-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
しゅわしゅわ
-
1:
ユキ ◆owsZ6N97vY
─あの夏、あたしは初めて恋をした。忘れないよ、あなたがくれた大切なもの。
2005-12-13 08:03:00 -
2:
ユキ ◆owsZ6N97vY
あたしは、目の前の数式が並んだプリントに顔を、押しつけた。
「もーいやー!!」
誰も居ない教室で、一人叫んだ。
「夏なんか、嫌いだー!!」2005-12-13 08:18:00 -
3:
ユキ ◆owsZ6N97vY
世間は、夏休み。
なのに、あたしは、夏休み初日から毎日、学校に来ている。
最低な、夏休み。2005-12-13 08:21:00 -
4:
ユキ ◆owsZ6N97vY
あぁ、十七歳の夏が腐っていく。
外は、痛いぐらいの夏の日差しが、降り注いでるのに。あたしは、一人牢屋の様な教室で、数式と向かい合っている。2005-12-13 08:25:00 -
5:
ユキ ◆owsZ6N97vY
本当なら、今ごろクーラーが効いた部屋で、ゴロゴロしてたのに。
「あたしの、夏を返せー!!!」
一人ごとを、思い切り叫んだ時だった。
「!!!ぎゃ!?」2005-12-13 08:30:00 -
6:
ユキ ◆owsZ6N97vY
首に、いきなり冷たい感触がした。
あたしは、驚き、変な声を出した。
「ばーか!カエルみたいな声だったぞ!」
振り反ると、声の主が意地悪く笑っていた。2005-12-13 08:34:00 -
7:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「いーけーだー!」
あたしは、握りこぶしを池田に向けた。
「なんだ、元気じゃん。」
池田は、ひょいとよけて、また、笑っていた。
むかつく!
池田は、涼しい顔をして手に持っていた、コーラの缶を空けた。2005-12-14 04:28:00 -
8:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「そんな、怒るなって、ほら。」
そう言いながら、缶をあたしの方へ向けた。
「あたし、コーラ飲めないから。いらない。」
「あっそ。かわいくねー。」池田は、少しすねた様な顔をして、あたしの後ろの机に腰掛けた。2005-12-14 04:33:00 -
9:
ユキ ◆owsZ6N97vY
池田はごくごくと、音を立ててコーラを飲み干した。「練習終わったの?」
「いや、休憩。てか、あちいなぁ。」
そう言いながら、泥だらけの、野球のユニフォームのボタンを空け始めた。
シャツも、茶色に変わっていて汗ではりついていた。2005-12-14 04:38:00 -
10:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「頑張ってるんだねえ。」
真っ黒に日焼けした顔、体。また、背が伸びたみたいだ。その姿を見て、正直な感想が出た。
「ああ、来年こそ甲子園だからな。」
ボウズ頭を触りながら、池田が言った。2005-12-14 04:43:00 -
11:
ユキ ◆owsZ6N97vY
池田は、一年の時から一緒のクラス。
席も近かったから、自然と仲良くなって、男とか女とか関係なくいいケンカ友達になっている。
「俺が、甲子園行ったら、またもてるんだろーな。」2005-12-14 04:48:00 -
12:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「だって、告白してくる子みんなかわいいんだもん。」
ボク!!
あたしは、池田の後頭部を思い切り殴った。池田は、痛そうに頭を、両手で抱えている。
「きもい!」2005-12-14 05:02:00 -
13:
ユキ ◆owsZ6N97vY
あたしが住む田舎では、ちょっとした有名人の池田は、校内だけじゃなく、他校生の女子からも告白されるぐらい、よくもてる。
たしかに、いい奴だが、何故もてたり、かっこいいと言われるのか、あたしには、全然分からなかった。2005-12-14 05:09:00 -
14:
名無しさん
レイコの作者さんやぁ 頑張って☆
2005-12-14 05:45:00 -
15:
ユキ ◆owsZ6N97vY
17さん??ありがとー\(~o~)/大分前の、レイコ覚えていてくれて?とても嬉しいです???頑張ります???
2005-12-14 08:17:00 -
16:
ユキ ◆owsZ6N97vY
あたしは、冷たく言った。バッ!
「あっ!」
池田が、一瞬のスキに、あたしの数学のプリントを奪って、勝ち誇った様に笑った。
「バカは、お前だろ?」
プリントの回答欄は、真っ白だった。2005-12-14 08:28:00 -
17:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「返してよ!」
池田は、意地悪く笑う。
「取り返してみろよ。」
あたしの顔の前で、プリントをひらひらさせる。
むかつく!あたしは、頭に血が昇るのが分かった。2005-12-14 08:31:00 -
18:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「ガキ!この野球バカ!」
あたしは、暴言を吐きながら必死でプリントを取り返そうとした。
「ほら、どうした!補習女!早くとれよ!」
池田は、楽しそうにからかいながら、プリントを持っている手を上げたり下げたりして、あたしの手をよけていく。あたしは立ち上がり、どんどんムキになっていった。2005-12-14 08:37:00 -
19:
ユキ ◆owsZ6N97vY
にやにやしながら、言ってきた。む、むかつく!
