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ヴァンパイア
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1:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
ヴァンパィア…つまりドラキュラの事。真っ黒な羽をはばたかせ、闇に紛れて鋭い牙で女の生き血を吸う。自分勝手で非情、まさに悪魔。そのくせ日の光にめっぽう弱くて、朝には棺桶の中で仮死状態になる。
まるで俺みたいだよな。2005-11-25 01:53:00 -
12:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
タクシーを拾い、5分ほど走らせた所に俺の家はある。下から見下ろすと圧迫感のある、13階建てのマンション。エレベーターに乗り、7階のボタンを押す。鍵をあけると、そこには2LDKの空間が広がる。寝室に入るなり、俺はベッドに倒れ込み、そのまま深い眠りについた。
2005-11-30 20:09:00 -
13:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
俺は櫻井 彰、21歳。ホスト歴は3年。ホストクラブ《ビーナス》のNo.3だ。
本名は…言わない。俺の本名を知ってるやつなんて、この街には一人もいやしない。2005-11-30 20:15:00 -
14:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
ついでに友達も、恋人もいない。愛なんて知らない、いらない。そんなものがあるから、人は自分の進むべき道を進めなくなってしまうんだ。夜の世界に入ってから、客に情を持ったことなど一度もない。女イコール金。奴らは俺に大金を使う価値を見出だしている。だから奴らにどんなことをしようと、俺の自由じゃないか。
俺は俺なりに、そのやり方で結果を出してきた。2005-11-30 20:23:00 -
15:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
ある日の営業中。
―――バンッ!!!
すごい音と共に店の扉が開いた。一瞬店内が静まりかえる。そこに立っていたのは、同い年くらいの、ケバい女が眉間にしわを寄せて立っていた。俺はその時、客の卸したピンドンを席に持って行く途中だった。その女はつかつかと一直線に俺のほうにやってきた。
『あんたがアキラ!?』2005-11-30 20:36:00 -
16:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
なんなんだよ一体。誰だよお前。
―――バッチ-ーン!!!
これまたすごい音が響いて、同時に俺の頬に痛みが走る。
『あんたのせいで…あんたのせいでねぇ…小春が…』
その女は泣いていた。小春…コハル……ああ、半年前にソープに沈めた客か。2005-11-30 20:42:00 -
17:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
慌てて代表が走ってきて、とりあえず事務所で話を聞くよとなだめる。俺ももちろん連行された。
その女は小春の親友らしい。話によると、小春は俺に金を使いたいがために店の掟を破って生でやらせていたため、梅毒にかかってしまったのだという。本人が気付かず放置していたため結構重症で、今は入院しているらしい。最近連絡が取れないと思ったら、そんなことがあったのか。
『小春、ほんまにつらそうやねん…あんた、見舞いに行って小春に謝ってよ』2005-11-30 20:51:00 -
18:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
俺はさも深刻そうな表情で言った。
「そうだったんだ…小春には、ほんまに悪いことした。俺忙しいけど、近いうちに時間作ってお見舞いに行って、謝るよ。〇〇ちゃん(小春の親友)にも、迷惑かけてごめんな」
それを聞いて安心したのか、小春の親友は帰って行った。2005-11-30 20:56:00 -
19:
雛美 ◆ZJjv/8qXNM
見舞いになんか行くわけねーだろ。俺は忙しいんだよ。つーか性病になったのだって、自業自得じゃん。そんなことでわざわざ店に押しかけてくんなよ。客の前で思いっきりひっぱたきやがって。ふざけんな。
イライラしていると、誰かにポンと肩を叩かれた。振り向くと、代表兼No.1の和也さんだった。2005-11-30 21:01:00 -
20:
名無しさん
更新してください
2005-12-21 23:36:00 -
21:
名無しさん
かかへんなら消して
2005-12-28 02:47:00