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新人キャバ嬢桃子の事件簿

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  • 1:

    あっf^_^;フィクションです。

    2005-06-01 21:51:00
  • 2:

    「いらっしゃいませ〜」
    「しおりちゃん3番号テーブルご指名です」ガヤガヤ…
    はぁぁ。私は思わずため息をついた。まだ、この雰囲気に慣れない。待機席から見る店内はいつも映画を見てるように遠い世界だった。

    2005-06-01 21:55:00
  • 3:

    私、野澤桃子がこの北野坂にあるキャバクラ『CURIOUS』で働き始めて2週間がたつ。きっと華やかで楽しいんだろうなぁと甘い考えで入った私だが、現実は超厳しかった。話し方、気配り、そして話術…キャバ嬢としての心得なんて全くない私にはすぐに仕事が苦痛になった。
    ヘルプにつけば何をしていいかわからず、おろおろしてメインの女の子にあきれられる。お酒なんて飲んだ事がないから水割りすら作れない。二週間たった私の居場所はつねに『待機席』だった。

    2005-06-01 22:10:00
  • 4:

    名無しさん

    「かおる〜東京の専門いくんだってぇ??すごいなぁぁ…なんかあんまり会えなくなるの淋しいよぉ↓↓」「そりゃかおるだって淋しいし不安だよ。でもさぁ、そこの学校授業がすごい充実してるんだよね。かおるはいつか自分のブランド立ち上げるのが夢だし、やっぱ早いほうがいいじゃん??ねぇ、桃子はどーすんの??」
    私は答えられなかった。ただなんとなく大学いこっかなぁくらいしか考えてなかったからだ。ずっと一緒にいたかおるが夢に向かって確実に進んでいる…うれしいけど、なんか取り残された気持ちになってしまった。

    2005-06-01 22:39:00
  • 5:

    それから、私はこれからの自分について考えることが多くなった。たしかに大学いって、そこから何かしたい事が見つかるかもしれない。でも私はこのまま地元にいたら家族や友達に甘えてしまう。一度家を出て自分で生活してみよう…ずっと考えた私の結論はそれだった。

    2005-06-01 22:45:00
  • 6:

    それから2日後、コンビニでたまたま立ち読みしていたヘアカタログに「関東最大のヘアサロン『ミュゼ』神戸に新店オープン」という記事を見つけた瞬間に心を奪われた。べつに美容師になりたいなんて一度も思ったことがない。でも今、未熟な私が自立していくのには適切な選択のような気がした。

    2005-06-01 23:00:00
  • 7:

    名無しさん

    よんでます?

    2005-06-01 23:54:00
  • 8:

    9サン、ありがとうございます$GPPPめちゃめちゃうれしいです(>_

    2005-06-02 00:32:00
  • 9:

    「はっ!?神戸!?」
    その夜私が美容師として神戸に行きたいと話したらパパは読んでいた新聞を落としそうなくらい驚いていた。かけていた眼鏡も落ちそうだ。
    「お前美容師になりたいなんて一回も聞いた事ないぞ!!しかも神戸なんて遠いところ絶対にダメだ!!」「私は一回自分でどこまでできるか試してみたいんだよ。パパ、お願い…」
    「桃子…あんた、本気なの??」
    ママも心配そうにこっちを見ている。私は二人に自分なりに考えた答えを話した。

    2005-06-02 00:43:00
  • 10:

    『ミュゼ』に入社してから3日間の事は、今思い出してもつらくて吐きそうだ。私達新卒の美容師見習いは3日間営業中はずっと通路の邪魔にならない所に立って声出し。ただそれだけ。もちろんお昼ご飯を食べる時間もくれない。そして営業が終わってから丸坊主のウィッグを使ってシャンプーの手の動きをずっと練習した。家に帰ればもう12時近くでこの3日で私と一緒に入った20人のうち17人も辞めていった。

    2005-06-02 01:03:00
  • 11:

    でも私は辞めなかった。美容師になりたいという気持ちがない分、がんばらなくてはという負けず嫌いな性格がでてきてただがむしゃらに仕事にうちこんだ。ただ、現実はどうしようもない…一ヶ月たった私の手元に届いた初給料は教育費や保険をひかれてたったの6万円だった。

    2005-06-03 00:12:00
  • 12:

    名無しさん

    たのしぃ?

