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161:
私と看護婦さん2人で織っていると、また看護婦さんが来て『私にも織らせて下さい☆』と言って、加わってくれた。
次第に看護婦さんはいっぱい集まってきてくれ、看護婦さん数名と、私で《千羽鶴》を織っていた。仕事があるのにもかかわらず、蒼の為にいっぱいの看護婦さんが集まってくれ、たくさんの鶴を織ってくれた。
私はその看護婦さん達の気持ちが凄く嬉しく、ありがたいと思い、心強かった。2006-04-21 17:46:00 -
162:
これだけ蒼の事を想って応援してくれている人達がたくさんいるのだから、蒼は必ず助かる――・・・必ず元気になる――・・・
そう強く思った。2006-04-21 17:48:00 -
163:
2、3時間程看護婦さん達は一緒に鶴を織ってくれ、仕事に戻っていった。
私は、蒼が起きるまでひたすら織り続けた。夕方になる頃、先生が蒼をみにきてくれた。
『ん??鶴ですか??』先生が聞く。『はい☆蒼の為に織ってるんです☆色んな方に織ってもらったんで、効果は絶対あります☆私はそう信じています☆』と私がゆうと『そうですか〜☆じゃあ、私にも織らせて下さい☆いいですか??☆』と先生に聞かれ『ありがとうございます☆』と言い、先生に折り紙を渡した。2006-04-21 17:50:00 -
164:
先生は、蒼が起きるまで織ってくれるとの事で、蒼が起きるまでいっぱいの鶴を織ってくれた。
『先生!!蒼ちゃん目を覚まされました☆』と看護婦さんが言いにきた。『先生、ホンマにありがとうございました☆』と私は先生にお礼を言い、先生は蒼をみにいった。2006-04-21 17:53:00 -
165:
私は、先生に蒼をみてもらっている間に、片付けをしていた。
先生が出てきて『蒼ちゃんの傍にいってあげて下さい☆』と先生が声をかけてきてくれ、私はおじぎをし蒼のもとへといった。2006-04-21 17:55:00 -
166:
蒼は寝起きのせいか、少し元気がなかった。
『蒼、しんどいん??大丈夫??』と声をかける。でも、蒼は何も言わないまま少し笑っていた。蒼は起き上がる事なく、しばらく寝たままだった。
凄く心配でたまらなくて、少し恐かった。10分ぐらいすると、蒼はだんだんと元気がでてきて、起き上がった。2006-04-21 17:56:00 -
167:
『蒼??無理しなくていいんやで??しんどかったら、ネンネしときや??』と私がゆうと『アンパンマン☆』と、いつもの笑顔の蒼になり、私の手をひっぱり握ってきた。
『蒼はホンマにアンパンマンが好きやな〜☆どれで遊ぶの??☆』とゆうと『これ〜☆』と蒼がさしたものは、やっぱりお絵描きボードだった。
『じゃあ、またお絵描きしよう☆蒼が描いたやつ、またママに見せて☆』とゆうと、蒼は笑顔で『あい☆』と言った。2006-04-21 18:00:00 -
168:
蒼が何を描こうか考えてると『蒼〜☆今日も元気やな〜☆』と、慶太が来た。『パパ〜☆』蒼は嬉しそうに、慶太をむかえた。
『蒼〜☆パパ寂しかったわ〜☆』と慶太は言い、蒼の手を握った。『あっ!!!☆』と蒼は言い、いきなり何かを描きだした。私と慶太は笑って見つめ合い、蒼が描き終えるのを、待っていた。
しばらくして『あい☆』と、蒼は描き終えた絵を私達に見せてきた。『どれどれ〜―☆』私と慶太は蒼の描いた絵を見る。『――蒼―――・・・』私の声は震えてしまった。2006-04-21 18:04:00 -
169:
蒼は、私と慶太を描いてくれたのだ。丸の中に点々と線しか描かれてなかったけど、私と慶太は自分達だと、思い込んだ。
『蒼――☆これ、ママとパパ??☆』私は声を震わせながら聞いた。『うんっ☆ママ、パパ☆』決して元気な声とは言えないが、ちゃんとハッキリと蒼はそう言った。
『――蒼〜―・・☆――ありがとうね―☆』私はそう言い、蒼の手を握り締めた。2006-04-21 18:07:00 -
170:
そして、記念にその絵と一緒に、看護婦さんに写真を撮ってもらった。『ママとパパの宝物やわ――☆大事にするな、蒼―☆』と言うと、蒼は満面の笑みをしていた。
私は、色んな蒼を撮りたくて、ちょこちょこ蒼を撮っていたのだ。実は、蒼が初めて空の絵を描いた時も、ちゃんと撮っておいていたのだ。
デジカメは、蒼でいっぱいだった。2006-04-21 18:10:00