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お前の思い出と記憶の中の《俺》…
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1:
愛人
一緒に笑って、一緒に怒って、一緒に泣いて、
同じ時を過ごして来たはずやのに、
お前の思い出に…
お前の記憶に…
俺はいない。2005-12-08 22:23:00 -
2:
愛人
俺にとって、何もかも初めてやった…
ずっとこれから先も同じ思い出や同じ記憶を辿っていけると思ってた。
でも違った。2005-12-08 22:32:00 -
3:
愛人
俺がお前の思い出や記憶の中から、俺がいた事を消し去ってしまったんや。
こんな俺でごめん。
何もしてやれんで、何もわかってやれんで、ホンマにごめん。2005-12-08 22:34:00 -
4:
愛人
お前は、いつも俺の味方やった。
俺の一番の理解者やった。
そして、俺の弱い部分も含めて全部を受け止めてくれた。
俺はそんなお前に甘え過ぎた。
それが、最大の天罰を俺にくだす事となる…2005-12-08 22:46:00 -
5:
愛人
俺の家庭は、父子家庭。
母さんは、俺が物心付いた頃には、もぉおらんかった。
だから、俺の思い出や記憶の中に、母さんはいない。
顔もぬくもりも匂いも…知らない。2005-12-08 22:50:00 -
6:
?
見てるよ?頑張って??
2005-12-08 22:50:00 -
7:
愛人
?ちゃん??ありがとおな??頑張るわ?これからも応援よろしく??
2005-12-08 22:52:00 -
8:
愛人
俺の思い出の中の記憶の中の家族はおらん。
父さんは、俺の住む町でも名の知れた医者。
仕事であんま家におる事もない。だから父さんと話した思い出や記憶もない。
いつも手伝いと二人きり。だからこそ、生活は十分過ぎるぐらい裕福で、欲しい物はなんでも手にはいった。望む物は全て。金で買える物なら全て…2005-12-08 22:57:00 -
9:
愛人
それを寂しいだとか、悲しいだとか思った事は一度もない。
父さんがいる事や母さんがいない事が、どれだけのものなのか、存在の大きさすら、俺には分からないから。2005-12-08 23:00:00 -
10:
愛人
でも、母さんが残してくれたものがある。
俺の母さんはフランス人やったらしく、俺の顔の所々に母さんの面影か残ってる。
小さい時は、それが無性に嫌やった。2005-12-08 23:03:00 -
11:
愛人
みんなとは違う、青い目。みんなとは違う、クリーム色の髪の毛。
みんなとは違う、顔の作り…
全てが嫌だった。2005-12-08 23:05:00 -
12:
愛人
その事で、友達が出来なかった現実。
イジメられる事も少なくなかった。
でも、生まれてこの方、一人でいる事は慣れてた。
だから、それがつらいだとか、苦しいだとか、悲しいだとか思わない。2005-12-08 23:07:00 -
13:
愛人
それが俺にとって、一人でいる事が俺にとって、当たり前やったから。
でも、いつから俺は笑うとゆう事をせんくなった。2005-12-08 23:09:00 -
14:
愛人
産まれて来た意味だとか、生きてる意味だとか、そんなんわからへん。
そんな事に意味なんてあるんかな?
わからへん。
なんでもいい。
どおでもいい。2005-12-08 23:12:00 -
15:
愛人
そんな、闇の世界から手を差し延べてくれたのは、誰でもなく、お前だった…‥
2005-12-08 23:14:00 -
16:
愛人
〜〜中学入学〜〜
今まで、腫物を扱うかのように近づく奴もいなかった俺に、入学してすぐ、
俺の、大ッ嫌いな顔なんか、俺の、大ッ嫌いな家庭環境なんか、いろんな女が近づいて来た。2005-12-08 23:17:00 -
17:
愛人
先輩や違うクラスの女。
いろんな女が、めずらしい物を見るかのように、毎日毎日、俺のクラスにやって来た。
めんどくさい。
うるさい。
一人に慣れてた俺は、女が騒がしく感じた。2005-12-08 23:19:00 -
18:
愛人
そんな俺に、気をかけるのは、女だけで、男はとゆうて、白い目で俺を見るだけ。
友達なんておらん。
俺も自分から作ろうとせんかった。
そんな形だけのもの、なんていらん。
一人の方がよっぽどマシやとすら思うとした。2005-12-08 23:23:00 -
19:
愛人
俺は、そんなうるさい女や、白い目で見る男から逃げるかのように、いつも休み時間になると、屋上に向かってた。
ただ、時間が過ぎるのを待つ。
上を見上げると、青い空にただ一つ真っ白な雲が優雅に浮かぶ、そんな雲が大好きやった。
そんな雲を見てると、心が安らいだ。2005-12-08 23:30:00 -
20:
?
頑張ってるゃん?