    2005-06-03 01:03:00
  • 13:

    16サン、ありがとうございます$Gvv

    2005-06-03 01:18:00
  • 14:

    「麗央ちゃん!!れーおーちゃん☆」
    急に呼ばれてはっと我に帰った。
    「あっ…アリサさん。おはようございます。」
    「おっはー☆☆」
    待機席にすとんと座る。『CURIOUS』でナンバー2のアリサさんだ。私が初めてこの店に入ってからいろいろ気にかけてくれていた。私の東京弁(埼玉だけど)がバカにしてるみたいでむかつくってほかの女の子が陰口を言っていた時も「そんなん麗央ちゃんここ出身ちゃうから当たり前やろ。そんなんゆーてるヒマあるならもっと営業し!!」と女の子に一喝してくれたのだ。私にとって、お姉さんのような存在だった。

    2005-06-03 01:34:00
  • 15:

    「アリサさん今日出勤でしたっけ??」
    「それがさぁぁ、彼氏急に仕事呼ばれて今日の約束ドタキャンされてん。でヒマやし今日女の子少ないらしいから入ろっかなって思って。麗央ちゃんいてるしなぁ。」
    麗央とは私の源氏名だ。面接の時に店長に
    「今『れ』のつく女の子おれへんねんよなぁ。自分顔ハッキリしてるし桃子より麗央のほうがしっくりくるわ。そぉしぃ!!」
    と半分強引につけられた。まぁ、気に入ってるからいいけど。
    「慣れたぁ??」
    「まだ、全然です…何していいかわかんなくて…」
    「そっかぁ。今日フリーのお客さんきたら一緒に入ろうよ。店長に頼んでみるから。それでいろいろ見て覚えていったらええやん☆」ほんとにいい人だなぁ…

    2005-06-03 01:47:00
  • 16:

    その夜、私とアリサさんは新規のお客さんに2組ついた。アリサさんの接客は当たり前だけどカンペキだ。「アリサちゃんやったっけ??自分とおったらほんま楽しいわぁ。名刺ちょうだいよ。また来るから」
    「うん☆ありがとぉ。。メルアドも書いとくしまたメールしてやぁ。」
    新規のお客さんのハートもつかむアリサマジック。隣のボックスではナンバー1のまやさんがお客さんと楽しそうにしゃべっている。まやさんはこの店で断トツに美人だけど店の子とは仕事以外では一切しゃべらない。ただ、お客さんからの人気はものすごい。

    2005-06-03 02:00:00
  • 17:

    一瞬、まやさんと目があった。何かいいたそうな目。いったいどうしたんだろう…
    「じゃぁそろそろ帰るわぁ。」
    「あっ…ありがとうございました!!」
    お客さんがチェックを始めたので私はすぐに目線を戻した。

    2005-06-03 23:45:00
  • 18:

    今日は水曜でお客さんが少ないという事で、私とアリサさんは早上がりした。
    「なぁ、麗央ちゃん。今からヒマぁ??飲みにいかへん??」
    アリサさんがロッカーでドレスを脱ぎながら誘ってきた。
    「すいません…うれしいんですけど明日も朝から仕事なんです。」
    「えっ??麗央ちゃん昼間仕事してんの??」
    「一応、美容師を…まだ見習いですけど。」
    「すごいやん!!ほんなら1時間だけ相手してよ。すぐ帰るからさ。」
    結局私はアリサさんに連れられて東門にむかった。

    2005-06-03 23:54:00
  • 19:

    まるで迷路のような東門街を歩いて、一つのビルの前で止まった。
    「あっ、エレベーター止まってるわぁ。乗ろ。ここの3階やから。」
    私とアリサさんはエレベーターに乗った。
    ドアの向こうからカラオケの声と女の子達のはしゃぎ声。ドアには『百花繚乱』と書いてある。
    「アリサさん??ここ…」「あっ、ホスト。うちの彼氏働いてるねん。」
    ギイッ…アリサさんが重そうなドアを開けた。

    2005-06-04 00:03:00
  • 20:

    「はは。かわいいな。俺は大和といいます。はじめまして。」
    ヤマトさんはそう言ってアリサさんの隣に腰かけた。どうやらこの人がアリサさんの彼氏らしい。
    「麗央ちゃんはなんか飲む??」
    「あっ、大和。麗央ちゃん明日も朝から仕事やねんて。だから烏龍茶出したげて。」
    「了解☆☆」
    大和さんはカウンターの子に注文してくれた。

    2005-06-04 00:21:00
  • 21:

    眠い。私はまたひとつあくびを噛み殺した。寝ないで仕事はやっぱりきついわ。「自分眠そうやなぁ〜なんやぁ、彼氏寝かせてくれんのかぁ??」
    シャンプーしていたお客さんにそう言われて私はあわてた。
    「あっ、すいません…昨日つい借りたビデオ見てて…」
    とっさに嘘がでた。

    2005-06-05 22:24:00
  • 22:

    「彼氏おらんの??」
    なおもそのお客さんは聞いてきた。今まで何回か見た事がある。毎月カラーしにくるお客さんだ。目がくりくりしてて、笑うと八重歯が見える。
    「いないですよぉ。募集中です。」
    最近キャバクラの成果がでだしたわ。やっとお客さんとしゃべれるようになってきた。

    2005-06-05 22:31:00
  • 23:

    名無しさん

    略がだるくて読む気せーへん

    2005-06-05 22:32:00
  • 24:

    「ほな立候補するわ☆俺安藤恭平。19歳の学生やから。今度デートしてや。」
    きょとんとする私ににっと八重歯を見せてそのお客さんはシャンプー台からセット面に歩いていった。
    (さすが神戸の人は口説くのも慣れてるなぁ)と私はぽかんとしながらその姿を目で追っていた。

    2005-06-05 22:38:00
  • 25:

    最近、まやさんとすごく目があう。最初は気のせいかとも思ったけどこんなに多いとどうやら気のせいではないらしい。一度話をしたいけど終わる時間が違うからそれもできないままだ。ある日、待機席で隣にいたしおりさんに聞いてみた。

    2005-06-05 22:44:00
  • 26:

    「あのぉ、まやさんてどんな方なんですか?」
    しおりさんはこの店で1番古い。みんなのいい相談役だった。
    「ん??まやちゃん?あの子めっちゃいい子やで。明るいし、面倒見もいいし。だから下の子から慕われてたなぁ。」
    そうだったんだ。今のまやさんからは想像がつかない。
    「でもな、半年くらい前から今みたいに店の子とはしゃべらんくなったけど…」しおりさんは声をおとした。

    2005-06-05 22:51:00
  • 27:

    「ある日急にやからあたしも心配なってさ。どーしたん?て聞いてもなんでもないです、しか言わへんねん。まやちゃんがそんなんになる前あの子が可愛がってた子が次々辞めていったからショックでかなぁって思ったけど…」
    そうだったのか…でも、だとしたらまやさんは私に一体なんの用事なんだろう?私がもっとしおりさんに話を聞こうとした時、アナウンスで「麗央ちゃん5番テーブルお願いします。」と呼ばれた。

    2005-06-05 22:59:00
  • 28:

    私がついた席では、すでにありささんが楽しそうに笑っていた。
    「失礼しまぁす。はじめまして。麗央です。」
    若い団体さんだな。私は名刺を渡そうと手をのばした瞬間に固まった。見覚えのある顔…
    「あれっ!?自分、もしかして…」
    「しぃっ!!」
    私はあわてて人差し指を口にあてた。なんとそこには、安藤恭平が座っていたのだ。

    2005-06-05 23:08:00
  • 29:

    「なぁんやぁ恭平。こんなかわいい子と知り合いなんかぁ??」
    「いやぁ、人違いっすわ。似てただけやった。」
    彼はそうごまかして、私の隣に座り直し小声で聞いてきた。
    「自分『ミュゼ』の子やんなぁ?なんで夜しとん?」「給料が安くて生活できないからですよ。自活してるんで…。」

    2005-06-05 23:15:00
  • 30:

    「そっかぁ。それにしても女の子って変わるもんやなぁ。」
    恭平は私の姿をじろじろ眺める。そりゃそうだ。いつもはストレートな髪をコテでぐりんぐりんに巻いて、お姉雑誌で学習した濃いめのメイクにつけまつげ。アリサさんからもらった黒いひらひらのワンピを来た私はどっから見ても『夜の女』だ。

    2005-06-05 23:22:00
  • 31:

    「できたらお店には言わないでもらえるとありがたいんだけど…」
    私が申し訳なさそうにいうと、恭平は笑った。
    「言うつもりなんか元々ないから。それよりさぁ、自分月曜休みやろ?ほんならこないだの約束♪どっか行こやぁ。」
    明るく言う彼に、私はつられて笑い月曜日のデートをオッケーした。

    2005-06-08 23:51:00
  • 32:

    月曜日、私と恭平は国際会館の大階段で待ち合わせした。今日はなんだか早くに目が覚めたから私は待ち合わせの時間より30分も早く来てしまった。(なんかドキドキするなぁ…)天気は快晴で雲一つない。私は階段に腰かけてうっとりと目をつぶった。

    2005-06-09 00:00:00
  • 33:

    すると肩をぽんぽんたたかれた。はっと後ろを振り返るとそこには恭平がいた。「自分早いなぁ。まだ約束の時間まで20分あるやん。」
    そう言いながら私の横に腰かけた。
    「そういう恭平…さんだって早いじゃん。」
    「恭平でいいし。俺結構待つん好きやからなぁ。」
    恭平は煙草にしゅっと火をつけた。

    2005-06-09 00:06:00
  • 34:

    それにしても恭平ってよく見るとすごくかっこよかったんだ…。Tシャツからのびた腕は細いのに、しっかり筋肉がついていて昔何かスポーツをやっていたらしい体つきだった。きっと全身余分な肉なんかついてないだろう。私はつい恭平の体を想像してしまい、顔が赤くなった。

    2005-06-09 00:14:00
  • 35:

    「何一人でにやにやしてんねん。今日どないする?」恭平にそう言われ私は自分の想像がばれたんじゃないかとますます赤くなった。「な…何でもいい!!私まだよく神戸知らないし。」「そういや東京弁やもんな。ほんなら今日は俺がいろいろ連れてったるわ。」
    そう言って恭平は立ち上がると私の方を見た。
    「なぁ、てか自分の名前知らんわ。なんてゆーん?」「野澤桃子…」桃子。ダサい名前だ。自分でもイヤになる。
    「そっかぁ。ほな行くか、モモ☆」
    そんなふうに呼ばないでよ。なんか、ドキドキする…

    2005-06-09 00:22:00
  • 36:

    突然の恭平の申し出に私はすごくうれしくなった。実は私は、一回も海に行った事がないのだ。
    「えっ!!行きたい!!すぐ着く?」
    「ちょっと電車乗らなあかんけどすぐやで☆」
    あせる私をなだめて恭平はJRの駅まで連れていってくれた。

    2005-06-09 00:44:00
  • 37:

    恭平が連れてきてくれたのは須磨海岸だった。
    「すご〜い!!おっきぃ!!うわ、船が見える!!」「はしゃぎすぎやろ。でも連れてきたかいがあったわぁ。ほら、あっち明石大橋見えるで。」
    恭平が指差したほうに大きい吊橋があった。
    「あっ、これが世界一長い吊橋?」
    「せやったかなぁ??もうちょい暗くなったらライトアップするねんけど…」
    「えっ、じゃぁそれまで待ってようよ。私見たいかも。」
    私と恭平は砂浜に腰をおろした。

    2005-06-09 01:21:00
  • 38:

    時計を見ると6時半だった。今日は多分私が神戸に来て1番充実した日だ。
    「ありがとね、恭平。今日すごい楽しかった。」
    「なんやねん、急にそんなん言われたらびっくりするやん。」
    「だってこんなに時間過ぎるの早く感じたの久しぶりだもん。恭平と出会ってまだちょっとなのに、こんなに遊んでくれてまじ感謝してる。」
    その言葉に恭平は急に真顔になってこっちを向いた。「ちょっとちゃうで…俺、ずっとモモの事見てた。」

    2005-06-09 01:32:00
  • 39:

    「えっ…?」今…なんて?私がびっくりした顔で恭平を見ると恭平も見つめ返した。
    「俺がたまたま髪切りに店行った時、モモ店に入りたてでずっと立ってたやろ?ほかの奴らみんなしんどそうやったのにモモはにこにこしながら声だしとった。それで俺、なんか気になってん。今まで月一で美容院なんか行かんかったのに、モモ見たいから通ってた。」

    2005-06-09 01:41:00
  • 40:

    潮風がさぁっと恭平の髪をかきあげた。
    「ずっとしゃべってみたかってん。どんな子なんやろうってずっと考えてた。キャバ嬢やってたんわかった時はちょっと意外やったけど、親に頼らんと生活してるんわかってもっと好きなった。」
    好き…!?恭平今私のこと…
    「モモ。俺お前が好きや。俺の女になってくれ。」

    2005-06-09 23:21:00
  • 41:

    「恭平…」
    悲しくないのにいっぱい涙が出てきた。まだ私は恭平の事をよく知らない。でも、今日一日いて私は確実に彼に惹かれていた。まだ、現実味がない。恭平が私を好きだといってくれてるんだ…
    「泣くなや。モモ…やっぱムリか?」
    「ムリじゃない!!うれし…」