「ご、ごめん。」
あたしは、むかむかしながら、言った。池田がにんまり笑顔になった。
「よろしい。」2005-12-14 08:48:00 -
20:
ユキ ◆owsZ6N97vY
池田が、手を下ろしてプリントをあたしに差し出した。その時。
ビュ!!
「あー!」
強い風が、掴もうとしたプリントを宙に舞わせた。そして、そのまま窓の外へと連れ去って行ってしまった。
「あー、あー、もー!!」2005-12-15 05:38:00 -
21:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「ちょっと、どーすんのよ!」
あたしは、怒りながら池田を見上げた。
「ちょっと!?」
反応の無い池田は、顔を真っ赤にしてあたしの顔を見ていた。2005-12-15 05:41:00 -
22:
ユキ ◆owsZ6N97vY
?、どーしたんだ?
あたしは、池田の胸の中にいる事に気付いた。プリントを追う内に、自然になったんだろう。
顔が、真っ赤なままで池田は動かない。
「ちょっと?なんか言いなよ。」2005-12-15 05:52:00 -
23:
ユキ ◆owsZ6N97vY
池田は、何も言わずにあたしの顔を見ている。なんだ、こいつ?もーいーや!
あたしは、無視して窓に駆け寄り外を見下ろした。
二階から、白い小さなプリントがすぐ真下にあるのが見えた。2005-12-15 05:57:00 -
24:
ユキ ◆owsZ6N97vY
すると、そばにある自転車置場から人影が見えた。
後ろ姿だったけど、うちの学校の制服を着た男子だった。プリントの方まで歩いていった。
あたしは、大声で叫んだ。「すいませーん!そこの、君ー!」2005-12-15 06:02:00 -
25:
ユキ ◆owsZ6N97vY
その男子は、あたしの声に気付いて顔を上げた。
あたしは、目が悪いのでどんな顔かその時ちゃんと見えなかった。
「すいませんー。そこに落ちてるプリント、ここまで持って来てくれませんかー?」2005-12-15 06:07:00 -
26:
ユキ ◆owsZ6N97vY
あたしは、かまわず叫んだ。男子は、プリントを拾いうなずいた。
あーよかった。
グイ!!
「え!?」2005-12-15 06:09:00 -
27:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「何?どーした?」
いきなりあたしは、腕をひっぱられた。振り向くと池田が、あたしの腕をつかんだまま無言で立っていた。やっぱり赤い顔のまま、あたしの顔をめずらしく真剣な顔で見ている。
なんだ?こいつ?2005-12-15 06:15:00 -
28:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「何?」
あたしも、首をかしげながら池田を見た。
つかまれた腕に力が、どんどん入ってくのが分かった。痛いって!
「お前さぁ、好きな奴とか出来た?」2005-12-15 06:18:00 -
29:
ユキ ◆owsZ6N97vY
はぁ?なんだ、こいつ。
「そんなの、あんたも知ってる通り、17年間いないよ。悪かったわね。」
少しの沈黙のあと、池田の喉が鳴った。
「あのさ、俺さ。その。」
?なんだ?いつもは、歯切れよく喋る奴なのに、今は言葉が途切れまくっていた。 「俺、お前のこと。」2005-12-15 06:24:00 -
30:
ユキ ◆owsZ6N97vY
ガラ!
池田の言葉の途中で、教室の戸が開いた。
「お邪魔だったかな?」
廊下から、一人の男子がこっちを見ていた。手にはあたしのプリントを持っていた。2005-12-15 06:29:00 -
31:
名無しさん
楽しみにまってます?かいてください?
2005-12-20 02:23:00 -
32:
ユキ ◆owsZ6N97vY
36さん?ありがとー\(~o~)/今から更新します????読んでくれてありがとーです
2005-12-20 02:27:00 -
33:
ユキ ◆owsZ6N97vY
「お前バカだろ?」
池田が勝ち誇ったように、あたしに言った。言い返したかったが、その通りなので我慢した。だって!仕方ないじゃない!一学期はほとんど入院してたんだもん!新しく一緒になった、クラスの子の顔なんか覚えれないよ!2005-12-20 02:53:00 -
34:
ユキ ◆owsZ6N97vY
その顔は、本当に無表情で…、こわかった。
「よかったな。俺に感謝しろ!」
その横で、のんきに池田が笑っている。人の気も知らないで!バカ池田!
「何がよ?」
あたしは、ちょっとイライラしながら聞いた。2005-12-20 03:57:00 -
35:
名無しさん
続ききになる?がんばってね?
2005-12-20 05:18:00 -
36:
ユキ ◆uMwfjl8xtA
「池田センパーイ!」微妙な空気を、壊すかの様に窓の外から大きな声が聞こえた。
「監督呼んでますよー!早く来て下さい。」2005-12-26 04:32:00