更新まつの嫌ゃから明日、一気に読ましてもらぅゎ?頑張れぇ??2005-12-08 23:35:00 -
21:
愛人
…‥〜
…っ…な‥なぁ、なぁ!なぁ!」
いつの間にか、眠ってしまってたんやろぉ。
女が肩を叩きながら声をかけてきた。
目をうっすら開けた時、女が目にはいった。女が目にはいった時、ちょうど太陽の光と女がかさなり、顔はあんま見えんかったけど、メッチャ優しい懐かしい、そんな匂いがした。2005-12-08 23:41:00 -
22:
愛人
毎日のようにいろんな女が、クラスにやってくるけど、そんな女たちとはなんかちゃう気がした。
それに、声を直接かけてくる女はいなかった。
それやのにその女は声をかけた。
俺は、驚いて、体を起こした。
2005-12-08 23:46:00 -
23:
愛人
女「そんなとこで寝取ったら、風邪ひくで?」
俺「あぁーありがとお」
俺は、そおゆうと、その場を立ち去ろうとした時、女は口を開いた。
女「…君さーよく分からんけど有名やでな?」2005-12-08 23:50:00 -
24:
愛人
俺「…有名でもなんでもないで。珍しいだけやろ。俺はそんなん別に望んでないし。ハーフで産まれたくて産まれたんちゃうし、あんな家庭で育ちたい思って育ったんちゃうし」
女「でも、それが君にとっての現実なんやったらそれを受け止めるしかないんちゃうかな?」
なんか、女の言葉にメッチャ重みを感じた。2005-12-08 23:57:00 -
25:
愛人
俺「…」
女を背に、俺は返す言葉が見当たらなかった。
いつも自分でわかってた。この現実が今俺の現実なんやって。
でもそれを受け入れたくなかった。人となんかがちゃう俺。
でもそんな事、人からゆわれる事なんてなかった。2005-12-09 00:02:00 -
26:
愛人
女「…ってか花が口だす事じゃないね。でしゃばってごめん。じゃあ行くわ。」女は、俺の目の前を通り、扉を開こうとした。
その時俺は、なぜか女の腕をつかんでた。
なぜがその女ともっと話したかった。2005-12-09 00:17:00 -
27:
愛人
なんでそお思ったかは分からへん。
でも体が勝手に女を引き止めてた。
俺「…ご、ごめん。」
女はそんな俺の気持ちを察してくれたんやろぅ。
女「もぉ少し話そっか。」2005-12-09 00:20:00 -
28:
愛人
二人で、屋上の少し冷えたコンクリートの上に腰をおろした。
女「あたしの名前は花。で、君はなんてゆうん?花噂とかメッチャうぶやから!」
俺「…愛人。名前は愛人。」
女「いい名前やな!メッチャ愛されてその名前つけてもらったんやろな!感謝しなあかんな!」
俺「愛されてた?俺が?」女「そやで!お母さんもお父さんも愛人君が大好きで大切で愛しくて、誰からも愛されるような、ほんで愛人君自身も誰かを愛せる人になってほしくてその、愛人って名前つけたんちゃうかな?」2005-12-09 00:27:00 -
29:
愛人
女の言葉を聞きながら、頬を伝う涙に気付いた。
今までそんな風にゆわれた事なんか一度もない。涙を流した事も俺の思い出や記憶の中にない。
それやのに今、俺の目にはたくさんの涙が頬を伝う。それが現実だ。
俺は愛されてたんや。産まれて来た事にホンマちょっと意味があるような気がした。2005-12-09 00:39:00 -
30:
愛人
俺「…俺、俺ずっと自分が嫌いやった。この顔もこの家庭環境も全て。俺が産まれて来た意味も生きてる意味すらもないんやって。俺なんて必要ないんやって…。」
俺は、何かを訴えるかのように、声を出した。
女「必要ない人なんておらん。花はそお信じてる。だから愛人君も信じよや?」2005-12-09 00:40:00 -
31:
愛人
俺はどっかでこいつならわかってくれる思ったんやろな…
口をゆっくりと開いた。
俺「俺な、あんま家族とかの思い出とか記憶とかないねんやん。母さんは、物心ついた時にはもぉおらんかった。その理由もしらん。聞こうとも思った事もない。父さんは、医者で家におるとこすらみたことない。だからいっつもだだっ広い家に手伝いと二人きりで、一人で冷えきった飯食うてた。友達もな、おらん。俺がハーフやから、目の色とか髪の色とか顔の作りとかで、いっつも軽蔑されて近づいて来てくれる奴もおらんかった。だから俺は一人でええ思ってた。でも正直、花が…花が…」
なんか分からんけど言葉が詰まった。その続きがゆわれへん。ホンマは伝えたいのに。2005-12-09 19:43:00 -
32:
愛人
そんな俺を見兼ねてか、花が話を繋げてくれる。