    2005-06-09 23:30:00
  • 42:

    私が最後まで言い終わる前に恭平が私の唇をふさいだ。初めてのキスは何の味もしない、だけどいっぱい気持ちが伝わるキスだった。二人が唇を離した瞬間に橋が明るくなった。
    「すごい綺麗だね…」
    幸せすぎて、私は恭平の手をぎゅっと握りしめた。

    2005-06-09 23:38:00
  • 43:

    好きな人がいるっていうだけでこんなにも毎日が充実するものだろうか。美容院ではスタッフやお客さんに「最近楽しそうやなぁ」と言われるくらい毎日顔が自然ににやけてくる。恭平と私は、キャバのバイトをしてない日はほぼ毎回会っていた。彼に早く会いたいから練習を朝練に切り替え、仕事中も先輩の技術を見て覚えていった。その結果、私は次回からカラーも任されるようになった。

    2005-06-09 23:48:00
  • 44:

    「麗央ちゃんさぁ、最近めっちゃかわいくなったよなぁ。」
    待機席でアリサさんが話しかけてきた。キャバで働き始めてもう3ヵ月たつ。最近、ちょこちょこ指名は増えてきたけどもやっぱり待機席が居場所だった。
    「えっ?そうですか?」
    「うん。お客さんとかほかの女の子も言いよったで。めっちゃかわいくなったなぁやって☆あっ?彼氏でもできた?」

    2005-06-12 01:19:00
  • 45:

    「…ふふっ☆」
    アリサさんの言葉に私は照れた。美容院でも仕事は順調だし、キャバではかわいくなったとほめられる。最近本当に幸せすぎて怖いくらいだった。
    「図星かぁ〜。ええなぁ。」
    「アリサさんだって大和さんとラブ×2じゃないですか。」
    アリサさんは一瞬ぴくっと眉を動かした

    2005-06-12 01:24:00
  • 46:

    「それが大和と今ケンカしてんねん。だからしばらく会ってないわぁ。」
    えっ?そうだったんだ…。初めて大和さんのお店に行って以来、私は何度かアリサさんとお店に飲みに言っていた。最近まですごく仲よさそうだったのに…。

    2005-06-12 01:30:00
  • 47:

    「あっ、でも二人仲いいからすぐ仲直りできますよ。」
    「なんも知らんくせに気休め言わんとってよ…」
    アリサさんが小声でつぶやいたのと、店内の音楽が大きかったのとで私はアリサさんがなんて言ってるか聞こえなかった。
    「えっ??」
    「なんでもないで☆麗央ちゃん彼氏大事にしいやぁ。」
    いつものアリサさんだ。この時、私は自分の事で有頂天になっていてたいして気にとめていなかった…。

    2005-06-12 01:41:00
  • 48:

    名無しさん

    続き書かないんですかぁ??
    書いて下さぃネ??

    2005-06-21 02:21:00
  • 49:

    55サンありがとうございます(>_

    2005-06-21 10:43:00
  • 50:

    上がる時間がアリサさんと一緒の日は必ず飲みに行ったりファミレスに行ったりしていたのだが今日のアリサさんは「じゃぁ麗央ちゃんお先に。」と早々と帰ってしまった。もしかして怒らせちゃったのかなぁ…。ちょっと私は憂鬱になった。

    2005-06-21 10:50:00
  • 51:

    季節は、もうすっかり夏だ。その日私はいつものように美容院が終わってからキャバに出勤した。今日のお客さんの出入りはいつもと変わらず私はいろんな席のヘルプでいったりきたりしていた。アリサさんもいつもと同じように明るい。

    2005-06-21 18:28:00
  • 52:

    「今日は平日やからもうお客さん来んなぁ。」
    店長が腕時計を見てそうつぶやいた。たしかに12時を過ぎるとお客さんの入りはガクッと減ってきた。私はまた待機席に逆戻りして名刺を書いている。
    「麗央〜、お前今日上がってええぞ。明日も仕事やろ?」
    「すいません、じゃぁお先でーす。」
    いつも平日のヒマな時は上がらせてもらっているので私はためらいなくロッカーにむかった。

    2005-06-22 00:34:00
  • 53:

