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失ったもの
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1:
M
―am3:00―
しわくちゃに乱れたシーツの上で、天井に向かってユラユラ昇るタバコの煙を
ボーッと眺めていた。2005-12-24 09:38:00 -
11:
「あ゙ずざぁ゙ぁ〜!!」
ワンワン泣きながら抱きついてきた人影は…
幼なじみのユリだった。
こんなとこで泣き喚かれても近所迷惑だから、とりあえず部屋へ入れてあげた。2005-12-24 10:18:00 -
12:
ユリとは家も近く、小学校からずっと一緒だった。
アタシのどこか冷めた性格と、ユリの熱くなりやすい性格は全く正反対なのに、どこか同調するところがあって、すぐ仲良くなれた。
冷たいアイスティーをグラスに注ぎながら、ユリが泣き止むのを待った。2005-12-24 10:21:00 -
13:
『で、どうした?』
マスカラの滲みまくった目をティッシュでゴシゴシ拭くユリに、ゆっくりした口調で問い掛けた。
「ヒロ君が…浮気してた」『はっ?マジで?』2005-12-24 10:24:00 -
14:
「しかも中学生だよ!?信じらんない!!」
アタシはまさしく、【開いた口が塞がらない】状態だった。ユリの彼氏のヒロ君は、人見知りが激しくて、ド派手なユリと対照的で、どっちかとゆうとおとなしい人だった。
前に2、3度アタシと逢った時もほとんど喋らず、ガンガン喋り続けるユリの横で『うん、うん』と相づちを打っているくらい。2005-12-24 10:29:00 -
15:
そんなんする人には見えなかったのにね、と言いながら、化粧ボロボロのユリにアイスティーを差し出す。
「ありがと…」と呟いて、また泣きだしてしまった。正直、たかが男の事でそこまで泣けるユリがわからなかった。2005-12-24 18:57:00 -
16:
ユリも、ほんの2年前までは、SEX大好き♪とゆうオーラを全身からかもし出しているような女だった。それがどうだろう。
1年半前にヒロ君と出会ってからは、すっかり人が変わってしまった。
あんなに一緒に繰り出していた夜の街にも、
ポリシーだと言っていたミニスカも、全く魅力を感じなくなったらしい。2005-12-24 19:01:00