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128:
私達には、蒼の笑顔が一番の元気の源だった。私達が蒼を励まし、勇気づけてあげなくちゃいけないのに、逆に私達が蒼に勇気づけられていた。
【ごめんね、蒼――こんな泣き虫で頼りなくて弱い親で――・・・でも、ママ達蒼の為に頑張るからね!!だから、蒼も病気なんかに負けないでね――・・・】2006-04-20 15:15:00 -
129:
ずっと起きていたらしんどくて可哀相だと思い、蒼を寝かせてあげた。
蒼の寝顔は、本当に天使のようだ――・・・蒼が、私達の子供で本当に良かった。
【蒼は、ママ達が絶対に守ってあげるからね――・・・】2006-04-20 15:17:00 -
130:
夕方になり、離れたくなかったけど帰らなくちゃいけなくて、蒼に『また明日ね☆明日は、蒼の大好きなアンパンマンのお人形と、アンパンマンのお菓子買ってくるからね☆楽しみにしててね☆――おやすみ☆』寝ている蒼にそう呟き、私達は蒼の部屋を出た。
親達と病院の外で別れ、私達も家に帰った。2006-04-20 15:20:00 -
131:
家に帰り、蒼のおもちゃなどをカバンにつめていた。
すると、1枚の写真がでてきた。その写真に写っていたのは――・・・
産まれたばかりの、蒼の写真だった。おもちゃをつめている私の手は、とまった。その蒼の写真を眺めていた――・・・2006-04-20 15:22:00 -
132:
【産まれたばかりの蒼――懐かしいな〜――☆お猿さんみたい、蒼―☆蒼は、産まれた時から凄く元気な子だったもんな〜☆なのに、今は元気ないんやもんな〜――☆――――――・・・神様―――お願い―――私の命はいらないから―――前みたいな、元気な蒼を返して下さい―――お願い―――蒼から、笑顔と元気をとりあげないで―――・・・】
私は、蒼の赤ちゃんの時の写真を見つめ、泣きながら神様にお願いした――・・・2006-04-20 15:26:00 -
133:
次の日、私は少し目を腫らしながら病院にいった。【昨日少し泣きすぎちゃったかな――・・・】そんな事を思いながら、蒼の病室へと向かう。
蒼の部屋の前に着くと先生がいて『おはようございます☆蒼ちゃんはまだ寝てます―☆ほんと可愛いですね、蒼ちゃんは☆』と先生に言われた。蒼は、前の病院の時から人気者になっていて、ここの病院でも人気者になったいた。
『先生、蒼の容態は――・・・』私が聞くと『大丈夫です☆落ち着いています☆』と言われた。私は一安心した。『とりあえず、様子を見ていきましょう☆回復にむけて、頑張っていきましょうね☆』と先生は言った。2006-04-20 17:05:00 -
134:
私はこの時、先生から勉強させられた。
先生は、私達、親が我が子の事で凄く不安になっているのを、言葉一つで安心させてくれる。もちろん、治療など色々としてくれ、私達の助けとなってくれ、最善の手をつくし蒼の助けになってくれる。でも、言葉一つで安心させるなんて、凄いと思った。なのに、私ときたら、蒼に泣き顔や不安そうな顔ばかりみせている。蒼に安心させてあげれてない。どこまで情けない親なんだと、先生に気付かさせてもらった。
【蒼が助かると心から信じ、蒼を守ると蒼に約束したのに、こんなんでどうする!!!私が変わらないと、蒼の容態も変わらない!!!ごめんね、蒼――本当に、ママ情けなさすぎやね!!!ママ、変わるから!!!蒼を助けて、蒼を不安なんかにさせないから!!!】私は、この日を堺に強く心に誓い、蒼をなにがなんでも不安にさせないと決めた。2006-04-20 17:09:00 -
135:
私は除菌をし蒼のもとへといった。慶太は、今日から仕事へ行った。『蒼に何かあったら、スグに連絡して!!!』それだけ言っていた。
部屋にはいると、蒼がちょうど起きた。『蒼☆起こしちゃった〜??☆ごめんね〜!!!☆おはよっ☆』と言いながら、蒼に近寄り手を握った。『マーマ――・・・』蒼が手術を終わってから初めて弱々しく喋ったのだ。『どうしたん、蒼?!!!何?!!ママはここやで?!!』私は必死に蒼に喋りかけた。『マーマ――・・・マーマ――!!!』蒼は私を呼ぶなり、笑顔で左手もさしのべてきたのだ。『蒼!!!どっか痛いん?!!どうした?!!☆』私も必死に喋りかけ、左手も握ってあげる。『抱っこー――・・・☆』蒼は抱っこをしてほしくて、手をさしのべていたのだ。
私は、蒼を抱っこしてあげたくてたまらなかった。前なら『仕方ないな〜☆甘えんぼの蒼はいつまでも、お子ちゃまやな〜☆』などと言い、抱っこをしてあげていた。でも、今はしてあげれない。2006-04-20 17:18:00 -
136:
手術が終わって間もないし、それに蒼の命を繋げているたくさんの管があるから――・・・
どうしても抱っこしてあげたいのに、蒼が私に求めていてくれてるのに、私はこたえてやれない。溢れでそうな涙をグッと堪え『蒼☆ママもね、蒼を抱っこしてあげたくてたまらないんだよ??☆でもね、今おとなしくしていないと、蒼前みたいに遊べなくなっちゃうんだよ??☆だから、もう少し抱っこは我慢してね??☆』私は蒼にそう返事を返した。
蒼はわかったのか次は『アンパンマン―・・・☆』と言ってきたのだ。私は、家から持ってきた蒼の大好きなアンパンマンのおもちゃや、お人形を蒼の手と横においてあげた。『アンパンマン☆』蒼は、アンパンマンのお人形を手にするなり、満面の笑顔になりアンパンマンのお人形を大事に握り締めていた。2006-04-20 17:21:00