花「愛人君はな、一人ちゃうよ!絶対。花愛人君と今日初めて話して今話してみて、ホンマは心の底でずっと何かを求めてたんちゃうかな?って思った。それをいつからか、諦めてもーてたんちゃう?花はな…両親おらんねん。花は、捨てられてんて。だから今までおばあちゃんとおじいちゃんに育ててもろてん。一時、メッチャ両親を恨んだで?捨てるぐらいなら…愛してないんやったら…って…っ…っつ…」2005-12-09 19:55:00 -
33:
愛人
花は、泣きだしてしまった。
ホンマは、花の方がつらかった。
花の方が苦しかった。
花の方が寂しかったんや…やのに一生懸命、自分の存在を自分で見付けようとしてる。
しかも、俺にまで勇気をくれようとしてた…2005-12-09 20:01:00 -
34:
愛人
そんな花に、俺は、何もゆう事が出来なかった。
そんな自分に腹がたった。花「…ごめんな。花が泣いたら意味ないな!笑」
花は、どこまで、優しい子なんやろか…
泣きながらも、俺に笑顔を見せて、自分よりも俺の事ばっか気にしてくれて…
その泣きながら笑顔を見せる花が愛しく感じた。2005-12-09 20:06:00 -
35:
愛人
それと同時に、俺は、花を抱き寄せてた。
自分でも驚く行動を気付いたらとってた。
花とおったら自分の行動が、分からへん。
でも、今、今花を抱き寄せな、抱き締めな、花が消えてまいそぉなそんな気がした。2005-12-09 20:13:00 -
36:
愛人
俺「花?花もぉ分かったから。もぉなんもゆわんでええよ。」
花「…っ…ぅっ…っつ…」俺「俺、なんもゆうてあげられへんけど、俺花に今日声かけられて、ホンマはメッチャ嬉しかってん。花が俺に勇気をくれたんやで?ありがとおな?」
やっとゆえた。伝えたかった言葉。
詰まってゆえんかった言葉がやっとゆえた。そんな気ぃした。2005-12-09 20:21:00 -
37:
愛人
花「…っ…ぅっ…っつ、花っ、花、力になれた?…ぅっ、愛人君の力なれた?」俺「十分なれてるで。俺は、一人じゃない思えたよ?」
俺は、ゆっくりと花の体を離した。
そして、花と目を合わす。2005-12-09 20:28:00 -
38:
愛人
俺「花ありがとお。こんな俺を救い出してくれて…」
2005-12-09 20:30:00 -
39:
愛人
目にうつる花は、メッチャちっさくて、今にも消えてまいそぉなその姿を、一生懸命支え、笑顔を見せる。その笑顔を俺は、忘れはせぇへん。
初めて、支えてやりたいと思った。
初めて、ぬくもりを感じた。
そして、初めて、愛しいとゆう気持ちを知った。2005-12-09 20:37:00 -
40:
愛人
花「花こそありがとお。…花なー、きっとどっかで、誰かに認めてほしかってん。捨てられたって聞いてから、両親恨んで、恨んで、捨てるぐらいなら、愛してへんねやったら、産むなよって。でも、最後にいっつも思うんは、なんでなん?なんで花を捨てたん?って。憎いとか通り越して、つらかった。必要とされて産まれて来れんかった現実に…。でもやっぱり一人は嫌やった。花が産まれて来てよかった思ってほしかった。だから、花は何があっても泣かへんって思ってん。笑ってよって。でもやっぱ頑張るのって疲れるんかな?笑」
2005-12-09 20:53:00 -
41:
?
今日も見てまぁ??
2005-12-09 21:00:00 -
42:
愛人
花は、少しはにかんだ様に、話してくれた。
それが無性に嬉しかった。それと同時に、花はしっかりと前を向いて進もうとしてるんやって。
でも誰しも逃げ出したくなる気持ちはある。
それを感じさせない花はすごいと思った。2005-12-09 21:04:00 -
43:
愛人
?ちゃん?いっつもありがとおな???ごっつ嬉しいわ???笑 まあぼちぼち更新するし見たってな?笑
2005-12-09 21:05:00 -
44:
愛人
俺「花は、産まれて来るべきして産まれてきてんで?俺は今花と話せてホンマに救われた。それはやっぱ花がおったから、産まれて来て生きて来たからこそ、俺は救われてん。俺は今まで逃げてきててん。一人でおる事に逃げてた。それを慣れに任せてな。でも俺今日花に出会えたからこそ、変われる気ぃすんねん。花に出会えんかったら俺は変わろうとすらせんかった。俺は、花が産まれて来てくれてよかったって思うし、花を産んでくれた花の母さんや父さんにも花を育ててくれたおじいちゃんやおばあちゃんにも感謝したいで?」
2005-12-09 21:19:00 -
45:
愛人
俺の精一杯の気持ちやった。
いろんな言葉がある中で花にどんな言葉が似合うやろう?
そんなん分からんけど、俺の素直な気持ちやった。2005-12-09 21:21:00 -
47:
名無しさん
頑張ってください!続き楽しみにしてます!
2005-12-16 16:07:00 -
48:
名無しさん
ぁげ?ぁげ?
2005-12-18 20:52:00