
紫苑は声のトーンを変えることなく、少し困った顔をしてこちらを見た。
「なんで…そうなったんだ?先天的なものか?生まれつき体の痛みを感じない人間がいるってきたことはあるけど」
「…いや。ヒカリは後天的なものだと思うよ…」
言葉をにごす。
2005-11-30 05:37:00 -
199:
トウヤ
その先を言っていいのか迷っているようだ。
「ヒカリがさ、そのうちトウヤにも話さなきゃいけないって言ってたから話すけど…」
「けど…?」
「それを聞いたからって、ヒカリを見る目を変えることだけは辞めて欲しい。トウヤなら大丈夫だと思うけど。さんざんもう傷ついてきたからさ」2005-11-30 05:41:00 -
200:
トウヤ
思わずつばを飲み込み喉を鳴らす。
それに気づいたのか気づいてないのか、紫苑が言葉を慎重に選ぶように話し出した。
2005-11-30 05:42:00