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211:
久しぶりに楽しすぎて、こんなにも幸せな時間を過ごした。
あまりにも楽しすぎて時間など忘れていた。すると『あの――・・・』看護婦さんが申し訳なさそうな顔で声をかけてきた。『嘘――・・・!!!』時計をみると、もう時間になっていて少し過ぎていた。『やっぱり幸せな時間は、過ぎるのが早いな――・・・』慶太が悲しそうな表情で、そう言う。
お昼寝をあれだけしてしまって、夜寝れないんぢゃないかと、蒼の心配をした。2006-04-25 00:40:00 -
212:
『蒼、眠たくないんちゃう―??』『やぁーーーーー!!!マーマ!!!マーマ!!!』
私が蒼の心配をして蒼に言うと、蒼はなんとなくわかるのか、急に泣きそうな顔をして私に抱っこしてとゆう動作をしてきた。
『蒼!!!そんな暴れたら危ない!!!今ママと変わったるから、ちょい待ち!!!』蒼が慶太の腕の中で少しジタバタとするから、慶太は蒼の点滴や管などを心配して慌てる。2006-04-25 00:46:00 -
213:
慶太から変わり私が蒼を抱くと『やーーー―・・・』蒼が小さく呟く。
こうゆう時、傍にいてやれない事が凄く辛い。辛すぎる――・・・可愛い我が子が、こんなにも寂しそうで悲しそうな顔をしているのに、私達は我が子をおいて家に帰らなくちゃいけない――・・・蒼の傍にいたい気持ちでいっぱいなのに、神様はそうはさせてくれない。
神様は冷たい――・・・2006-04-25 00:48:00 -
214:
『蒼―??ママもパパもね、蒼の傍にいたくて仕方ないんだよ―??☆でもね、蒼の病気を早く治す為に、少しの間だけバイバイしなくちゃいけないの――・・・蒼がネンネして起きたらママいるから―☆だから、眠たくないかもしれないけど、ネンネしよ―??☆ねっ―??☆』『ん〜――・・・!!!』
私がそう言うと、蒼は寂しそうな顔で私の服を掴みながらも、寝ようとしていた。
可哀相だけど、起きていて寂しい思いをさせるぐらいなら、寝かせてあげてそんな思いをさせない方がよっぽどマシだと、私は思った。2006-04-25 00:52:00 -
215:
無理矢理、目を閉じる蒼。【こんな事をさせる為に私達はいるのか??】
そう思うと、悔しさや、やりきれない気持ちで胸をきつくしめつけられた。
蒼を抱っこしながらトントンしてあげる。でも、やっぱり中々寝てはくれない。それでも蒼は一生懸命寝ようと、目に力をいれて閉じている。2006-04-25 01:05:00 -
216:
そんな蒼を、このままほってなんて帰れるわけにはいかず、慶太をみるとわかってくれたのか、慶太は先に外に出て先生と話していた。
その間、私は蒼をひたすらトントンしてあげる。すると、力の入った蒼の目は、段々と目から力がぬけていく。私はトントンをし続ける。
蒼はスヤスヤと眠ってくれ、私は静かに蒼をベッドに寝かす。2006-04-25 01:14:00 -
217:
私も部屋を出て、先生と看護婦さんに『すいません、時間が過ぎているのに無理を言ってしまって――・・・』『全然いいですよ☆逆の立場でしたら、私も一緒の事しますしね☆そんな事気にしないで下さい☆』私が謝ると、先生は優しく言葉を返してくれた。
私達は頭を何度もさげ、病院を後にした。2006-04-25 01:16:00 -
218:
帰り道の車の中で『蒼――だいぶ痩せてたな――・・・わかっていたけど、あんなに痩せてるとは思わんかった――・・・』慶太が運転しながら、まっすぐ前をみながら言う。
そんな慶太の横顔は、悲しそうで、切なそうな顔をしていた。『うん――・・・私も思った――なんか、蒼ぢゃないみたい――・・・』私が返事をすると『(―ドンッ!!!)何で変わってやられへんのや!!!何で俺やなくて蒼やねん!!!何で蒼があんなめにあわなあかんねん!!!何でっ―――・・・』
慶太はハンドルを強く叩き、最初は勢いよく言ったが、最後はそんな勢いもなくなり、弱々しく少し声を震わせて言った。2006-04-25 01:19:00 -
219:
私も慶太も、同じ事を思っている。でも、思うだけならいくらでもできる。思うだけで実際そうしてあげられないのが、現実――・・・そんな悔しい思いをしている慶太の気持ちが、痛い程わかる。
『慶太、落ち着いて――・・・とりあえず、前をちゃんとみて運転し――・・・』『落ち着いてられるか!!!―――咲緒梨は――平気なんか―?!!あんな蒼をみて――肌で感じて、平気なんか?!!』2006-04-25 02:03:00 -
220:
慶太は興奮して、私に怒鳴ってきたのだ。
『――・・・』『――何で黙ってんねん――・・・咲緒梨は平気なん―??黙ってるって事はそうなんやろ―??そうなんやろ?!!』
慶太は、狂ったように私をみて言う。2006-04-25 02:05:00