    ロッカー室に行くとまやさんが着替えていた。
    「あっ、おつかれさまです…」「おつかれ」
    シーン…
    まやさんとは一回もしゃべった事がないからすごく気まずい空気が流れている。そんな空気の中まやさんが口を開いた。
    「麗央ちゃんさぁ…気ぃつけた方がええで」
    「はい?」
    何を言ってるの?私には何の事かわからない。きょとんとしている私を見ながらまやさんは続けた。

    2005-06-22 00:42:00
  • 54:

    「だからさ…ほら…」
    まやさんが言いかけた瞬間「おつかれ〜。」
    とバタンとドアを開けてアリサさんが入ってきた。
    「麗央ちゃんおつかれ。てかまやがこの時間に上がるん珍しいやん。」
    「アリサ…」
    まやさんはあきらめたようにつぶやいてかばんを持った。

    2005-06-22 00:47:00
  • 55:

    「お先に。」
    「えっ?まや麗央ちゃんとなんかしゃべってたんちゃうん??」
    アリサさんは着替えながらまやさんに聞いた。
    「いや、べつにたいした事ないしええねん。」
    まやさんはそう言って私の肩をぽんと叩いた。その時に「また明日話すわ…」
    と私しか聞こえないように呟いた。

    2005-06-22 00:52:00
  • 56:

    まやさんは何を言おうとしてたんだろう…気をつけるって何を?
    「まやも変わったなぁ。前はようしゃべってたのに。」
    アリサさんがそう言ってため息をついた。明日、まやさんに何の事かはっきりきこう。私はそう思ったのだがそれはムリだった。なぜならその日がまやさんを見た最後の日だったから…

    2005-06-22 00:59:00
  • 57:

    次の日。私は美容院の仕事が手につかなかった。まやさんの言葉がぐるぐる頭を回っている。
    「気をつけた方がええで」気をつけた方が…
    早く仕事が終わって『CURIOUS』に行きたい。今日ほどそう思った事はなかった。

    2005-06-23 00:57:00
  • 58:

    でもそんな日に限って受付時間ギリギリの予約がいっぱい入っていて、私は1時間も遅れて店に着いた。
    「おはようございます!!すいません、仕事が長引きました!!」
    「おぉ〜、電話もらってたみたいやしまぁ落ち着いてから用意してええぞ。」
    バックルームから店長がそう言って顔を出した。手にFAX用紙を持っているということは情報誌に載せる店の原稿を考えていたのだろう。

    2005-06-23 01:07:00
  • 59:

    「いやぁ、すぐ着替えてきます。」
    私はいそいそと店長の横を通り抜けてロッカー室に向かった。
    「なぁ麗央。お前今日まやがどないしてるか知ってるかぁ??」
    ふいに店長が後ろから聞いてきたので私は立ち止まってふりかえった。
    「えっ?まやさんまだ来てないんですか?」

    2005-06-23 01:12:00
  • 60:

    「そうやねん。あいついつも開店の1時間前には来て用意してるし無断欠勤も一回もないから気になってな。アリサもしおりも知らんゆーてるし、お前が知ってるはずないよなぁって思ったけど一応な。」
    店長はそう言って持っていた紙をくるくる丸めた。
    「まぁ今日は連絡できんくらい体調悪いとかあるかもしれんからな。麗央は麗央で今日頼んだで。」
    「はい…」

    2005-06-23 01:20:00
  • 61:

    私はがくっと体の力が抜けた。明日は夜出勤の日じゃない。じゃぁまやさんと話できるのはあさって以降になるのか…。もやもやした気持ちのまま私は着替えて待機席に座った。

    2005-06-23 01:25:00
  • 62:

    「麗央ちゃんおはよう。」「しおりさん。おはようございます。」
    待機席にはしおりさんだけが座っていた。
    「なぁ、まやちゃん今日来てへんやん?麗央ちゃん何も聞いてないやんなぁ?」しおりさんは私が座るなりそう尋ねた。
    「さっき店長にも言われたんですけど…私も何も聞いてないんです。」
    「そっかぁ…」
    しおりさんは煙草をくわえた。

    2005-06-23 01:31:00
  • 63:

    「私も昨日まやさんと約束してたから気になってるんですよ。」
    「そうなん?じゃぁなおさら今日来ぃひんの変やなぁ。昨日べつに体調悪くなさそうやったしな。」
    しおりさんは煙草の灰を落としながら心配そうにつぶやいた。
    「事故とかあってへんかったらいいねんけど…」
    私も不安になってうつむいた。でも、しおりさんの心配は現実になってしまった。その夜、自宅のマンションの浴室で死んでいるまやさんが管理人さんに発見された。

    2005-06-23 01:41:00
  • 64:

    名無しさん

    気になる?

    2005-06-23 01:43:00
  • 65:

    …棺の中のまやさんは、まるで人形のようだった。
    「まやさん…」
    私は棺の中にそっと花を入れて頬をなでた。
    まやさんが死んだ事を私達が知ったのは翌日になってからだった。マンションの大家さんが保証人の店長に連絡して、店長がすぐ女の子達に知らせたのだ。私にはわざわざ美容院まで電話してきてくれたので次の日の葬儀に来る事ができた。

    2005-06-23 23:34:00
  • 66:

    「なんでこんな事になってもたんや…」
    私の横で店長が小さくつぶやいた。お葬式には私より前に入った店の女の子は全員来ていた。みんな、まやさんをすごく慕っていたんだろう…。アリサさんも目を真っ赤にしてハンカチを握りしめている。しおりさんは出棺までずっとまやさんの側から離れなかった。

    2005-06-23 23:42:00
  • 67:

    「まや…起きてやぁ…はよせな店遅刻するで…」
    「しおりさん…」
    私はしおりさんの肩にそっと手を置いた。
    「麗央ちゃん…あたし信じられへん…この間まで一緒に働いてたのに…」
    しおりさんの肩は震えていた。
    「まやな、お酒にクスリ入れて飲んでたんやて…それでお風呂に入ったからアル中になって死んでしもてんて…なんでそんなあほな事したんやろ…」

    2005-06-23 23:50:00
  • 68:

    「えっ?まやさんが、クスリ…??」
    私は思わず耳を疑った。
    「病院で司法解剖したらそうやってんて。でも絶対なんかの間違いや…」
    しおりさんは私の方を向いてこう言った。
    「先週まやあたしにゆーてたもん。彼氏の子供できたって。だからお酒も煙草もやめなあかんなぁって。それやのにあの子がアル中で死ぬわけないやん!!」

    2005-06-24 00:01:00
  • 69:

    名無しさん

    続き読みたぁぃッ?主さん早く書いてねッ?楽しみですッ?

    2005-06-24 06:45:00
  • 70:

    77サンありがとうございます$O%%楽しみって待っててくださる人がいるってほんまにめっちゃうれしいものですね…$Gvこれからもがんばります$GPPP

    2005-06-25 02:00:00
  • 71:

    しおりさんはマスカラで黒く滲んだ涙を指で拭った。「あたしは聞いただけでまやの彼氏がどんな人かわからへん。うちらと同じ仕事してるゆーてたからボーイさんかホストやと思うねん。でもお通夜にも今日の葬儀にもそれらしい人はおらへんかった。」
    たしかに今日はそんな人は見当たらない。もしかしたらショックでこれなかったかもしれないけど…

    2005-06-25 02:12:00
  • 72:

    「麗央ちゃん、あたしな、まやの彼氏に会って確かめたいねん。なんであんな死にかたしたんか。ほんまに事故やったんかって…」
    「しおりさん…」
    私も気持ちは同じだった。プロのホステスが泥酔してお風呂に入ることなどありえないだろう。何があったのかちゃんと知りたかった。どうすればいいかわからないけど、それがまやさんの供養になる気がしていた…

    2005-06-25 02:23:00
  • 73:

    −それから2日がたった。やっぱりナンバー1が抜けたのは厳しい。店は空席が目立っている。
    「麗央ちゃんご指名のお客さまです。」
    急なアナウンスでびっくりした私はのろのろと向かった。一体誰が来たのだろうか。
    「…って、恭平!?」
    「よぅ、モモ。」
    ボックスには昨日会ったばっかりの恭平が座っていた。

    2005-06-25 02:32:00
  • 74:

    名無しさん

    続き気になる〜?

    2005-06-25 04:25:00
  • 75:

    82サンありがとうございます$O%%毎日ちょっとしか更新できないですけど…$Gx少しずつでも絶対完結させます☆☆☆

    2005-06-25 23:45:00
  • 76:

    「なんで来たの??電話してくれたら家まで行ったのに。」
    「バイトの給料入ったしたまにはキャバ嬢のモモも見よかなぁ思って。」
    恭平は私が作った水割りを一口すすった。
    「それにこの間店の人亡くなったんやろ?お前昨日も元気なかったし、ちょっと心配なってな。」
    「恭平…」

    2005-06-25 23:54:00
  • 77:

    私は恭平の優しさが本当にうれしかった。自分を思いやってくれる恋人…まやさんの彼氏もそうだったのだろうか?
    「ねぇ、恭平。」
    「ん?」
    「もし私が恭平の子供できちゃったらどうする?」
    恭平は水割りを吹き出した。
    「えぇっ?!俺もう親父になったん!?」
    「だからもしだってば。気が早いなぁ…」

    2005-06-26 00:00:00
  • 78:

    「そうやなぁ、今俺まだ学生やし楽はさせてやれんけど産んでほしいかな。」
    「ほんとに?」
    「俺はそうやな。でももしそうなったら生活苦しくてもモモにキャバ嬢はさせへんで。万が一の事があってほしくないからな。」
    私はそれを聞いて考えてしまった。

    2005-06-26 00:09:00
  • 79:

    「やっぱりそうだよね…まやさんはなんでやめなかったのかなぁ…彼氏に内緒にしてたとか…?」
    「モモ?何ぶつぶつゆーてるん?」
    恭平が私の顔を見ながら聞いた。
    「なんでもない。私は恭平が彼氏でよかった。」
    照れたらしく恭平のお酒を飲むピッチが早くなった。私はそんな彼を見ながら、まやさんの彼氏をなんとしても探そうと決心した。

    2005-06-26 00:16:00
  • 80:

    名無しさん

    気になるょ〜(>_

    2005-06-27 07:04:00
  • 81:

    ?

    ???

    2005-06-27 09:17:00
  • 82:

    88サン89サンありがとうございます$O%%%昨日一日寝てもたんで今日がんばっていきます$OPP

    2005-06-28 22:23:00
  • 83:

    それから私は店の女の子にさりげなくまやさんの彼氏について聞き出す日々が続いた。だが、まやさんは仕事中以外はほとんど女の子と口をきかないのでみんなまやさんのプライベートを知らなかった。
    「はぁぁ…」
    自然にため息が出た。もう疲れた…。今私がしてる事って意味があるんだろうか…打つ手がなくなった私はすごく無意味に時間が流れている気がしてきた。

    2005-06-28 22:32:00
  • 84:

    「麗央ちゃん…ちょっといい?」
    ある日仕事終わりにアリサさんが話しかけてきた。アリサさんはしばらく体調が悪かったらしくずっと店を休んでいたので話すのはお葬式以来だ。
    「どうしたんですか?」
    「さっき女の子達が麗央ちゃんがまやさんの彼氏どんな人か気にしてるって話してたから。私心当たりあるねん…」

    2005-06-28 22:38:00
  • 85:

    「ほんとですか!?」
    「うん。でもここやったらアレやから場所変えへん?」
    私とアリサさんはサンキタ通りの居酒屋に移動した。生中二つ、とアリサさんは店員に注文してバッグからマルメンを取り出した。
    「アリサさん、ほんとなんですか?」
    「うん…まやから聞いた話ちゃうから黙っとこうと思ったけどいずれ分かるやろうから。」

    2005-06-28 22:44:00
  • 86:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 87:

    その時店員がビールを持ってきたので私達は会話を中断してジョッキに口をつけた。今日も暑かったのでビールはするすると喉を通っていく。
    「誰から聞いたんですか?」
    私はジョッキを置いて会話を再開させた。
    「大和の店の子。後輩がアリサさんと同じ店で働いてる子と付き合ってるみたいやでって前ゆってきてん。」

    2005-06-28 22:51:00
  • 88:

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    あぼ~ん
  • 89:

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    あぼ~ん
  • 90:

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    あぼ~ん
  • 91:

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    あぼ~ん
  • 92:

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    あぼ~ん
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    あぼ~ん
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    あぼ~ん
  • 95:

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    あぼ~ん
  • 96:

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    あぼ~ん
  • 97:

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    あぼ~ん
  • 98:

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    あぼ~ん
  • 99:

    名無しさん

    そりゃ失せるよね?楽しみにしてるから頑張ってね?

    2005-06-29 05:31:00
  • 100:

    アリサさんは続けた。
    「大和の店の子にカズキってゆー子がおってさ。麗央ちゃん覚えてないかなぁ?初めて店に行った時にお酒持ってきてくれたちょっといかつい子。」
    あぁ…。あの大きい顔がちょっと恐い人…。
    「あの子とまやが付き合っててんて。カズキは遊びやったんやけどまやは本気やった。」

    2005-07-08 22:59:00
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